ソウルの演劇の聖地・大学路で話題!伝統芸能とミステリーが融合した舞台理髪師を殺害した男に対する裁判が開幕

Buzzちゃんの見どころ

劇団ソルによる舞台『理髪師を殺害した男に対する裁判』が、4月29日から5月3日までソウルの大学路にあるヨリン劇場で上演されます。2024年に2人劇フェスティバルで大賞を受賞した話題作の再演です。

■ 伝統と現代が交差する「第6回戯曲熱戦」の開幕作
劇団ソル(ソウルを拠点に活動する劇団)は、韓国演劇界の巨匠として知られる劇作家ソン・ウッキョン(선욱현)の作品『理髪師を殺害した男に対する裁判』を上演します。本作は、ソウルの演劇の聖地として有名な大学路(テハンノ)にあるヨリン劇場にて、4月29日から5月3日までの期間に開催される「第6回戯曲熱戦」のトップバッターを飾る作品として選ばれました。

演出を手掛けるのはソン・スンス(선승수)で、2024年に開催された「ワールド2人劇フェスティバル」で最高賞である大賞を受賞した実績を持つ作品が、今回さらにブラッシュアップされて舞台に戻ってきます。

■ 犯人捜しではない「なぜ殺したのか」を問う心理ミステリー
物語は、ある日発生した衝撃的な殺人事件を背景に展開されます。しかし、本作は単に犯人を見つけたり、法廷で有罪か無罪かを争ったりするような、典型的な法廷ドラマの形式を取りません。

作品が追求するのは、一貫して「なぜ彼は殺したのか」という問いです。大都市の冷たい暗闇の中で、一人の人間がいかにして徐々に崩壊し、社会がどのようにして「怪物」を作り上げてしまうのかという過程を、冷徹な視点で描き出します。演出家のソン・スンスは、「暴力はいかなるものも救済することはできない」というメッセージを強調しており、舞台を現実と人間の内面が激しく衝突する象徴的な空間として設計しました。

■ 韓国伝統芸能の技法を融合させた独創的な演出
劇団ソルの最大の特徴は、伝統芸術を現代的に調和させるアプローチにあります。今回の公演では、その芸術性が頂点に達すると期待されています。俳優たちの感情表現は、緻密に練られた台詞のやり取りだけにとどまりません。韓国固有の伝統音楽における「クウム(口音:楽器の音を口で表現する技法)」や「チャンダン(長短:伝統的なリズム)」を取り入れ、物語に独特のリズム感を与えています。

さらに、舞台上では「タル(韓国の伝統的な仮面)」を活用することで、現代人が抱える二面性や匿名性を視覚的に浮き彫りにします。また、韓国舞踊の呼吸法を演技のベースに置くことで、言葉では伝えきれない深い傷跡や記憶を、静謐かつダイナミックに無台の上に表現します。演出のソン・スンスは、この舞台が「傷ついた者と、傷を負わせた者の両方のための『クッ(伝統的な儀式)』のような場になってほしい」と、その制作意図を述べています。

■ 実力派俳優陣と密度の高いスタッフワーク
本作の台本を執筆したソン・ウッキョンは、嘉泉大学(カチョン大学)の演技芸術学科の招へい教授であり、江原道立劇団の芸術監督を歴任した人物です。その鋭い洞察力で書かれた脚本を具現化するために、実力派俳優たちが集結しました。

ユ・ジンス(유진수)、チョン・チャンヒ(정찬희)、ナ・テミン(나태민)、イ・ジョンウン(이정운)、イ・ジェチャン(이재창)、パク・ウイル(박우일)、チョ・ミンジュ(조민주)といった俳優たちが、エネルギーに満ちた演技を披露します。

本作は、人間の心の深淵をのぞき込むような心理劇でありながら、社会的な暴力や歪んだ欲望を鋭く批判する社会劇の側面も持っています。さらに、漆黒の都市の非情な物語を描くノアール的な要素も組み合わされており、観客に多角的な思考を促す完成度の高いステージとなる見通しです。

出典:https://www.abcn.kr/news/articleView.html?idxno=87632

📚 Buzzちゃんの豆知識

■ 大学路(テハンノ)

ソウルにある韓国演劇のメッカとして知られるエリアです。100以上の小劇場が密集しており、毎日数多くの演劇やミュージカルが上演されています。若手俳優からベテランまでが舞台に立つ場所であり、ここからドラマや映画で活躍するスターが生まれることも少なくありません。

■ クッ(巫俗儀式)

韓国の伝統的なシャーマニズムの儀式のことです。「ムーダン」と呼ばれる霊媒師が、歌や踊りを通じて神や霊と対話し、人々の恨み(ハン)を解いたり、魂を慰めたりします。現代の演劇や映画でも、物語のクライマックスや魂の救済を象徴する演出として、この「クッ」の要素が取り入れられることがよくあります。

Buzzちゃんの感想

「犯人は誰?」という謎解きも面白いですが、この舞台のように「なぜそんな悲劇が起きたのか」という動機を深掘りする心理ミステリーは、人間の本質が見えて深みがありますよね。私は『財閥家の末息子』のような、社会の闇や人間の欲望が渦巻く重厚なストーリーが大好きなので、伝統芸能のリズムで語られるこの舞台が気になって仕方ありません!伝統的なお面を使って匿名性を表現するなんて、現代社会への風刺も効いていそうですね。皆さんは、物語を観るときに「犯人捜しのドキドキ」と「犯人の心の闇」、どちらにより惹かれますか?

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