韓国のバイオ企業オスコテックが、15年の歳月をかけて開発した新薬候補物質を米アジオス社へ約1兆ウォンで技術移転しました。過去に2度の治験失敗で「売れない薬」と酷評された絶望の淵からの大逆転劇です。
■ 15年の歳月を経て掴んだ「1兆ウォン」の技術移転契約
韓国の創薬バイオ企業であるオスコテック社が、自社で開発した自己免疫疾患治療剤「セビドプレニブ(Cevidoplenib)」について、アメリカの希少疾患専門企業であるアジオス・ファーマシューティカルズと最大約6億6500万ドル(約1兆ウォン/約1000億円)規模の技術移転(ライセンスアウト)契約を締結しました。
この契約により、オスコテックは一時金として2000万ドル(約30億円)を受け取り、今後の開発段階に応じたマイルストーン(段階別成功報酬)として最大6億4500万ドルを手にする権利を得ました。さらに、製品化された際の売上に応じたロイヤリティも別途設定されています。15年という長い開発期間を経て、一時は「失敗作」のレッテルを貼られた候補物質が、ついに日の目を見ることになりました。
■ 「家計の期待を背負った浪人生」に例えられた苦難の歴史
オスコテックのユン・テヨン(윤태영)代表は、自身のSNSで今回の成果を「家計の期待を一身に受けながらも、二度の入社試験に落ちて結婚もできず、部屋の隅で就職活動を続けていた子が、ついに立派な家柄に嫁いだ」と表現しました。これは、セビドプレニブの開発がいかに険しい道のりだったかを象徴しています。
セビドプレニブは2009年、オスコテックの米国子会社であるジェノスコで誕生しました。同社を代表するパイプライン(新薬候補群)として大きな期待を寄せられていましたが、2020年以降、大きな壁にぶつかります。関節リウマチ(RA)と免疫性血小板減少症(ITP)を対象とした第2相臨床試験(治験)において、統計的に有意な結果を出すことができず、市場からは「開発失敗」と見なされました。この影響で一時は同社の株価も大きく低迷することとなりました。
■ データの裏側に隠された「可能性」を信じた再起
周囲が失敗と断定する中で、ユン・テヨン代表をはじめとする開発チームはデータの細部に注目しました。関節リウマチの治験全体では目標を達成できなかったものの、特定のメカニズムが働く「初期患者グループ」においては明らかな有効性が確認されていたのです。
また、免疫性血小板減少症の治験でも、投与量を増やすほど血小板の数値が改善するという明確な信号(シグナル)を掴んでいました。ユン代表は「競合他社の薬と比較しても効能に遜色はなく、副作用の少なさなどの耐容性はむしろ優れていた」と振り返ります。
自社での第3相治験や商業化には多額の資金が必要なため、同社は粘り強く海外のパートナー企業を探し続けました。その結果、セビドプレニブの潜在能力を高く評価した米アジオス社との契約に至り、現在はITP治療薬としての実用化に加え、さらに3つの疾患への適応拡大を目指す「ブロックバスター(年間売上10億ドル以上の大ヒット薬)」候補として再び脚光を浴びています。
📚 Buzzちゃんの豆知識
■ 技術移転(ライセンスアウト)
韓国のバイオ業界では、自社で開発した新薬候補物質の権利を、開発の途中で大手製薬会社(メガファーマ)などに売却することを指します。莫大な費用がかかる最終段階の治験や販売を大手に任せることで、リスクを抑えつつ大きな利益を得る、韓国の新興企業にとって重要なビジネスモデルです。
■ ブロックバスター
製薬業界において、画期的な効能を持ち、市場を独占するような大ヒット薬を指します。一般的に年間売上が10億ドル(約1500億円)を超えるものがこう呼ばれ、一つの会社を支える巨大な収益源となります。
ドラマ『財閥家の末息子』のような、絶望からのスカッとする逆転劇が現実のビジネス界でも起きるなんて本当に胸が熱くなりますね!一度は失敗と言われたものを信じ抜く力って、新薬開発もドラマ作りも同じだなと感じました。皆さんは、周囲に反対されても自分の可能性を信じて突き通した経験はありますか?それとも、早めに切り替えて次に行くタイプですか?





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