韓国のエンタメ界といえば、華やかなパフォーマンスを繰り広げる「K-POPアイドル」を真っ先に思い浮かべる方も多いでしょう。しかし、最近の韓国ではアイドルの枠を超え、圧倒的な歌唱力を武器にする「ボーカリスト」たちの人気が凄まじいことになっています。
そんな中、ファンを熱狂させているニュースが飛び込んできました。次世代のスターを決める「スタートレンド」のK-POP男子部門(3月4日付)にて、並み居る人気アーティストを抑え、ノ・ヒョヌ(노현우)が21万6214票という圧倒的な支持を得て1位に輝いたのです。
今回は、彼がなぜこれほどまでに愛されているのか、そして韓国で今起きている「実力派ボーカリスト・ブーム」の背景について紐解いていきましょう。
■「ファントムシンガー4」で放った鮮烈な一撃
ノ・ヒョヌの名を世に知らしめたのは、2023年に放送されたJTBCの人気オーディション番組『ファントムシンガー4(팬텀싱어4)』です。
この番組は、韓国で「クロスオーバー(クラシック、ミュージカル、ポップスなど異なるジャンルを融合させた音楽様式)」というジャンルを定着させた伝説的なシリーズです。日本でいうところの「声楽家によるポップス・ユニット」のようなイメージですが、韓国ではこのジャンルの歌手たちがアイドル顔負けの熱狂的なファン層を抱えています。
ノ・ヒョヌは同番組の第1回放送から、視聴者の心を鷲掴みにしました。彼が披露したのは、オペラ『カルメン』の有名なアリア「闘牛士の歌(Toreador Song)」。バリトン歌手としての安定した発声はもちろん、会場の空気を一変させるほどの声量とカリスマ性は、審査員や視聴者に「とんでもない新星が現れた」と確信させました。
特に印象的だったのは、その表現力です。曲の序盤で見せる落ち着いた佇まいから、後半にかけて爆発するようなエナジーを解き放つ姿は、まさに「ギャップ萌え」の極致。クラシックをベースにしながらも、独自のスタイルで楽曲を解釈する彼の姿に、多くの韓流ファンが虜になりました。
■アイドルとボーカリストが共存する、韓国独自のチャート事情
今回のランキングで興味深いのは、1位のノ・ヒョヌに続く面々です。
2位には、実力派アイドルグループ・BTOB(비투비)のメンバーであり、ソロ歌手としても圧倒的な実力を誇るイ・チャンソプ(이창섭)が18万398票でランクインしました。彼は「音色ヤクザ(独特で魅力的な歌声を持つ人を指す韓国の造語)」と呼ばれるほど歌唱力に定評があり、ミュージカル界でも大活躍しています。
さらに3位には、日本でも人気の高いクロスオーバーグループ・Forestella(포레스텔라)のメンバー、カン・ヒョンホ(강형호)が名を連ねました。
ここで注目したいのは、韓国のファン文化「ペンカペ(ファンが作るオンラインコミュニティ)」や「投票文化」の熱量です。韓国では、応援しているアーティストをランキングの上位に押し上げるため、ファンが一致団結して投票活動(スミンや投票)を行う文化が非常に根強くあります。
かつてはアイドルの独壇場だったこうしたランキングに、ノ・ヒョヌやカン・ヒョンホのような「歌」を本業とするアーティストが食い込んでいるのは、それだけ彼らのファン層が厚く、かつ組織的に動いている証拠でもあります。K-POPの定義が「アイドルの音楽」から「韓国で愛されるポピュラー音楽全般」へと、より広く進化していることを物語っています。
■実力派たちの躍進が広げるK-POPの可能性
今回のランキング5位までには、ハ・ドンヨン(하동연)やアン・ユル(안율)といった名前も並びました。さらに6位以降には、Letteamor(レテアモール)のユ・チェ훈(유채훈)、DAY6(デイシックス)のヨンケイ(영케이)、そしてジン・ウォン(진원)、ソ・ヨンテク(서영택)、チェ・インケイ(채인케이)など、個性豊かな面々が続いています。
これらランクインしたアーティストに共通しているのは、単なるビジュアルの良さだけでなく、ライブパフォーマンスで観客を圧倒できる「本物の実力」を持っているという点です。
韓国では儒教的価値観から、一つの道を極めた「専門性」を高く評価する傾向があります。そのため、オーディション番組を通じて厳しい審査を勝ち抜いてきた歌手たちには、まるでもう一人の家族を応援するかのような、情熱的で息の長いサポートが送られるのです。
■「推し」の歌声に癒やされる日々
アイドルたちの華やかなステージも素敵ですが、ノ・ヒョヌのような深く響く低音や、イ・チャンソプのような表現力豊かな歌声は、私たちの日常に深い癒やしと感動を与えてくれます。
オーディション番組『ファントムシンガー4』で見せたノ・ヒョヌの情熱は、放送から時間が経った今でも、こうしてファンの熱い支持として形になっています。彼が今後、どのような新しいステージを見せてくれるのか、そして韓国の音楽シーンにどんな新しい風を吹き込んでくれるのか、期待は高まるばかりです。
アイドルのキラキラした世界もいいけれど、たまには背筋が伸びるような「本気の歌声」に耳を傾けてみるのはいかがでしょうか?彼らの圧倒的な声量に包まれる感覚は、一度味わうと癖になること間違いなしですよ!
ノ・ヒョヌの「闘牛士の歌」、皆さんはもうチェックしましたか?彼の深く響くバリトンボイスを聴いて、あなたが感じた魅力をぜひコメントで教えてください!
出典:https://www.joongangenews.com/news/articleView.html?idxno=499611
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