イ・ビョンホン監督ら大物が続々参戦!韓国で1分間の物語ショートドラマが空前のブームになっている理由

最近、通勤電車の中や寝る前のちょっとした時間に、スマホを縦にしたままドラマを楽しんでいる人を見かけませんか?今、韓国のエンタメ業界では、1話がわずか1〜2分で完結する「ショートドラマ」が空前の制作ラッシュを迎えています。

かつてNetflix(ネットフリックス)が韓国に上陸した際、映画界や放送界の才能たちがこぞってオリジナル作品の制作に乗り出したあの熱狂が、今度は「ショートフォーム(短尺動画)」の世界で起きているのです。

■「1000万人監督」たちも参戦!超豪華な制作ラインナップ

驚くべきは、その制作陣の豪華さです。単なる隙間時間のコンテンツという枠を超え、韓国映画界の巨匠たちが続々とこの新ジャンルに飛び込んでいます。

まず注目を集めているのが、日本でも大ヒットした映画『エクストリーム・ジョブ』(麻薬捜査班が偽装営業でフライドチキン店を始めるコメディ映画)のイ・ビョンホン(이병헌)監督です。彼はショートドラマ専門プラットフォーム「レジンスナック」で、『パパは男友達』という作品を公開しました。

さらに、映画『王の男』(イ・ジュンギ主演の歴史的大ヒット作)で知られる巨匠イ・ジュニク(이준익)監督も、自身初となるショートドラマ『お父さんの手料理』の演出を手掛けています。また、日本でも人気の俳優イ・サンヨプ(이상엽)は、ショートドラマ『嵐のような結婚生活』に出演。映画並みのクオリティを持ったクリエイターや俳優たちが、この「縦型1分」の世界に本気で挑んでいるのです。

なぜこれほどまでに注目されているのでしょうか?制作関係者は「今は誰もがショートドラマを『新しい稼ぎ口』として見ており、多くの作品が同時に制作されている状態だ」と、その熱気を伝えています。

■銀行アプリでもドラマが見られる?プラットフォームの「群雄割拠」時代

韓国では今、ショートドラマを配信するプラットフォームが乱立し、まさに戦国時代の様相を呈しています。

ウェブ漫画(ウェブトゥーン)で有名なキダリスタジオは、自社の強力なIP(知的財産)を武器に、2月に「レジンスナック」をローンチしました。ここでは大人気BL漫画『夜画帳』(朝鮮時代を舞台にしたBL作品)のショートドラマ化も予定されており、ファンの期待を高めています。

また、日本でも話題になった映画『破墓/パミョ』(2024年に韓国で観客動員数1000万人を突破した超自然ホラー映画)を配給したショーボックスも参戦。アイドルと占い師のロマンスを描いた作品などを準備中です。

驚くべきは異業種からの参入です。韓国最大手のメッセンジャーアプリ「カカオ」はもちろん、なんと金融プラットフォームの「トス(Toss)」までもがアプリ内でショートドラマを楽しめるサービスを開始しました。韓国の人々にとって、ドラマはもはやテレビの前で構えて見るものではなく、生活のあらゆる隙間に溶け込む存在になろうとしています。

■ショートドラマのルーツは中国?「マクチャン」と「ロマンス」の融合

このブーム、実は中国が発祥と言われています。コロナ禍の都市封鎖中、Netflixなどのグローバル配信サイトの利用に制限があった中国の人々が、スマホで手軽に見られる短尺コンテンツに熱狂したのが始まりでした。

「ショートドラマ界のポン・ジュノ(映画『パラサイト 半地下の家族』の監督)」の異名を持つイ・チャンウ(이창우)監督によれば、中国では「金持ち同士のドロドロの争い(いわゆるマクチャン要素)」や「貧しい主人公が富豪に復讐する物語」が人気だといいます。

一方で、北米市場では「ハーレクイン・ロマンス」のような、王道の恋愛ストーリーが好まれる傾向にあります。韓国の制作陣は、こうした世界的なトレンドを分析しつつ、韓国が得意とする洗練された演出と、ウェブトゥーン由来の斬新なストーリーを掛け合わせることで、世界市場を狙っています。

■華やかなブームの裏側にある「過酷な現場」

しかし、急成長する市場には課題も残っています。最も大きな問題は、制作環境の厳しさです。

ショートドラマの制作費は、1シリーズ(数十話〜100話程度)で約1億5000万ウォン(約1700万円)程度が平均的と言われています。通常のドラマに比べると圧倒的に低予算であるため、撮影は「時間との戦い」です。

ある脚本家は、「12時間労働では到底終わらない。6〜7日間で全話を撮り切らなければ予算に収まらない」と、その過酷な実態を明かしています。短い動画だからこそ、1秒ごとに視聴者の心をつかむ「刺激的な展開(クリフハンガー)」が求められ、制作陣には極限の効率とアイデアが要求されるのです。

韓国エンタメの強みである「スピード感」が、このショートドラマという形式でどう花開くのか。そして、私たちが慣れ親しんできた「1話60分の重厚なドラマ」と、どう共存していくのか。

皆さんは、1話1分の超高速展開ドラマ、見てみたいですか?それとも、じっくり時間をかけて物語に浸りたい派でしょうか?お気に入りの俳優がショートドラマに出演するとしたら、どんな役を演じてほしいか、ぜひコメントで教えてくださいね!

出典 cine21.com

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