「推しのコンサートに行きたい!」というファンの純粋な願いを逆手に取り、不当な利益を得ていた大規模な転売グループがついに摘発されました。
韓国の京畿(キョンギ)北部署サイバー捜査隊は、特殊なプログラム「マクロ」を悪用してK-POPアーティストのチケットを大量に買い占め、法外な価格で転売していたとして、計16人を検挙しました。その中には、販売を統括していた20代の男ら3名の拘束(逮捕)も含まれています。
今回の事件で驚くべきは、その被害規模と巧妙な手口、そして驚愕の「転売価格」です。
■「20万円が500万円に」…想像を絶する暴利の実態
摘発されたグループは2022年からの約3年間で、なんと1090公演、計3万300枚あまりのチケットを不正に確保していました。これらを変則的なルートで販売し、得た収益は計71億ウォン(約7億8000万円)にものぼるといいます。
日本人のファンにとっても馴染み深いトップアーティストたちが、ターゲットにされていました。
警察の発表によると、ジードラゴン(지드래곤 / BIGBANGのメンバー)やブラックピンク(블랙핑크 / 4人組ガールズグループ)、ストレイ・キッズ(스트레이 키즈 / 8人組ボーイズグループ)などの人気公演では、定価20万ウォン(約2万2000円)程度のチケットが、100万〜400万ウォン(約11万〜44万円)で取引されていました。
中でも衝撃的なのは、昨年9月に仁川(インチョン)で開催されたセブンティーン(세븐틴 / 13人組ボーイズグループ)のコンサートです。なんと定価の25倍となる500万ウォン(約55万円)で転売されていたケースも確認されました。
■元IT企業のエリートが開発した「最強のマクロ」
なぜ、これほどまでに大量のチケットを独占できたのでしょうか。その裏には、IT大国の韓国ならではとも言える、高度な技術の悪用がありました。
主犯格の3人は、なんと過去に大手IT企業に勤務していた経験を持つ「プロ」でした。彼らはチケット販売サイトのセキュリティを無力化する独自の「マクロ(自動入力プログラム)」を自ら開発。AI技術まで導入し、一般のファンがサイトにアクセスする前に、あらかじめ座席を選択できるようなシステムまで構築していたというから驚きです。
ここで、韓国のチケッティング事情を少し解説しましょう。
日本のコンサートの多くは「抽選制」ですが、韓国のチケッティング(티켓팅 / ティケッティン)は、指定された時間に一斉に予約サイトへアクセスし、早い者勝ちで座席を確保する「先着順」が主流です。秒単位の争いになるため、韓国では「チケッティングは戦争」と言われるほど。そんな過酷な状況下で、プロが作ったマクロプログラムに対抗するのは、個人の力ではほぼ不可能です。
さらに巧妙なのは、韓国の厳格な「本人確認」を突破する手口です。
最近の韓国の公演では、入場時に公的な身分証とチケットの氏名を照合するケースが増えています。これに対抗するため、彼らは政府公式の身分証明アプリ「政府24(정부24)」の偽物まで作成し、チケットを購入したファンの名前を自由に書き換えられるシステムを構築していました。
■10代から40代まで、SNSの「闇のコミュニティ」で情報共有
このグループは、会員数1300人を超える大規模なSNSチャットルームを運営していました。そこには10代の学生から40代の会社員まで幅広い層が参加し、警察の取り締まり状況や、最新のマクロの使い方、転売の相場などを共有していたといいます。
中には、ファンクラブの先行予約に必要なアカウントを買い取ったり、会場で本人確認を代行する「身代わり」を雇ったりする手配まで行われていました。
警察関係者は、「暗票(암표 / 暗売チケット=転売チケット)の取引は、単なる個人間のやり取りではなく、国内外のK-POPファンの公正な機会を奪う犯罪だ」とし、「韓国の国家イメージにも悪影響を及ぼすため、今後も継続的な取り締まりを行う」と強調しています。
■私たちファンにできること
今回の事件は、K-POPの人気が世界的に高まる中で、ファンの「どうしても見たい」という情熱が悪用された悲しい事件です。韓国では現在、こうしたマクロによる買い占めを厳罰化する法律の改正も進んでいますが、何よりも大切なのは、私たちファンが「高額転売チケットには手を出さない」という強い意志を持つことかもしれません。
「今回を逃したら次はないかも…」という不安な気持ちは痛いほど分かりますが、その支払ったお金が推しの利益ではなく、彼らのような犯罪グループの資金源になってしまうのは、あまりにも悲しいことですよね。
皆さんは、この驚愕の転売価格や巧妙な手口についてどう感じましたか?「チケッティングで苦労したことがある」「こんな対策をしてほしい!」など、ぜひ皆さんのエピソードや想いをコメントで教えてください!
出典:https://www.newsis.com/view/NISX20260310_0003542441
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