韓国映画界に、また新たな伝説が誕生しました。
今、韓国で大きな話題をさらっている映画をご存知でしょうか。タイトルは「王と生きる男(왕과 사는 남자)」。公開からわずか31日で観客動員数1000万人を突破し、韓国映画史上34番目の「千万映画(チョンマンヨンファ)」としてその名を刻みました。
人口約5000万人の韓国において、観客1000万人というのは「国民の5人に1人が見た」計算になる、とてつもない数字です。日本でいえば、興行収入100億円を大きく超える国民的メガヒット作というニュアンスが近いでしょう。
この快挙を成し遂げたのは、意外にも今回が初制作となる新興の制作会社「オンダワークス(온다웍스)」でした。同社の代表を務めるイム・ウンジョン(임은정)氏が、異例の大ヒットの裏側にある「ポジティブなエネルギー」と、知られざるキャスティング秘話を語りました。
■ お蔵入り寸前の企画を救った「プロデューサーの執念」
この作品の成功は、まさに「諦めない心」が生んだ奇跡といえます。イム・ウンジョン代表は、もともと韓国最大のエンターテインメント企業であるCJ ENM(映画「パラサイト 半地下の家族」などを手がける大手)で12年間プロデューサーとして活躍してきた人物です。
2023年に独立し、自身の会社を設立して最初に世に送り出したのが、この「王と生きる男」でした。実はこの企画、かつての職場では一度「開発中止」の判断が下されたものだったといいます。
「2019年に私が脚本家に提案し、2020年に初稿が上がりましたが、当時は会社からストップがかかってしまいました。でも、どうしても諦めきれなくて。独立後に作家さんが大切に持っていた脚本をもう一度持ち寄り、形にすることにしたんです」
イム・ウンジョン代表がそこまでこの物語に惚れ込んだ理由は、歴史の陰に隠れた「若者」への視点にありました。
物語の舞台は、悲劇の幼君として知られる朝鮮王朝第6代王・端宗(タンジョン/わずか12歳で即位し、叔父に王位を奪われ若くして亡くなった王)の時代。歴史の荒波の中で守られなかった若い世代や、日常の中で守るべき価値観を描いたこの物語は、現代を生きる韓国の人々の心に深く刺さったのです。
■ 元Wanna Oneパク・ジフンの起用は「現場の口コミ」から
キャスト選びにも、イム・ウンジョン代表の確かな眼識が光りました。今作で端宗役を演じ、その繊細な演技で高い評価を得ているのが、アイドルグループWanna One(ワナワン)出身のパク・ジフン(박지훈)です。
実は、彼を最初に推薦したのはイム・ウンジョン代表自身でした。
「私はもともとオーディション番組(PRODUCE 101 シーズン2)のファンで、デビューした子たちの活躍をずっと見守っていました。そんな中、ドラマ『弱くヒーロー Class 1(学園アクションドラマでの熱演が話題となった作品)』の現場から、彼の演技を絶賛する声が聞こえてきたんです。それを聞いて、パク・ジフンさんを推薦しました」
さらに、韓国を代表する名優ユ・ヘジン(유해진/映画『タクシー運転手』などで知られる国民的俳優)の出演が決まったことが、若手抜擢の後押しになったといいます。「ユ・ヘジン先輩がキャスティングを受けてくださったおかげで、新しい俳優(パク・ジフン(박지훈))を起用する勇気が持てました」と、大先輩への感謝を口にしました。
韓国ではアイドルの俳優進出(演技ドル)が一般的ですが、その中でもパク・ジフンは本作を通じて「本物の俳優」としての地位を盤石なものにしたといえるでしょう。
■ 「1000万人入ると知っていれば…」CGへの反省も
大ヒットを記録している一方で、イム・ウンジョン代表はSNSなどで指摘されている「CGのクオリティ」についても率直に答えています。
劇中に登場する虎のCGについて、「もっと予算をかけられなかったのか」というファンの声に対し、「最小の費用で最大の効果を狙うしかなかった事情がありました。もし1000万人も見ていただけると分かっていれば、もっとCGにお金を使いました(笑)」とユーモアを交えて回答。さらに、ファンの声に応えてCGの再修正を行うことも発表しました。こうした制作側の誠実でオープンな姿勢も、ファンに支持される理由の一つかもしれません。
最後にイム・ウンジョン代表は、こう締めくくりました。
「この映画は、未来の世代に向けた優しさの物語です。韓国映画界も、新しい才能やクリエイターがチャンスを得られる場所であってほしい。私たちの映画が、その一助になれば嬉しいです」
映画界の不況が囁かれる中で起きた、この「1000万人の奇跡」。新人の制作者と、期待の若手俳優、そしてそれを支えるベテラン俳優たちのポジティブなエネルギーが、韓国中の観客を動かしたようです。
アイドルから実力派俳優へと見事な成長を遂げたパク・ジフン。皆さんは、彼のどんな演技に一番惹かれますか?作品を観た感想や、彼への応援メッセージをぜひコメントで教えてください!
出典:https://www.khan.co.kr/article/202603112114005





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