「韓国の俳優さんはどうしてあんなに肌が発光しているの?」「アイドルたちの完璧なコンセプトはどうやって作られているの?」
韓流ファンなら一度は抱いたことがあるこの疑問。実は、私たちが日々目にしているK-POPアイドルやドラマ俳優たちの輝きは、単なる「メイクの技術」の結果ではありません。そこには、韓国が国家レベルで磨き上げてきた、緻密な「イメージ戦略」が隠されています。
今回は、国際大学(국제대학교、京畿道平澤市にある私立大学)K-ビューティー学科のパク・ソンヨン(박선영)教授が提唱する、「文化アルゴリズムとしてのK-Beauty」という興味深い視点をご紹介します。これを読めば、あなたの「推し」がなぜあんなに魅力的なのか、その秘密が解き明かされるかもしれません。
■ 3秒で勝負が決まる!ショート動画時代の「イメージ設計図」
今の時代、私たちの消費スピードは劇的に速くなりました。TikTokやInstagramのリール、YouTubeショートなど、3秒以内に目を引かなければ、指一本でスワイプされ、存在すら忘れられてしまいます。
パク・ソンヨン教授は、「今の時代、外見は単なるスタイルではなく、戦略であり、ブランドであり、競争力である」と断言します。
韓国ではこれを「K-Image Branding(Kイメージ・ブランディング)」と呼んでいます。K-POPアイドルの緻密なコンセプト、ドラマ俳優の徹底した肌管理、インフルエンサーたちの洗練されたトーン&マナー。これらは偶然の産物ではなく、グローバル市場で「一瞬で信頼と好感を得る」ために設計されたシステムなのです。
例えば、韓国ドラマでよく見る「透き通るような肌」は単なる美容の流行ではありません。韓国の文化的背景において、透明感のある肌は「誠実さ」や「自己管理能力」の象徴でもあります。一方で、あえて色を抑えたメイクは「洗練された感性」を、自然な輪郭は「現代的な美意識」を伝えるための「コード(暗号)」として機能しているのです。
■ 足し算の欧米、引き算の韓国。世界標準になった「ガラス肌」の秘密
かつて世界のメイクアップ市場をリードしていたのは、彫りの深さを強調する欧米式の「コントゥアリング(陰影)メイク」でした。しかし、OTT(NetflixやDisney+などの動画配信サービス)の普及によってKコンテンツが世界中に広がったことで、美の基準に大きな変化が起きました。
今、世界中の美容家たちが注目しているのは「Glow(輝き)」ではなく「Glass Skin(ガラス肌)」です。
パク・ソンヨン教授によると、K-Beautyの本質は「足す技術」ではなく「引く戦略」にあります。欠点を厚塗りで隠すのではなく、素肌の透明感を活かす。塗りつぶすのではなく、内側から滲み出るような血色感を演出する。この「やりすぎない美学」が、今のグローバルスタンダードになっているのです。
教授はかつて、ある政治家のイメージコンサルティングを担当した際のエピソードを明かしています。その政治家は「強さ」を出すために濃いメイクをしていましたが、分析の結果、それが逆に「近寄りがたさ」を生んでいることが判明。肌をトーンアップさせ、ネクタイを柔らかなブルーに変えるという「引き算」の戦略をとったところ、中道層からの好感度が劇的に上がったといいます。
これは私たちの日常や「推し活」にも通じる話ですよね。完璧に作り込まれた姿よりも、どこか自然で透明感のある姿に惹かれてしまうのは、韓国が作り上げたこの「3秒のアルゴリズム」に私たちが心地よく反応しているからなのです。
■ 「自分らしさ」をデータ化する、韓国のパーソナルカラー文化
もう一つ、今の韓国ビューティーを語る上で欠かせないのが「パーソナルカラー」です。
日本でもおなじみのパーソナルカラー診断ですが、韓国での浸透ぶりは目を見張るものがあります。韓国では単なる「似合う色探し」の域を超え、化粧品の購入基準はもちろん、ヘアカラー、ファッション、さらにはSNSのフィードの雰囲気までを決定する「アイデンティティ設計図」として活用されています。
韓国の人々にとって、自分に最適な色を知ることは、膨大な情報の中から「自分というブランド」を確立するためのライフスタイル・アルゴリズムなのです。弘大(ホンデ)や聖水洞(ソンスドン)などのトレンドスポットには、外国人観光客も列をなす診断スタジオがひしめいていますが、これも「自分を最も輝かせる戦略」を求める現代ならではの現象と言えるでしょう。
■ 美しさは「感性」だが、持続する美しさは「戦略」である
パク・ソンヨン教授はこう締めくくります。
「美しさは感性だが、持続する美しさは戦略だ。イメージは演出ではなく、設計である」
私たちがK-POPや韓国ドラマを見て「素敵だな」と感じるその瞬間、実は韓国が世界に向けて発信している緻密な「美のアルゴリズム」を受け取っているのかもしれません。
ただ流行を追うのではなく、なぜそのメイクが魅力的なのか、なぜその色が選ばれたのか。そんな背景を知ることで、推しの姿がこれまで以上に深く、興味深く見えてくるはずです。
皆さんがK-Beautyにハマったきっかけは何ですか?お気に入りの「推しメイク」や、実際に試して良かった韓国の美容法があれば、ぜひコメントで教えてくださいね!
出典:https://www.thebk.co.kr/news/articleView.html?idxno=307885
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