世界を席巻した映画『パラサイト 半地下の家族』で、強烈な印象を残した「あの母子」が帰ってきました。
映画『ナンバーワン(넘버원)』(キム・テヨン監督)で、再び親子として共演を果たしたチャン・ヘジン(장혜진)とチェ・ウシク(최우식)。本作は、ある日突然「お母さんの料理を食べるたびに、頭上に数字が見えるようになった」息子ハミン(チェ・ウシク)が、その数字が「0」になると母ウンシル(チャン・ヘジン)が死ぬという衝撃の事実を知り、母を守るために奔走するヒューマンファンタジーです。
今回は、母ウンシル役を演じた名女優チャン・ヘジンが語る、共演者チェ・ウシクへの深い信頼と、韓国文化に根ざした「ごはん」に込められた愛の物語をお届けします。
■ 韓国の挨拶「ごはんは食べた?」に込められた深い愛情
本作『ナンバーワン』を語る上で欠かせないキーワードが、母の作る「おうちごはん(韓国語で『チプパプ』)」です。劇中、チャン・ヘジン演じる母ウンシルは、都会で働く息子を温かく迎え、心を込めた料理を振る舞います。
韓国ドラマや映画をよく見るファンの方なら、登場人物たちが頻繁に「ごはんは食べた?(シクサハショッソヨ?)」と声を掛け合うシーンを目にしたことがあるでしょう。これは単なる空腹の確認ではありません。チャン・ヘジンはインタビューで、この言葉の重みをこう語っています。
「相手に『食事はしましたか?』と聞くのは、その人への関心そのものです。昔は食事が十分に摂れない時代もあったため、相手を心配する気持ちから生まれた言葉ですが、今では『今日一日はどうだった?』という愛情の表現なんです」
特に、本作で描かれる「母の味」は、単なる栄養補給ではなく、心の空腹を満たすもの。チャン・ヘジンは「喪失感がある時、心をなだめて満たしてくれるのが母のごはんです。ハミンに『ごはんを食べなさい』と言うのは、二人でまた前を向いて生きていこうという、母なりのエールなんです」と明かしました。
韓国では儒教の精神から家族の絆が非常に強く、特に「同じ釜の飯を食う」という言葉通り、食事を共にすることを何よりも大切にします。劇中で、悲しみの後にクッパ(スープにごはんを入れた料理)をかきこむシーンが登場しますが、これは「それでも生きていかなければならない」という、たくましくも切ない韓国的な情緒を象徴しているのです。
■ 「心配性が生んだ天才」チェ・ウシクの進化に驚き
『パラサイト』以来の再会となったチェ・ウシクについて、チャン・ヘジンは惜しみない称賛を送っています。韓国芸能界でも、チェ・ウシクはその独特の「弱々しさ」と「親しみやすさ」で愛されていますが、チャン・ヘジンが見た彼の素顔は少し意外なものでした。
彼女はチェ・ウシクを、親しみを込めて「心配人形(コンジョン・イニョン)」と呼びます。これは韓国で、悩み事が多い人や慎重な人を指して使われる言葉です。
「ウシクはとにかく心配が多いんです(笑)。でも、その心配こそが彼を成長させる原動力。現状に満足せず、常に悩み続けるからこそ、彼の演技はあんなにも繊細で深い。数年ぶりに一緒に演技をして、さらに素晴らしい俳優になったと肌で感じました」
チャン・ヘジンによれば、チェ・ウシクは撮影現場でも飾ることなく、ありのままの姿を見せるタイプなのだそう。「礼儀正しくて、でも言うべきことはしっかり言う。彼の演技があまりにも良くて、撮影中に思わず心の声が漏れてしまいそうになるほどでした」と、実の息子を見守るような温かい眼差しで語りました。
■ 涙をこらえた「母の真心」が観客の心を打つ
本作の見どころの一つは、チェ・ウシクとチャン・ヘジンが見せる、一見ぶつかり合いながらも底知れぬ愛で繋がった親子関係です。
特に、息子が手術室に入った瞬間に、それまで張り詰めていた糸が切れたように泣き崩れる母の姿は、多くの観客の涙を誘いました。チャン・ヘジンはこのシーンについて、意外なエピソードを明かしています。
「実は、撮影に入る前にあらかじめ泣いておいたんです。演じる側があまりに泣きすぎると、見ている観客が疲れてしまうから。できるだけ感情を抑えて、静かに感動が伝わるようにしたかった。泣かせるための演技ではなく、日常の延長にある感情を大切にしました」
これは、メガホンを取ったキム・テヨン監督の演出スタイルでもあります。監督は「お決まりの感動(新派/シンパ)」を嫌い、日常の何気ない瞬間に潜む感情をすくい取る名手として知られています。ベテランのチャン・ヘジンですら「監督の演出は新鮮で、可愛らしい魅力がある」と語るほど、本作は従来の「泣ける映画」とは一線を画す、心地よい癒やしを与えてくれる作品に仕上がっています。
釜山(プサン)の情緒あふれる風景をバックに、母と子の「残された時間」を愛おしく描いた映画『ナンバーワン』。
チャン・ヘジンは最後に、「撮影現場は愛に溢れていて、毎日幸せでした。その温かさが、映画を通じて皆さんにも伝われば嬉しいです」と締めくくりました。
『パラサイト』で見せた、あのたくましい「半地下の家族」とはまた違う、優しくて少し切ない二人のケミストリー。皆さんは、この二人が再び親子を演じると聞いて、どんな物語を想像しましたか?チェ・ウシクの「心配性」から生まれる名演技、ぜひスクリーンで見届けてみたいですね!
出典:http://www.joynews24.com/view/1940547
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