「推しが長年所属した大手事務所を離れて、独立を発表した!」
韓流ファンにとって、これは応援したい気持ちと、少しの不安が入り混じる大きなニュースですよね。最近の韓国芸能界では、トップ俳優やベテランアイドルが「1人企画会社(個人事務所)」を設立するケースが非常に増えています。
しかし、そんな華やかな独立の裏側で、いま韓国の税務当局が厳しい視線を注いでいることをご存知でしょうか?
今回は、韓国で大きな議論を呼んでいる「1人企画会社への税務調査」というニュースから、韓国芸能界のリアルな裏事情を読み解いていきましょう。
■ 5年間で104件の調査、その半数以上が紛争に発展
韓国国税庁(日本の国税庁に相当)が発表した資料によると、過去5年間で「1人企画会社」を含む大衆文化芸術企業への税務調査は、なんと104件にものぼることが明らかになりました。
驚くべきは、その調査結果です。104件のうち、実に54件(半分以上)が、課税内容に不服を申し立てる審査請求や、裁判所での訴訟にまで発展しています。これは他の業種と比べても非常に高い割合です。
なぜ、これほどまでに揉めてしまうのでしょうか?
2026年3月11日に開かれた韓国国会の会議では、パク・ミンギュ(박민규)議員がこの問題に切り込みました。パク・ミンギュ議員は、「K-韓流によって、芸能人本人のアイデンティティ(個性やブランド)が会社全体の資産となっている状況で、どこまでが営業活動で、どこからが個人活動なのか、その境界が不透明だ」と指摘したのです。
■ 「車の中も仕事場」芸能界特有の事情と税金の悩み
日本でも、人気タレントが節税のために個人事務所を作ることは珍しくありません。しかし、韓国の「1人企画会社」には、特有の文化と事情があります。
韓国では芸能事務所の影響力が非常に強く、練習生時代から徹底的に管理されるシステムが一般的です。そのため、ある程度のキャリアを積んだスターにとって、独立して自分の「1人企画会社(イルイン・ギフェクサ)」を持つことは、一種のステータスであり、自分のやりたい仕事を自由に選ぶための「真の自立」を意味します。
しかし、税務の面ではこれが仇となることがあります。
会議に参加したカン・スンユン(강승윤)税務士は、「芸能人の場合、主な仕事場は事務所ではなく、撮影現場や台本の練習をする自宅、そして移動中の車内であることが多い」と語りました。
例えば、事務所名義で購入した高級車。
「撮影現場への移動に使っているから経費だ」という言い分と、「プライベートでも乗り回しているのではないか」という税務署の疑い。この線引きが非常に難しいのです。韓国では、芸能人が高額な所得を得るようになると、最高で40%を超える高い所得税が課されます。一方で法人(会社)として申告すれば、税率を大幅に抑えることができます。これが「節税」なのか「脱税(租税回避)」なのかが、大きな争点となっています。
■ 「ペーパーカンパニー」への厳しい目と、新しいルール作り
国税庁のオ・ミスン(오미순)調査2課長は、悪質なケースについても言及しました。「多くの収入を1人企画会社に入れながら、芸能人本人には月々数百万円(数百ウォン)程度の少額の給料しか払わない形にして、税金を逃れようとするケースがある」というのです。実体のない「ペーパーカンパニー」を作って不当に税金を安くする行為には、厳格に対処する方針を示しています。
これに対し、学界からはアメリカの「ローンアウト・コーポレーション(Loan-out Corporation)」制度を参考にすべきだという声も上がっています。イ・ジョンオ(이전오)成均館大学名誉教授が提案したこの制度は、個人の才能を貸し出す形の法人に対して、特別な課税ルールを設けるものです。
国税庁のイ・ソンジン(이성진)次長も、「芸能界の特殊性を反映した、予測可能なガイドラインが必要だ」という意見には理解を示しました。今後は、世界中で活躍するスターたちが安心して活動できるよう、より明確なルールが作られていくことになりそうです。
■ 私たちの「推し」への影響は?
ファンとしては、「税務調査」と聞くとドキッとしてしまいますが、これは韓国エンターテインメント産業がそれだけ巨大になり、システム化されている証拠でもあります。
かつては「事務所とスターの絆」という感情的な側面が強かった韓国芸能界も、今やグローバルなビジネス。透明性の高い経営が求められる時代になりました。推しが設立した1人企画会社が、クリーンで健全な運営を続けてくれることは、長く活動を続けてもらうためにも大切なポイントです。
最近では、HYBE(ハイブ / BTSなどが所属)やSMエンターテインメント(東方神起・aespaなどが所属)のような巨大資本の事務所が注目を集める一方で、自由を求めて独立するスターたちも後を絶ちません。こうした「お金」のルールが整理されることで、スターたちがもっと自由に、そして堂々とクリエイティブな活動に専念できる環境が整うことを願うばかりです。
皆さんの推しの俳優やアーティストがもし「独立」を選んだら、全力で応援しますか?それとも「ちゃんとやっていけるかな」と少し心配になりますか?ぜひコメントで皆さんの考えを聞かせてくださいね!
出典:https://www.taxtimes.co.kr/news/article.html?no=274
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