今、韓国の映画界がとてつもない熱気に包まれています。かつてないほどの勢いで観客を動員し、社会現象を巻き起こしている作品があるのをご存知でしょうか。その名も『王を死なせた男(原題:왕을 사한 남자、略称:王死男/ワンサナム)』。
公開からわずか26日で観客動員数800万人を突破し、現在、韓国映画の「最高の栄誉」とも言われる1000万人動員(通称:千万映画)に向けてカウントダウンに入っています。韓国の人口が約5100万人であることを考えると、5人に1人が観た計算になるこの数字。なぜこれほどまでに韓国の人々は、この物語に熱狂しているのでしょうか? 日本の韓流ファンなら知っておきたい、その背景と見どころを紐解いてみましょう。
■ 韓国中が「端宗(タンジョン)ロス」に陥った理由
本作が描くのは、朝鮮王朝史上、最も悲劇的な王として知られる第6代王・端宗(タンジョン)の物語です。端宗はわずか11歳で即位しながらも、実の叔父である首陽大君(スヤンデグン/後の第7代王・世祖)によって王位を奪われ、非業の死を遂げた若き王。韓国人なら誰もが学校で習い、ドラマや映画で何度も扱われてきた、いわば「歴史の常識」とも言えるエピソードです。
しかし、今回の映画『王死男』がこれまでの作品と一線を画しているのは、その徹底した「人間ドラマ」の描き方にあります。権力争いの激しさだけでなく、まだ幼い王が抱いた孤独、そして彼を守ろうとした周囲の人々の葛藤が、現代人の心に深く刺さっているのです。
韓国では現在、この端宗に感情移入しすぎて日常生活に支障をきたす
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