「厳しい寒さを突き抜けて芽吹く生命力のように、この3月が神妙(シンミョ)な出来事で溢れますように」――。
韓国では今、新しい季節の訪れとともに文化界が活気づいています。2026年3月、韓国では「辛卯(シンミョ)の月」を迎えました。これは十干十二支に基づいた考え方で、白ウサギの気運を持つ月とされています。新しいことが始まるワクワク感と、少しの緊張感が入り混じるこの時期、韓国で注目を集めている3つの文化トピックをご紹介します。
日本の韓流ファンの皆さんにとっても、おなじみの名女優の最新作から、ソウル旅行で立ち寄りたい最新スポットまで、見逃せない情報が満載です。
■ 演技派ヨム・ヘランが「計画魔」に?映画「マッド・ダンス・オフィス」
まず注目したいのが、韓国映画界が誇る「信じて見る俳優(ミッポベ)」、ヨム・ヘラン(염혜란)さんの主演最新作『マッド・ダンス・オフィス(매드 댄스 오피스)』です。
ヨム・ヘランさんといえば、ドラマ『ザ・グローリー 〜輝かしき復讐〜』(Netflix配信の大ヒットドラマ)での復讐を助けるお手伝いさん役や、『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』(コン・ユ主演のファンタジーロマンス)での意地悪な叔母役など、強烈なインパクトを残す演技で日本でもファンが多いですよね。
今作で彼女が演じるのは、24時間を秒単位で管理する区役所の超エリート課長、クキ。韓国では現在、性格診断の「MBTI」が日本以上に日常生活に浸透しています。クキはまさに徹底的に計画を立てる「J(判断型)」の極致のようなキャラクター。しかし、完璧だった彼女の人生が、ある予期せぬ出来事で狂い始めます。
そんな彼女が偶然出会ったのが、情熱的な「フラメンコ」でした。
ヨム・ヘランさんはこの役のために、3ヶ月間フラメンコの猛特訓を重ねたそうです。規律に縛られていた公務員が、荒々しい足踏みと自由な手の動きに身を任せて自分を解放していく姿は、観る者に爽快なエネルギーを与えてくれます。
「人生が思い通りにいかない時は、ステップを踏もう!」
そんなポジティブなメッセージが込められたこの映画。日々、仕事や家事に追われる日本のファンの皆さんにとっても、心のデトックスになる一作となりそうです。
■ 記録より記憶に。リウム美術館で体験する「ティノ・セガル」展
次にご紹介するのは、アートに敏感なファンの間で話題の展示です。ソウルの梨泰院(イテウォン)エリアにある「リウム美術館(サムスン財閥が運営する韓国最高峰の私立美術館)」で、イギリス出身のアーティスト、ティノ・セガル(Tino Sehgal)の韓国初個展が開催されています。
この展示、実は「作品が一つもない」ことで大きな衝撃を与えています。
経済学とダンスを学んだという異色の経歴を持つティノ・セガル。彼の作品は、彫刻や絵画といった「物」ではなく、展示室にいる人々の動きや会話そのものがアートになるという「構成された状況」を提示します。
さらに驚くべきは、展示の様子を写真や動画で撮影することが一切禁止されている点です。SNSでの「映え」が重視される今の時代にあえて逆行し、「その場で感じた記憶の中にだけ作品を残してほしい」という作家の強い意志が込められています。
リウム美術館は、BTS(防弾少年団)のメンバーなど多くのセレブが訪れることでも知られる聖地のような場所。もしこの期間にソウルへ行く予定があるなら、カメラを置いて、五感だけでアートを感じる贅沢な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。展示は6月28日まで開催されています。
■ 社会の境界に立つ女性たちの物語。舞台「私が住んでいたあの家には」
最後は、韓国演劇の聖地・大学路(テハンノ)で上演される注目の舞台『私が住んでいたあの家には(내가 살던 그 집엔)』です。
この作品は、韓国文化芸術委員会が優れた新作を支援する「今年の新作」に選ばれた期待作。物語の主役は、さまざまな背景を持つ「異邦人」の女性たちです。
ここで注目したいキーワードが、作中に登場する「華僑(ファギョ)」という存在です。韓国には古くから定住している中華系の人々がおり、彼らは韓国社会の一員でありながら、時に「境界線上の存在」として扱われることがあります。
舞台では、家族を養う重責を背負った女性や、結婚を機に異国からやってきた女性など、社会の片隅で声を上げられずにいた人々の切実な告白が、まるで幽霊たちのささやきのように綴られます。
「ただ、誰かと一緒にいたい」「今日は安らかに眠りたい」
そんな彼女たちのささやかな願いが、差別の壁を越えて観客の心に深く刺さります。華やかなK-POPやドラマの裏側にある、韓国社会のリアルな息遣いを感じることができる一作です。
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春の訪れとともに届いた、映画、美術、演劇の最新ニュース。
特にヨム・ヘランさんの「フラメンコ」は、彼女の新しい代表作になりそうな予感がしてワクワクしますね!
皆さんは、この3つのトピックの中でどれが一番気になりましたか?
「ヨム・ヘランさんの演技が好き!」「リウム美術館に行ってみたい!」など、皆さんの感想や注目ポイントをぜひコメントで教えてくださいね。
出典:https://www.ntoday.co.kr/news/articleView.html?idxno=125752
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