韓国ドラマや映画を愛する日本のファンの皆さんなら、近年の作品の中で「障害」をテーマにした、あるいは障害を持つキャラクターが登場する作品が以前よりも増えたと感じているのではないでしょうか。
世界中で社会現象を巻き起こした『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』(自閉スペクトラム症の弁護士が主人公の法廷ドラマ)や、済州島を舞台に等身大の人間模様を描いた『私たちのブルース』(ダウン症の俳優チョン・ウネが出演し話題となった名作)など、韓国コンテンツは今、より多様な人々の姿を映し出そうとしています。
そんな中、韓国の国会で、障害を持つ人々がさらに主体的にメディア制作に参加できるようにするための新しい法案が発案され、大きな注目を集めています。私たちの愛するKコンテンツが、今後さらに進化していくための大きな一歩となりそうです。
■ 撮影現場に「アクセス調整員」を義務化?ドラマ制作の裏側が変わる
国会の教育委員長を務めるキム・ヨンホ(김영호)議員が代表発議した今回の改正案は、「映画及びビデオ物の振興に関する法律」と「コンテンツ産業振興法」の二つを柱としています。
この法案の最も画期的な点は、単に「障害者を出演させよう」と呼びかけるだけでなく、制作現場の「環境づくり」を義務化しようとしているところです。
具体的には、映画やドラマの撮影現場に「障害者映画・ドラマアクセス調整員」という専門職を配置することを義務付ける内容が含まれています。この調整員は、障害を持つ俳優やスタッフが安全に、かつ円滑に業務を行えるようサポートする役割を担います。
韓国では近年、NetflixなどのOTT(地上波ではなくインターネットを通じて配信される動画サービス)作品が世界的にヒットしていますが、制作現場の労働環境の改善も大きな課題となっています。この法案では、調整員の活動にかかる人件費や保険料を、国の基金(映画発展基金や放送通信発展基金)から支援できる根拠も盛り込まれました。
■ 脇役から主役まで、インセンティブ導入で広がるキャスティングの幅
また、制作会社が障害を持つ俳優をキャスティングしやすくなるような「メリット」も用意されています。
法案には、障害を持つ俳優を主役・助演、さらにはエキストラとして起用した場合、その制作会社に対して「加点」などのインセンティブを付与する制度が盛り込まれました。韓国では、政府系機関である映画振興委員会(韓国映画の振興を目的とした公的機関)や韓国コンテンツ振興院(KOCCA、K-POPやドラマなどの海外進出を支援する文化体育観光部傘下の機関)がプロジェクトの支援を行う際、こうした「加点」が大きな影響力を持ちます。
さらに、これらの公的機関が専門的な人材情報を管理・推薦するシステムも構築される予定です。「出演させたいけれど、どこに依頼すればいいかわからない」という制作現場の声に応える形となっています。
これまでは、非障害者の俳優が障害者の役を演じることが一般的でしたが、今後は実際の当事者がその役、あるいは「一人の市民」としての役を演じる機会がぐっと増えることになりそうです。
■ 「特別な存在」から「普通の隣人」へ、韓国コンテンツが目指す真のダイバーシティ
キム・ヨンホ議員は、今回の法案の目的についてこのように語っています。
「メディアの中で障害者が『普通の隣人』として登場することが、社会統合の出発点です。障害者と非障害者が共存する社会のための法的基盤になるでしょう」
これまでの韓国ドラマでは、障害を持つキャラクターはしばしば「克服すべき対象」や「助けが必要な存在」として、どこか特別な存在として描かれがちでした。しかし、この法案が通れば、カフェの店員や会社の同僚、街ですれ違う通行人として、当たり前のように障害を持つ人々がドラマの中に溶け込む風景が、より自然なものになっていくはずです。
儒教的価値観が根強く、かつては保守的だと言われることもあった韓国社会ですが、エンターテインメントの力を通じて、急速に多様性を認める方向へと変化しています。
日本でも『私たちのブルース』でチョン・ウネ(정은혜)さんが見せてくれた素晴らしい演技に心を打たれたファンは多いですよね。彼女のような新しい才能が、この法案によってさらに発掘され、私たちの元に届く日が来るかもしれません。
よりリアルで、より温かい物語が生まれるきっかけになりそうな今回のニュース。韓国ドラマの深みがさらに増していくのが楽しみですね。
皆さんは、これまで見た韓国ドラマの中で、特に印象に残っているキャラクターや俳優さんはいますか?これからのKコンテンツに期待することなど、ぜひコメントで教えてください!
出典:https://www.kdpress.co.kr/news/articleView.html?idxno=203374





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