IUも熱望する伝説の歌声!デビュー50周年を迎えた浪漫歌客チェ・ベクホが語る老いることの美しさとは

日本の韓流ファンの皆さん、IU(アイユ)やエピック・ハイ(EPIK HIGH)といったトップアーティストたちが、こぞって「一緒に作業したい」と熱望する伝説の歌手をご存じでしょうか?

その人の名は、チェ・ベクホ(최백호)。韓国では「浪漫歌客(ナンマンカゲク)」という愛称で親しまれ、その哀愁漂う歌声と人生の深みを感じさせる歌詞で、世代を超えて愛され続けている国民的歌手です。

今年、デビュー50周年という大きな節目を迎えたチェ・ベクホが、韓国メディアYTNの番組『カルチャーインサイド』に出演。波乱万丈だった自身の音楽人生と、今だからこそ語れる「歌と老い」についての哲学を明かしました。

■ 「母を亡くし、軍隊を経て…」 偶然から始まった50年の旅路

チェ・ベクホの歌声には、聴く者の心を締め付けるような切なさが宿っています。その背景には、彼が歩んできた過酷な生い立ちがありました。

釜山(プサン)で国会議員を務めていた父は、彼が生後5か月の時に他界。女手一つで彼を育ててくれた母も、彼が20歳の時にこの世を去りました。深い喪失感の中で彼は、韓国の成人男性に課せられる義務である兵役(約1年半〜2年におよぶ軍服務)に就くことを選びます。

除隊後、まるで行き先を失ったかのようにして辿り着いたのが、歌手という道でした。「本当に運が良かっただけ」と謙虚に振り返る彼ですが、1970年代の韓国フォーク界に突如現れた彼の存在は、瞬く間にスターダムへと駆け上がることになります。

1976年のデビュー曲『僕の心が行く場所を失って(내 마음 갈 곳을 잃어)』をはじめ、『ヨンイル湾の友達』や『孤独』など、次々とヒット曲を連発。しかし、その後の人生は順風満帆ではありませんでした。離婚やアルバムの不振、そして海外への移住……。約10年におよぶ長い空白期間を経験することになります。

■ ドラマから火がついた「逆走」の神話。名曲『浪漫について』の誕生

そんな彼を再び表舞台へと連れ戻したのは、今や彼の代名詞とも言える名曲『浪漫について(낭만에 대하여)』でした。

1994年に発表されたこの曲は、当初はそれほど注目されていませんでした。しかし、韓国の国民的脚本家であるキム・スヒョンが手掛けた人気ドラマ『お風呂屋さんの息子たち(목욕탕집 남자들)』(1995年放送)の中で、俳優のチャン・ヨン(장용)がこの曲を口ずさんだことで状況が一変。爆発的な「逆走(チャート逆行)」現象が起きたのです。

「この曲は私にとって恩人のような存在です。私の歌を聴いてくれる人たちが、私と一緒に年を重ねているんだという気づきをくれました」と、彼は語ります。

韓国では、名作ドラマの挿入歌(OST)や劇中で歌われるシーンが、埋もれていた名曲を再びヒットさせるきっかけになることがよくあります。この『浪漫について』も、まさにドラマの魔法によって「韓国人が最も愛する名曲」の一つとなったのです。

■ 「歌にも『老いた声』が必要だ」 若き才能たちが彼を求める理由

チェ・ベクホの凄さは、過去のレジェンドに留まらない点にあります。近年の彼は、アイユ(IU)やエピック・ハイ(EPIK HIGH)といった、今のK-POP界を牽引する若手アーティストたちと積極的にコラボレーションを行っています。

なぜ、トレンドに敏感な若手たちが、70代の彼の声を求めるのでしょうか? その問いに対し、彼はこう答えています。

「ドラマに老役(老人の役)が必要なように、歌にも『老いた声』が必要だからではないでしょうか」

この言葉には、単に「上手い歌」ではなく、歳月を重ねた者にしか出せない「声の質感」や「説得力」への誇りが込められています。最近でも、人気ドラマ『模範タクシー3(모범택시3)』や、アイユ(IU)とパク・ボゴム(박보검)主演で話題の新作『本当にお疲れ様でした(폭싹 속았수다)』のOSTに参加するなど、その活動は衰えを知りません。

■ 歌詞の一文字一文字に「人生」を込めて

チェ・ベクホは、作曲よりも「歌詞」を最も大切にすると言います。「歌詞を傷つけない範囲で、歌詞を助けるために曲を作る」という彼のスタイルは、まるで一編の詩を朗読しているかのようです。

きらびやかな高音や華やかなテクニックが主流の現代音楽の中で、彼の「語りかけるような歌声」は、日々の生活に疲れた人々の心に静かに染み渡ります。

現在、彼はソウルを皮切りに、大田(テジョン)、大邱(テグ)、済州(チェジュ)などを回る50周年記念コンサートツアーを開催中。さらにYouTubeチャンネル『チェ・ベクホの浪漫is back』を通じて、若いファンとも熱心にコミュニケーションを図っています。

70代を過ぎてもなお、観客と同じ時間を歩み、進化し続ける「浪漫歌客」。彼の50年は、一人の歌手のキャリアを超えて、韓国大衆音楽の歴史そのものと言えるでしょう。

若手スターたちから尊敬され、時代を超えて愛されるチェ・ベクホ。皆さんの心にある「浪漫」を呼び起こしてくれる一曲、ぜひこの機会にチェックしてみてはいかがでしょうか?

IUやエピック・ハイとのコラボ曲をきっかけに彼を知ったという方も多いかもしれませんね。皆さんが感じる「チェ・ベクホの歌声の魅力」や、お気に入りの曲があれば、ぜひコメントで教えてください!

出典:https://www.ytn.co.kr/_ln/0106_202602261637020617

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