CJ ENMが公開した映画『アパート』は、俳優以外の背景を生成AIで制作したハイブリッド作品です。制作費は5億ウォン、撮影期間はわずか4日と、従来の5〜7倍の効率化を実現しています。
韓国のエンターテインメント大手であるCJ ENMが、生成AI技術を全面的に導入した新しい映画制作の形を提示し、業界に衝撃を与えています。2026年4月30日、ソウルにあるCGV(韓国最大のシネマコンプレックス)ヨンサン・アイパークモールにて、映画『アパート』の上映会が行われました。この作品は、単なる新作映画の枠を超え、コンテンツ産業におけるAI活用の転換点として注目を集めています。
■ 俳優以外はすべてAI?映画『アパート』の挑戦
今回公開された『アパート』は、上映時間60分の中編映画です。物語は幽霊を見ることができる主人公のユミ(유미)が、新しく引っ越した古いアパートで奇妙な事件に遭遇する韓国型オカルトホラーとなっています。
この作品の最大の特徴は、実際の俳優の演技を除いたすべての視覚要素を生成AIで構築した「AIハイブリッド映画」である点です。CJ ENMのチョン・チャンイク(정창익)AIスタジオチーム長は、「俳優の繊細な演技はそのまま活かしつつ、背景や視覚効果にAIを活用して効率を最大化する試みである」と説明しています。実際のロケ地へ移動することなく、一つのスタジオ内ですべての撮影を終えた後、AI作業によって実写のようなリアルな背景を合成する手法がとられました。
■ 圧倒的なコスト削減と制作期間の短縮
生成AIの導入は、映画制作の現場に劇的な変化をもたらしています。映画『アパート』の制作費は約5億ウォン(約5500万円)で、一般的な商業映画と比較して非常に低く抑えられています。また、撮影期間もわずか4日間で完了しました。
CJ ENMのペク・ヒョンジョン(백현정)コンテンツイノベーション担当は、「従来の映画製作と比較して、5倍から7倍の費用効率化が見込める」と述べています。生成AIを活用すれば、カフェでコーヒーを飲む日常的なシーンも、巨大な怪獣が街を破壊するスペクタクルなシーンも、背景制作にかかる費用の差がほとんどなくなります。これにより、特にパニック映画やホラー映画などのジャンルにおいて、制作効率が極大化されると分析されています。
■ 映画にも「製造年月日」が必要な時代に
上映会では、現在のAI技術の進化スピードについても議論が及びました。最近の映画業界では「映画にも乳製品のように製造年月日を表示しなければならない」という冗談が飛び交っているといいます。その理由は、AI技術のアップデートが非常に速いため、数ヶ月前に制作された映像でさえ、最新の基準で見ると古臭く、不自然に見えてしまう可能性があるからです。
実際に『アパート』の一部のシーンでは、人物の肌の質感や動きに、AI特有の不自然さ(不気味な谷現象)が見受けられる箇所もありました。これについてチョン・チャンイク氏は、「生成AI技術は時期によって品質の差が非常に大きい。撮影当時の昨年夏には難しかった表現も、現在の技術ならもっと滑らかに作ることができる。それほど発展が速い」と強調しました。
■ 普及するAIコンテンツと今後の展望
今回のプロジェクトでは、Google(グーグル)のAIソリューションである「Imagen(イマージェン)」や「NanoBanana(ナノバナナ)」などが使用されました。Google Cloud(グーグルクラウド)のアン・ソンミン(안성민)ディレクターも上映会に登壇し、制作側の意図を正確にAIに反映させるための密接な協力体制について語りました。
AIを活用した映画は今後、次々と公開される予定です。すべてのシーンを生成AIで制作した韓国初の映画『アイエム・ポポ』が来月21日に公開を控えているほか、15世紀の朝鮮とイタリアをAIで再現した『韓服を着た男』も同日公開予定です。
CJ ENMは今後、ドラマや映画へのAI技術導入だけでなく、AIを活用したバーチャルPPL(間接広告。映像内に後から広告商品を合成する技術)などの広告事業への適用も検討しています。映画『アパート』は、5月1日から韓国の動画配信サービスTVING(ティービング)で公開されます。
📚 Buzzちゃんの豆知識
■ TVING(ティービング)
CJ ENM傘下の企業が運営する、韓国で非常に高いシェアを誇る動画配信サービス(OTT)です。地上波に近い感覚で視聴される人気ドラマや、オリジナルコンテンツが豊富で、韓国のトレンドを知るには欠かせないプラットフォームとなっています。
■ 不気味な谷(不気味な谷現象)
ロボットやAIによる映像が人間に近づくにつれ、ある一点で「中途半端に似ていること」が原因で見る人に強い嫌悪感や違和感を与える現象のことです。AI映画においては、この「谷」をいかに早く、自然に飛び越えるかが技術的な課題とされています。
私は『財閥家の末息子』みたいなミステリー要素がある作品が大好きなので、この『アパート』のオカルトな雰囲気はすごく気になります!でも、大好きな俳優さんの顔がAIで少しでも不自然に見えちゃうのは、ファンとしてはちょっと複雑な気持ちになっちゃうかも。皆さんは、制作費を抑えて面白い設定の映画がたくさん作られるのと、時間はかかっても100%リアルな映像にこだわるの、どちらを応援したいですか?





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