韓国の食卓を支えるヒーローたち!ネパール青年が語るリアルな韓国農村生存記

韓国ドラマやバラエティ番組を見ていると、のどかな農村の風景に心が癒やされることはありませんか?『海街チャチャチャ』(小さな漁村を舞台にしたヒーリングドラマ)や『三食ごはん』(自給自足の生活を映す人気バラエティ番組)で描かれる美しい田舎の景色。しかし、その「リアルな日常」を支えているのは、実は韓国へ夢を抱いてやってきた海外からの青年たちなのです。

今、韓国の農業現場では「彼らがいなければ食卓が成り立たない」と言われるほど、外国人労働者の存在が欠かせなくなっています。今回は、江原道(カンウォンド)のインジェ郡(北朝鮮との国境に近い山岳地帯)で、豚を育てる養豚農家として奮闘するネパール出身の青年、アールジュン(어르준)さんとロゲス(로게스)さんの物語をご紹介します。

■「韓国語の試験」はアイドルの練習生並みの難関!?

韓国で働くためには、まず高い壁を越えなければなりません。アールジュンさん(35歳)とロゲスさん(31歳)は、ネパールの大学を卒業後、すぐに韓国行きを決意しました。現在、ネパールの若者の約半分が、より良い賃金を求めて海外へ渡るそうですが、その中でも韓国は「安全で給料が高い」と非常に人気の高い国です。

しかし、韓国へ行くためのハードルは他国よりも高いのが現実。韓国語能力試験(EPS-TOPIK)に合格しなければならず、入国後もさらなるステップアップのために「社会統合プログラム(KIIP)」という、韓国の政治や経済、文化を学ぶ5段階の厳しい教育課程を受ける必要があります。

まるでK-POPアイドルの練習生がデビューを夢見て必死に韓国語を習得するように、彼らもまた、異国の地で生き抜くために「言葉の壁」を死に物狂いで乗り越えてきたのです。

■「私たちが休めば、韓国の農業も止まる」

アールジュンさんとロゲスさんが働くのは、江原道インジェ郡にある養豚農家です。韓国の統計によると、農業に従事する雇用のうち、なんと64%以上が外国人労働者。特に畜産業にいたっては83.9%と、そのほとんどを彼らが担っています。

「自分たちの仕事に誇りを持っています。僕たちが一生懸命働けば、社長も稼げるし、自分たちも稼げる。この農場は自分のものだと思って管理しています」

そう語る二人の毎日は、体力勝負です。朝7時に起床し、給餌、掃除、糞尿の処理、さらには子豚の分娩の立ち会いまでこなします。200kgを超える大きな豚を二人で運ぶこともあれば、深夜まで及ぶ作業も珍しくありません。

韓国には「パルリパルリ(早く早く)」という、何事もスピーディーにこなす独特の文化がありますが、彼らもそのリズムにすっかり適応し、今では豚の様子を見ただけで何が必要かすぐにわかる「ベテラン」へと成長しました。

■ついに掴んだ「家族と暮らせる切符」

8年間の努力が実を結び、アールジュンさんは最近、大きな夢を叶えました。インジェ郡で初めて、より専門性の高い「E-7-4(熟練技能)ビザ」への切り替えに成功したのです。

このビザは、韓国に長く滞在できるだけでなく、母国の家族を韓国へ呼び寄せることができる、外国人労働者にとって憧れのライセンスです。

「今回のビザ昇格で、妻と二人の子供を韓国に呼ぶ計画です。あと5年から10年はここでしっかり働いてお金を貯め、ネパールに帰って家や車を買いたい」

笑顔で語るアールジュンさんですが、一方で悩みもあります。最近、韓国で流行している「アフリカ豚熱(ASF)」という家畜の伝染病の影響で、防疫のために農場から一歩も出られない日々が続くこともあるそうです。「外国人がウイルスを持ち込んだのではないか」という厳しい視線にさらされることもあり、精神的な辛さを感じることもあるといいます。

それでも、スマートフォンのビデオ通話で家族の顔を見たり、YouTubeでドラマを見たりすることが、彼らにとっての小さな癒やしになっています。

■韓国と日本、共通する「農村の今」

アールジュンさんたちが働くインジェ郡は、いわゆる「人口消滅地域(急激な人口減少で消滅の危機にある自治体)」に指定されています。若者が都市部へ流出してしまう問題は、日本でもよく耳にする課題ですよね。そんな静かな村を活気づけ、人々の食を支えているのが、彼らのような情熱を持った外国人青年たちなのです。

私たちが韓国ドラマで目にする美しい田舎の風景の裏側には、こうして汗を流し、家族のために頑張る若者たちのリアルな「生存記」があります。

「社長! 給料もっと上げてください!」と笑いながら叫ぶ彼らの明るい笑顔は、今の韓国社会にとってなくてはならない希望の光なのかもしれません。

私たちが大好きな韓国料理、その食材一つひとつに彼らの努力が詰まっていると思うと、なんだか胸が熱くなりますね。皆さんは、韓国の農村を舞台にした作品の中で、お気に入りのシーンや思い出はありますか? ぜひコメントで教えてください!

出典:http://www.ikpnews.net/news/articleView.html?idxno=69847

  • X

コメント

PAGE TOP