韓国ドラマや映画を愛する日本のファンの皆さん、最近「バリアフリー」という言葉を韓国エンタメ界でもよく耳にしませんか?
韓国では現在、視覚障がい者の方々も等しく最新のエンターテインメントを楽しめるよう、「画面解説放送(音声ガイド)」の制作と普及が非常に活発に行われています。今回、韓国視覚障がい者連合会から発表された3月9日から15日までの週間編成表には、日本でも大人気のあの作品や最新作がずらりと並び、韓国の放送局がいかに「誰もが楽しめるコンテンツ作り」に力を入れているかが分かります。
今回は、この「画面解説放送」という文化的な背景と共に、注目のラインナップをご紹介します。
■「画面解説放送」とは?韓国エンタメ界の熱い取り組み
「画面解説放送」とは、セリフや効果音だけでは伝わりにくい登場人物の表情、動き、背景、衣装などをナレーションで説明する放送のことです。日本では「音声ガイド」や「解説放送」と呼ばれているものに近いサービスです。
韓国ではK-POPやドラマが世界的にヒットする一方で、韓国内の福祉的な観点からもコンテンツのアクセシビリティ(利用しやすさ)が重要視されています。特にケーブルテレビ大手のtvNや映画専門チャンネルのOCN、さらには音楽専門チャンネルのMnetなどが、韓国視覚障がい者連合会と協力して、多種多様な番組にこの解説を付けて放送しています。
単なる「情報保障」を超えて、エンターテインメントとしての質を落とさないよう、ナレーターの選定やスクリプト(台本)の作成にもこだわっているのが韓国流。まるで小説を読んでいるかのような豊かな表現で、推しの細かな演技を伝えてくれるのです。
■「チョリンワンフ」から「イルタ・スキャンダル」まで!豪華すぎるラインナップ
今回の編成表を見て驚くのは、そのラインナップの豪華さです。3月9日(月)からの1週間、韓国のテレビをつければ、日本でも「ロス」を巻き起こした名作たちが続々と放送されます。
まず注目したいのが、シン・ヘソン(신혜선)とキム・ジョンヒョン(김정현)が主演した時代劇コメディ「チョリンワンフ(철인왕후:邦題『哲仁王后〜俺がクイーン!?〜』)」。現代の男性シェフの魂が朝鮮時代の王妃の体に入り込むという、視覚的なコミカルさが肝の作品ですが、これも画面解説を通じて、そのドタバタ劇の面白さが余すところなく伝えられています。
また、受験戦争と大人の恋を描いて大ヒットしたチョン・ドヨン(전도연)主演の「イルタ・スキャンダル(일타 스캔들:邦題『イルタ・スキャンダル 〜恋は特訓コースで〜』)」も月曜日に集中放送されます。韓国語で「イルタ」とは「一等スター(1番打者)」を意味する略語で、塾業界のカリスマ講師を指す言葉です。こうした韓国独自の教育熱や社会背景を、音声ガイドがどのように説明しているのかも興味深いポイントですね。
映画枠では、ヒョンビン(현빈)主演の痛快アクション「コンジョ2(공조2:인터내셔날:邦題『共助2:インターナショナル』)」や、ファン・ジョンミン(황정민)とチョ・スンウ(조승우)が共演した「チャンミョル(창궐:邦題『アウトブレイク』)」などもラインナップされています。激しいアクションシーンこそ、音声による「動きの言語化」が、視聴者の没入感を高める鍵となっているのです。
■バラエティやドキュメンタリーにも広がる「音の翼」
ドラマや映画だけではありません。今回の編成には、音楽ファンに根強い人気を誇る「アンプリティ・ラップスター(언프리티 랩스타:女性ラッパーによるサバイバルオーディション番組)」も含まれています。バチバチに火花を散らすラッパーたちの視線や立ち振る舞いを音声でどう表現するのか、制作側の熱意が伝わってきます。
さらに、韓国の長寿ドキュメンタリー「インガンクッチャン(인간극장:邦題『人間劇場』、一般の人々の日常を追う感動ドキュメンタリー)」や、韓国の美しい風景を届ける「セゲテマキヘン(세계테마기행:邦題『世界テーマ紀行』)」など、生活に密着した番組も網羅されています。
韓国には「情(ジョン)」という、人との繋がりや温かさを大切にする文化がありますが、こうしたバリアフリー放送の充実も、まさに「誰一人取り残さずに楽しみを分かち合う」という韓国社会の温かな一面を象徴していると言えるでしょう。
■日本人ファンにとっても「韓国語学習」の最強ツール?
実はこの「画面解説放送」、私たち日本のファンにとっても意外な活用法があります。それは「韓国語の勉強」です。
画面解説放送では、「主人公が悲しそうに目を伏せる」「夕焼けが街をオレンジ色に染める」といった、日常会話やセリフだけではなかなか学べない「描写の語彙」がふんだんに使われます。ドラマのシーンを見ながらその情景を説明する韓国語を聴くことは、リスニング力と表現力を同時に高める最高の教材になるのです。
最近では、Netflixなどの動画配信サービス(OTT)でも、韓国語の「音声解説」を選択できる作品が増えています。今回の放送スケジュールにあるような名作を、一度「音だけ」で感じてみるのも、作品の新しい魅力を発見する素敵な体験になるかもしれません。
韓国エンタメが世界で愛される理由は、そのクオリティの高さはもちろん、こうした「誰もがアクセスできる環境」を整えようとする真摯な姿勢にもあるのではないでしょうか。
「チョリンワンフ」や「イルタ・スキャンダル」など、皆さんが大好きな作品が「言葉」でどのように彩られているのか、気になりませんか?もし音声ガイド付きでドラマを見たことがある方がいたら、ぜひその感想をコメントで教えてくださいね!
出典:https://www.beminor.com/news/articleView.html?idxno=29525
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