今や「K-POP」や「Kドラマ」といった韓国コンテンツ(Kカルチャー)は、アジアの枠を超え、世界中の人々を熱狂させる巨大なムーブメントとなりました。ビルボードチャートの上位を韓国人アーティストが占め、Netflixのグローバルランキングに韓国ドラマが名を連ねる光景は、もはや珍しいことではありません。
しかし、その輝かしいスポットライトの裏側で、第一線を走るスターたちが今なお「人種差別」という根深い問題に直面していることをご存知でしょうか。最近、Red Velvet(レッドベルベット:SMエンターテインメント所属の5人組女性アイドルグループ)のウェンディ(웬디)が明かした過去の経験が、あらためてこの問題に一石を投じています。
■「トイレでご飯を食べた」Red Velvetウェンディが告白した留学時代の孤独
先日、女優ハン・ゴウン(한고은)のYouTubeチャンネル『高恩(ゴウン)姉さん ハン・ゴウン』にゲスト出演したウェンディ。彼女はカナダ留学時代に経験した、衝撃的なエピソードを語りました。
当時はまだ中学生だったウェンディ。転校先の学校では唯一の東洋人だったそうで、周囲の好奇の目にさらされる日々だったといいます。「言葉が通じないので、身振り手振りで会話をしようと必死だった」と振り返る彼女ですが、大都市トロントの学校へ移った際、より深刻な現実に直面しました。
そこでは英語のレベルも高く、生徒たちもどこか大人びていて、人種も多様。しかし、そこには明確な「見えない壁」が存在していました。ウェンディは「グループの輪に入れてもらえず、人種差別を受けた。結局、トイレで一人でご飯を食べていた」と、当時の切ない孤独を告白しました。
韓国では、学校や職場でのいじめや疎外を「ワンッタ(왕따)」と呼び、社会的に非常に重く受け止められる傾向があります。特に「トイレで食事をする」という行為は、極限の孤独や拒絶を象徴する悲しいエピソードとして、多くの韓国人の心を締め付けました。どんなに辛い状況でも先生に相談しても解決せず、自分一人の時間を過ごすしかなかったという彼女の話に、ファンからは「今の明るいウェンディからは想像できない」「そんな苦労を乗り越えてスターになったなんて」と、多くの共感と応援の声が寄せられています。
■世界的なファッションショーでも…BLACKPINKロゼを襲った「意図的な排除」
差別や偏見の目は、すでにスターとして成功を収めた後でも、公式な舞台で牙をむくことがあります。その代表的な例が、BLACKPINK(ブラックピンク:世界的に絶大な人気を誇る4人組女性グループ)のロゼ(로제)が経験した出来事です。
昨年10月、フランス・パリで開催された高級ブランド「サンローラン」の2026 S/Sコレクション。ロゼは同ブランドのグローバルアンバサダー(ブランドの顔として世界的に活動する広告塔)として招待され、パステルカラーのミニドレスに身を包んだ美しい姿で会場を魅了しました。
彼女は、ヘイリー・ビーバーやジョー・クラヴィッツといったハリウッドのセレブたちと共に最前列(フロントロウ)に座り、華やかにフラッシュを浴びていました。しかし、その後に英ファッション誌『Elle UK』の公式SNSに掲載された写真を見て、ファンは驚愕しました。そこに写っていたのは、ヘイリーたち3人の姿だけで、すぐ隣に座っていたはずのロゼの姿が不自然に切り取られていたのです。
韓国のファンやネットユーザーたちは、すぐさま「アンバサダーはロゼだけなのに、彼女だけを抜いて投稿するなんて悪意がある」「イギリスらしい(排他的だという意味の皮肉)」「明確な人種差別だ」と激しい批判の声を上げました。
さらに、隣に座っていたシンガーソングライターのチャーリー・XCXが、ロゼに背を向けて他の2人とだけ会話をしたり、自身のSNSにロゼだけが暗く写った写真を投稿したことも波紋を呼びました。その後、批判を受けたチャーリーはロゼとのツーショットを追加でアップしましたが、「事後の対応」に過ぎないという冷ややかな視線は消えませんでした。
■主演なのに端っこ?期待作「ブリジャートン家4」ハ・イェリンへの待遇
人種差別の影は、映像コンテンツの世界にも忍び寄っています。先月、世界的な人気シリーズ『ブリジャートン家4』(19世紀のロンドンを舞台にしたNetflixの恋愛ドラマ)の主演に抜擢された韓国系女優ハ・イェリン(하예린)を巡っても議論が起きました。
Netflixスペインが公開した広報写真では、作品のメインカップルとなるハ・イェリンとルーク・トンプソン、そしてハンナ・ドッドの3人が並んでいました。ドラマの内容上、ハ・イェリンはヒロインとして最も注目されるべき立場ですが、公開された写真で彼女は右側の端に追いやられ、主人公の妹役である白人女優のハンナ・ドッドが中央に近い位置に陣取っていました。
「アジア人が主人公のシーズンなのに、なぜ白人俳優がセンターなのか」という疑問の声が、韓国のみならず世界中の視聴者から上がっています。多様性を尊重するはずの作品でさえ、こうした無意識(あるいは意図的)な序列が生まれてしまう現状に、多くの人が失望を感じています。
■文化の成長に「市民意識」が追いつく日は来るのか
K-POPや韓国映画は、今や世界のエンターテインメント界にとって欠かせない存在です。しかし、コンテンツが消費されるスピードに比べ、それを作る「人」への敬意や人種的な理解は、まだ不十分だと言わざるを得ません。
韓国のネット上では「文化は一流だが、それを扱う海外メディアや一部の意識は三流のままだ」という厳しい意見も散見されます。Kカルチャーが真の意味で世界に根付くためには、ステージの上に立つアーティストや俳優たちが、その肌の色や出身国に関わらず、正当に評価され、尊重される土壌が必要です。
華やかな世界で戦う彼らが、これ以上悲しい思いをすることなく、その才能を存分に発揮できる世界になってほしいと願わずにはいられません。
ウェンディやロゼが直面したような「見えない壁」、皆さんはどう感じましたか?私たちが推しを応援することで、少しでもこうした偏見がなくなっていくといいですね。ぜひ皆さんの考えをコメントで教えてください。
出典:https://www.tvreport.co.kr/repot/article/1010672/
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