キム・ヘユンとロモンの熱演が救った?話題のドラマ今日から人間ですがが閉幕、MZ世代の九尾狐が描いた愛の結末

韓国ドラマ界で今最も勢いのある若手実力派、キム・ヘユン(김혜윤)とロモン(로몬)の共演で放送前から大きな注目を集めていたSBS金土ドラマ『今日から人間ですが』(原題)。去る2月28日に最終回を迎え、多くのファンの間でその結末と作品性が話題となっています。

本作は、これまでの韓国ドラマでお馴染みだった「九尾狐(クミホ)」のイメージを覆す「MZ九尾狐」という斬新な設定でスタートしました。しかし、韓国メディアの評価は「俳優の熱演は素晴らしかったが、ストーリーの完成度には惜しさが残る」という、ファンにとっては少し複雑なものになっています。今回は、ドラマが残したメッセージと、日本人のファンがより深く楽しむための韓国文化の背景を紐解きながら、本作を振り返ってみましょう。

■「自己犠牲」と「再会」が描いた愛の形、結末はどうなった?

最終回では、主人公のウンホ(キム・ヘユン)が、愛するカン・シヨル(ロモン)を救うために自らを犠牲にするという決断を下しました。自分の消滅と引き換えにシヨルの命を繋ぎ、「私のことは忘れて」と言い残して消えてしまったウンホ。しかし、物語はそこで終わりませんでした。

月日が流れ、死後の世界である「三途の川(サムドチョン)」を渡りきれなかったウンホを見かねたパグン(チュ・ジンモ)が、彼女を再び人間界へと送り出します。こうして二人は奇跡的な再会を果たし、いつか訪れる別れを覚悟しながらも、今この瞬間の愛を大切に生きることを誓って幕を閉じました。

ここで登場する「三途の川(삼도천/サムドチョン)」という言葉、日本人にとっても馴染み深いものですが、韓国でも仏教的な死生観に基づいた「あの世とこの世を隔てる川」として広く知られています。韓国ドラマでは、この川を渡るか渡らないかが「完全な死」か「現世への未練」かを分ける重要な境界線として描かれることが多く、本作でも彼女が「渡れなかった」ことが、愛の深さを象徴する演出となりました。

■「MZ九尾狐」という新風、しかしファンタジーの深掘りに課題も

本作の最大の特徴は、ウンホが「MZ九尾狐」だった点です。
ここで言う「MZ世代」とは、1980年代初めから2010年代初めまでに生まれた層を指す韓国の造語ですが、ドラマ界では単なる年齢層ではなく「個性的で、既存の枠に囚われず、自分の幸せを最優先する」というキャラクター性を表す言葉としてよく使われます。

これまでの韓国ドラマにおける九尾狐といえば、人間になるために100日間修行したり、男性の肝を食べたりといった、どこか切なくて恐ろしい「悲劇の存在」として描かれるのが定番でした。しかし、ウンホは違います。人間になることをそれほど望まず、現代の生活を楽しみ、自分の感情に正直なキャラクターとして描かれました。

この新鮮な設定は序盤、視聴者を強く惹きつけました。しかし、後半に進むにつれて九尾狐としての特殊な設定や「道力(超能力)」といったファンタジー要素が、物語を動かすためというよりは、ロマンチックなシーンを作るための「説明的な道具」になってしまったという指摘も上がっています。韓国の視聴者の間では「設定は面白いのに、結局は王道の恋愛ドラマに落ち着いてしまった」という、贅沢な悩みとも言える不満が漏れたようです。

■「信じて見る俳優」キム・ヘユンの圧倒的な存在感

ストーリーへの惜しむ声がありながらも、最後まで視聴者を惹きつけたのは、間違いなく俳優たちの卓越した演技力でした。

特に、ドラマ『ソンジェ背負って走れ』(タイムスリップを通して推しを救う大ヒット作)で日本でも爆発的な人気を得たキム・ヘユンは、今作でもその真価を発揮しました。愉快なコメディから、胸を締め付けるような悲恋の演技まで、彼女の広い表現力は「さすが」の一言。彼女が泣けば視聴者も泣き、彼女が笑えば画面が明るくなる……そんな圧倒的なヒロイン力で作品の屋台骨を支えました。

相手役のロモンも、『今、私たちの学校は…』(Netflix制作のゾンビパニック大作)で見せたクールな姿とは一味違う、繊細で誠実な感情線を丁寧に演じきりました。重すぎず、かといって軽すぎない彼のロマンス演技は、キム・ヘユンとの相性も抜群で、ビジュアル面でも「眼福ドラマ」としてファンを楽しませてくれました。

また、一人二役を演じたイ・シウ(이시우)や、ドラマをピリリと引き締めたベテラン俳優たちの存在感も、作品のクオリティを一段階引き上げていました。

■「大人のための童話」としての余韻

演出を担当したキム・ジョングォン(김정권)監督は、本作を「大人のための童話」と位置づけていました。
時間が経っても消えない愛の記憶や、種族の違う存在が向き合わなければならない別れの運命。それらを温かい映像美で描き出した点は、多くの視聴者に心地よい余韻を残したと言えるでしょう。

「感情は深く残ったが、物語の構造には物足りなさが残る」。そんな評価を受ける本作ですが、それもまた「俳優たちの演技があまりにも素晴らしかったからこそ、もっと良い脚本で見たかった」という、韓国ドラマファンの高い期待値の表れかもしれません。

完璧な「完成型」のドラマとは言えなかったかもしれませんが、キム・ヘユンの新しい魅力と、ロモンの切ない眼差しに出会えただけでも、ファンにとっては価値のある時間だったのではないでしょうか。

さて、ウンホとシヨルの「今この瞬間を大切にする」という愛の結末、皆さんはどう感じましたか?ハッピーエンドにホッとした方も、もう少しファンタジーの設定を深掘りしてほしかったという方も、ぜひ皆さんの感想をコメントで教えてくださいね!

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