かつて世界中を熱狂させたガールズグループ「4Minute(포미닛)」のリーダーとして活躍したナム・ジヒョン(남지현)さんを覚えていますか?「Hot Issue」や「MUZIK」といったヒット曲で、ガールクラッシュ(女性が憧れる強い女性像)の象徴だった彼女が今、韓国のウェルネス業界に新しい風を吹き込む実業家として大きな注目を集めています。
今回、ナム・ジヒョンさんが代表を務めるウェルネスブランド「バレスケアー(Barre Square)」が、光雲(クァンウン)大学の「2025年予備創業パッケージ」の選定企業に選ばれたというニュースが飛び込んできました。この「予備創業パッケージ」とは、韓国政府(中小ベンチャー企業部)が、革新的なアイディアを持つ起業準備者を支援する非常に倍率の高い支援事業のこと。単なる芸能人のサイドビジネスではなく、公的にその事業性と技術力が認められたことを意味します。
アイドルから俳優へ、そして今や一国のウェルネス文化を牽引するCEOへと転身した彼女の挑戦と、韓国で今もっとも熱い運動「バレ(Barre)」の魅力について深掘りしていきましょう。
■ アイドル時代の経験を糧に。ナム・ジヒョンが提唱する「K-Barre」とは?
「バレ(Barre)」という運動をご存知でしょうか?これはバレエのバーを使い、ピラティス、ヨガ、筋力トレーニングの要素を融合させたフィットネスです。欧米ではすでに定着している運動ですが、ナム・ジヒョンさんはこれを「韓国人、そしてアジア人の身体的特徴」に合わせて再解釈した「K-Barre(K-バレ)」メソッドを確立しました。
欧米人とアジア人では、骨格の構造や筋肉のつき方が異なります。ナム・ジヒョンさんは「西洋のスタイルをそのまま適用するのではなく、アジア人の動きのパターンや体型の特徴に基づいたシーケンス(一連の動き)を構成した」と語っています。解剖学的な根拠に基づき、怪我を防ぐための代替動作や難易度調整を細かく設定。安全かつ確実に効果が出るプログラムとして、プロの講師からも高い評価を得ています。
特に注目すべきは、K-POPの音楽とリズムを活用したクラス構成です。韓国では古くから「フン(興)」という、内側から湧き上がるリズムや楽しさを大切にする文化があります。ナム・ジヒョンさんは、厳しいトレーニングを「技術」として教えるのではなく、没入感のある音楽と流れを通じて、ライフスタイルの一部として楽しめる「経験」を設計したのです。
■ 「一番自分らしくいられる瞬間」を見つけた第2の人生
ナム・ジヒョンさんは創業のきっかけについて、このように振り返っています。
「アイドルや俳優としての活動を経て、一番自分らしく息ができる瞬間が、運動をしている時だと気づきました。運動を通じて、女性たちが自分自身の人生の主体として立つ経験を作ってほしかった。その方向性を、バレという運動の中に見つけたんです」
韓国の芸能界は、練習生時代から非常に過酷なトレーニングと自己管理を求められることで知られています。4Minuteというトップグループで活動していた彼女自身、常に他人の視線や評価にさらされる日々を送ってきました。そんな彼女が、心身のバランスを整えることの重要性を誰よりも痛感し、たどり着いた答えが「ウェルネス(健康で輝くような生き方)」だったというのは、ファンにとっても非常に説得力のあるストーリーです。
彼女が掲げる「K-スタイル ウェルネス」は、単に痩せることだけを目的としたダイエットではありません。自分の体と向き合い、自分を愛するためのプロセス。それが、今の韓国の20〜30代女性(MZ世代)たちの共感を呼び、大きなムーブメントとなっています。
■ 有名コスメブランドとも続々コラボ!世界へ広がるK-ウェルネス
バレスケアーの快進撃は、スタジオ運営にとどまりません。韓国で大人気のクリーンビューティーブランド「アロマティカ(AROMATICA)」や、日本でも話題の「Beauty of Joseon(朝鮮美女 / 조선미녀)」、そして「VTコスメティックス(VT코스메틱)」など、数多くの有名ブランドとウェルネスプログラムでコラボレーションを実現させています。
さらに、マリオットやハイアットといった高級ホテルでのプログラム運営や、タイでのワークショップ開催など、活動の場はすでに海外へも広がっています。今後はベトナムやインドネシアなど、東南アジア圏への進出も本格的に検討しているとのこと。ナム・ジヒョン代表は、オンラインアカデミーの強化や、独自のIP(知的財産)を活用したグッズ、ウェアの展開も見据えています。
韓国では今、芸能人がその知名度を活かすだけでなく、専門的な知識と情熱を持って「第2のキャリア」を築く姿が一般的になりつつあります。かつてステージでパワフルなダンスを披露していたナム・ジヒョンさんが、今度はバー(Barre)の前で、女性たちの新しい美しさを引き出す手助けをしている。その姿は、多くのファンに勇気を与えてくれるはずです。
「運動を通じて、ポジティブな変化が積み重なる経験を作りたい」と語る彼女。ソウルの中心地にフラッグシップスタジオが誕生する日も近いといいます。韓国旅行の際に、元トップアイドルのプロデュースするスタジオで「K-Barre」を体験する……そんな新しい観光の形も、もうすぐ実現するかもしれません。
華やかなステージを降り、実業家として新たな花を咲かせているナム・ジヒョンさんの挑戦。かつてのファンはもちろん、自分らしく輝きたいと願うすべての女性たちにとって、彼女は今、新しい形のロールモデルになっているのではないでしょうか。
4Minute時代から彼女を応援してきた皆さんも、ウェルネスに興味がある皆さんも、ナム・ジヒョンさんの「第2の人生」を一緒に応援してみませんか?彼女がプロデュースするプログラム、ぜひ日本でも体験してみたいですよね!
出典:https://magazine.hankyung.com/job-joy/article/202603075288d
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