イ・セドル対アルファゴの歴史的対決が舞台に!第23回釜山国際演劇祭の開幕作アルファゴ・リ_犠牲の理論が話題

Buzzちゃんの見どころ

2016年にソウルで行われた囲碁棋士イ・セドル(이세돌)とAIの死闘が、ポーランドの劇団により舞台化されました。2026年5月9日から10日まで釜山でアジア初公開され、人間と技術の共存を問い直します。

■ 伝説の対局を現代演劇の視点で再構成
第23回釜山国際演劇祭が開催され、その幕開けを飾る招待作品として『アルファゴ・リ_犠牲의 理論(AlphaGo_Lee. Theory of Sacrifice)』が上演されました。この作品は、2016年にソウルのフォーシーズンズホテルで行われた、韓国の伝説的囲碁棋士であるイ・セドル(이세돌)9段と、グーグル・ディープマインド(Google DeepMind)が開発したAI「アルファゴ(AlphaGo)」による歴史的な対局を題材にしています。

本作は、ポーランドを代表する実験劇場「スタジオ・テアトルガレリア(STUDIO theatergallery)」が制作し、2025年9月にワルシャワで初演された作品です。演出はナタリア・コルチャコフスカ(Natalia Korczakowska)が手掛け、今回が待望のアジア初公開となりました。舞台では、21世紀の「犠牲の儀式」という視点から、人間がAIという圧倒的な存在と対峙する姿をシュールかつ重厚に描き出しています。

■ 人間らしさへの宣言と「芸術」としての囲碁
全5幕で構成されたこの舞台は、実際の5局にわたる対局をドラマチックに再現しています。特に注目されたのは、第4局でイ・セドルがAIに対して唯一の勝利を収める場面です。彼は「AIに勝利した最初で最後の人間」として知られていますが、皮肉にもこの勝利が彼の引退を決意させるきっかけとなりました。

劇中では、イ・セドルが囲碁を単なる勝敗のゲームではなく、一つの「芸術」として捉えていたことが強調されます。しかし、確率とデータで最善の手を打ち続けるAIとの対局を通じ、彼は「もはや囲碁は芸術ではなくなった」という現実に直面します。舞台の終盤、静寂の中で語られる彼の自己告白は、単なる敗北の悔しさではなく、尊厳を守り抜こうとする「人間らしさ」の宣言として観客に深い感銘を与えました。

■ 多国籍キャストによる革新的な演出
本作のもう一つの特徴は、デジタル技術と身体表現の融合です。ポーランドの俳優をはじめ、韓国のパフォーマー、日本や中国のアーティストが参加する多国籍なキャスティングが採用されました。この多様な構成自体が、境界のないAI社会や物質的な衝突を象徴しています。

映像技術やデジタルデータを単なる背景として使うのではなく、芸術の本質を問うための「革新的な道具」として活用した演出は、現代演劇の新たなスタンダードを示したと評価されています。釜山映画の殿堂(釜山国際映画祭のメイン会場としても知られる複合文化空間)内のハヌル演劇劇場で上演されたこの作品は、国際的なレベルの高さを見せつけ、第23回釜山国際演劇祭のテーマである「差異と反復」を見事に体現しました。

出典:http://www.dailysmart.co.kr/news/articleView.html?idxno=124129

📚 Buzzちゃんの豆知識

■ イ・セドル(이세돌)

韓国で「国民的英雄」として知られる天才囲碁棋士です。2016年に世界最強の囲碁AI「アルファゴ」と対局し、1勝4敗で敗れたものの、AIから唯一の白星を挙げた人類として歴史に名を刻みました。彼の独創的で型破りなスタイルは、多くのファンに愛されました。

■ 釜山国際演劇祭(BIPAF)

2004年から韓国の港町・釜山で開催されている国際的な演劇の祭典です。毎年世界各国から優れた作品が招待され、市民が演劇に親しめるよう様々なプログラムが用意されています。秋に行われるソウル国際公演芸術祭と並び、韓国を代表する舞台芸術の祭典として知られています。

Buzzちゃんの感想

歴史的な対局を「犠牲」というテーマで描くなんて、すごく深いですよね。私はタイムスリップやミステリー要素がある『財閥家の末息子』のような、知的な駆け引きがある作品が大好きなので、この舞台の緊張感もぜひ生で体感してみたかったです。AIが当たり前になった今だからこそ、人間だけの「美学」を追求する姿には胸を打たれるものがあると思うんです。皆さんは、AIがどんなに進化しても「人間だけにしかできない表現」って絶対にあると思いますか?それともいつかAIも芸術家になれるのでしょうか?

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