90年代、ソ・テジが扉を開きK-POPの歴史が変わった瞬間

Buzzちゃんの見どころ

1992年のソ・テジ(서태지)の登場は韓国音楽界に革命をもたらし、1996年には不当な検閲制度が廃止されました。その後H.O.T.に代表される育成システムが確立し、現代のK-POPの土台が築かれました。

■ 1992年、ソ・テジがもたらした音楽革命

韓国の現代音楽史において、1990年代は「革命の時代」として記憶されています。1980年代がテレビ放送とレコード盤がスターを生み出す「システムの時代」だったとすれば、90年代はそのシステムが築いた壁を、たった一つのグループが崩し去った時代でした。

その中心にいたのが、1992年4月にMBCのバラエティ番組『特報TV芸能』でデビューしたソ・テジ・アンド・ボーイズ(서태지와 아이들)です。デビュー曲の『I Know(난 알아요)』は、ラップ、ダンス、ロックを一つの楽曲に融合させた当時の韓国では極めて斬新なスタイルでした。

当時の審査委員たちは、80年代の基準でこの新しい音楽を評価したため、最低点に近い酷評を下しました。しかし、テレビの前の若者たちは直感的に、これが自分たちの世代を代弁する音楽であることを察知したのです。彼らは楽譜を読めずとも、そのリズムが自分たちの言葉であることを肌で感じ、熱狂的な支持を送りました。

特に、受験地獄を告発した『Kyoshil Ideology(교실이데아)』や、社会の抑圧を批判した『Shidae Yugam(시대유감)』といった楽曲は、それまでの歌謡曲が扱ってきた「愛と別れ」というテーマを大きく超えるものでした。ソ・テジは単なる歌手ではなく、青少年の代弁者であり、文化的なアイコンとしてその地位を確立したのです。

■ 検閲制度との闘いと表現の自由の獲得

ソ・テジの影響力は音楽シーンだけに留まらず、韓国の法制度までも変えることになりました。1995年、ソ・テジ・アンド・ボーイズの4枚目のアルバムに収録される予定だった『Shidae Yugam(시대유감)』が、当時の公演倫理委員会による事前審議で歌詞の一部を強制的に削除されるという事件が起きました。

これに対し、ファンは単なる抗議を超え、一つの社会運動として立ち上がりました。1970年代のシン・ジュンヒョン(신중현)や1980年代の民衆歌謡が受けてきた「国家による表現の抑圧」の歴史に、ついに終止符を打つ時が来たのです。

チョン・テチュン(정태춘)をはじめとする音楽家たちが数十年にわたり続けてきた「事前審議撤廃運動」が実を結び、1996年に事前審議制はついに廃止されました。音楽が国家の許可を得ることなく世に出せるようになったこの瞬間こそ、今日のK-POPが世界市場で自由なメッセージを発信できるようになった根源的な出発点といえます。

■ 体系化された「企画型アイドル」の誕生と市場の変容

表現の自由が確保される一方で、音楽産業の内部ではもう一つの革命が進んでいました。1996年にSMエンターテインメントからH.O.T.がデビューしたことで、韓国の音楽界は初めて「企画された完成品」としてのアイドルを経験することになります。

歌、ダンス、ルックスはもちろん、メンバーごとのキャラクター、さらにはファンのイメージカラーや応援道具に至るまで、緻密に設計されたこのシステムは、それまでの韓国には存在しないものでした。以前のスターが実力や偶然によって発掘されていたのに対し、H.O.T.は体系的なトレーニングを経て誕生したのです。

この時期、韓国の音楽市場は「ミリオンセラー(100万枚以上の販売)」を連発する黄金時代を迎えました。また、正規のチャートだけでなく、「ギルボード(道端のボード)」と呼ばれた路上販売のカセットテープが流行歌を決定づけるといった、独自の音楽文化も花開きました。

90年代に確立された「ファンダムの団結力」「表現の自由」「徹底した企画システム」という3つの柱が、その後のK-POPを世界的なコンテンツへと押し上げる強力なエンジンとなったのです。

出典:https://www.womaneconomy.co.kr/news/articleView.html?idxno=252787

📚 Buzzちゃんの豆知識

■ 事前審議制度

1996年まで韓国に存在した、アルバムを発売する前に国家機関が歌詞や内容をチェックし、不適切と判断された場合に修正や発売禁止を命じる制度です。軍事政権時代の名残として長く表現の自由を縛ってきましたが、ソ・テジの楽曲を巡る騒動と国民的な運動によって廃止に追い込まれました。

■ ギルボード(ギルボードチャート)

「道(ギル)」と「ビルボード」を掛け合わせた造語です。1990年代の韓国では、街角の露店で最新曲をまとめた海賊版のカセットテープが大量に売られており、そこで流れている曲こそが本当の流行歌だと言われていました。当時の音楽的人気を測る、公式チャート以外の重要な指標でした。

Buzzちゃんの感想

私は『財閥家の末息子』が大好きなんですが、あのドラマでも描かれていた90年代の韓国の熱気がこの記事からも伝わってきて、なんだか胸が熱くなりました!今のK-POPが世界中で愛されているのは、当時のアーティストやファンの皆さんが自由を求めて闘った結果だと思うと、一曲の重みが変わってきますよね。皆さんは今の完璧にプロデュースされたアイドルと、当時のソ・テジさんのように社会を揺るがすようなカリスマ、どちらにより惹かれますか?

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