韓国エンタメ界に今、新たな地殻変動が起きています。これまでの「30分〜1時間」というドラマの常識を覆す、1話わずか1〜3分程度の「ショートドラマ(ショートフォームドラマ)」が爆発的な成長を遂げているのです。
かつては「低予算で内容が薄い」と敬遠されがちだったこのジャンルですが、現在は1,000万映画を手掛ける名監督や実력派俳優たちが続々と参戦。日本やアメリカといった世界市場を見据えた「Kショートドラマ」として、凄まじい勢いで進化しています。
なぜ今、韓国でこれほどまでにショートドラマが熱いのか。その背景と、韓流ファンなら押さえておきたい注目のポイントを解説します。
■「安っぽい」はもう古い!1,000万映画の巨匠たちがショートドラマに挑む理由
数年前まで、韓国におけるショートドラマのイメージは、正直なところあまり良いものではありませんでした。主に中国から流入した「1〜3分×50〜80話」構成の作品が多く、刺激的な展開ばかりを詰め込んだ「マクチャンドラマ(日常ではありえないドロドロの愛憎劇)」の寄せ集め、といった認識が強かったのです。
しかし、その空気が一変しました。その象徴とも言えるのが、韓国で観客動員数1,600万人を突破したメガヒット映画『エクストリーム・ジョブ(極限職業)』を演出したイ・ビョンホン(이병헌)監督の参戦です。
イ・ビョンホン監督は、先月ローンチされたショートドラマプラットフォーム「レジンスナック(Lezhin Snack)」を通じて、『子供の父親は男友達(애 아빠는 남사친)』という作品を披露しました。コミカルでテンポの良い演出に定評がある監督だけに、ショートフォームとの相性は抜群です。
さらに、映画『王の男(왕의 남자)』や『ラジオ・スター(라디오스타)』などで知られる韓国映画界の巨匠、イ・ジュニク(이준익)監督も、今上半期に『父さんの手料理(아버지의 집밥)』というショートドラマの撮影に入ることが発表されました。
日本で言えば、誰もが知る映画祭の常連監督が、突如としてTikTokのような縦型動画ドラマを撮り始めるようなもの。この「一流のクリエイターが本気でショートドラマを作る」という流れが、コンテンツの質を劇的に向上させているのです。
■「パッリパッリ」文化とスマホ視聴に最適化された新しい視聴スタイル
韓国には、何事もスピーディーに進めることを好む「パッリパッリ(早く早く)」という国民性があります。この文化的な背景が、移動中や休憩時間にサクッと楽しめるショートドラマの普及を後押ししています。
また、韓国では現在、ウェブチューン(縦読み漫画)をスマホで楽しむスタイルが完全に定着しています。ショートドラマの多くは「縦型(9:16)」で制作されており、スマホの画面いっぱいに広がる俳優たちの表情や、テンポの速いストーリー展開は、まさに現代人のライフスタイルにぴったりなのです。
プラットフォーム側の動きも活発です。ウェブトゥーン大手のレジンエンターテインメントが運営する「レジンスナック」は、韓国だけでなく日本やアメリカでも同時ローンチされました。また、韓国の人気俳優イ・サンヨプ(이상엽)が主演を務めたショートドラマ『嵐のような結婚生活(폭풍같은 결혼생활)』は、グローバルプラットフォームで公開わずか4日で1,000万ビューを記録し、そのポテンシャルの高さを証明しました。
■中国・アメリカの成功モデルを「韓国流」にアップデート
現在、世界のショートドラマ市場の約90%は中国とアメリカが占めています。韓国勢はこれに対し、先行する成功作を韓国風にアレンジする「リメイク戦略」で攻勢をかけています。
例えば、女優のパク・ハンビョル(박한별)が主演を務め話題となった『清掃婦の二度目の結婚(청소부의 두 번째 결혼)』は、中国でヒットしたショートドラマが原作です。これを韓国の情緒に合わせて再解釈したところ、1,730万ビューを突破する大ヒットとなりました。
製作会社関係者は、「韓国はすでにKドラマを通じて世界的なコンテンツ競争力を証明している。ここに効率的な制作システムを組み合わせれば、単なる追撃者ではなく『高級化されたショートドラマ』という新しいモデルを作れる」と自信を見せています。
また、ショートドラマは新人俳優の登竜門としての役割も期待されています。制作費を抑えるためにAI(人工知能)を活用した編集や制作も取り入れられており、従来のドラマとは異なる「ショートドラマならではの演技」という新しいジャンルが確立されようとしています。
韓国エンタメの次なる主役として注目される「Kショートドラマ」。通勤電車や家事の合間に、まるでスナックを食べるように楽しめるこの新しいトレンドは、日本の韓流ファンの視聴スタイルも大きく変えていくかもしれません。
大物監督の演出力と、韓国ならではのスピード感、そしてドラマチックな脚本。これらが融合した1分間の魔法に、あなたもハマってみませんか?
1話が短いからこそ、ついつい「次のエピソード」をタップする手が止まらなくなりそうですよね。皆さんは、1分で完結する推しのドラマがあったら見てみたいですか?どんなジャンルのショートドラマを期待するか、ぜひコメントで教えてください!
出典:https://www.donga.com/news/Culture/article/all/20260303/133449723/2
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