リアルな賢い医師生活!?韓国の若者とドクターたちが広げるボランティアの輪

韓国ドラマやK-POPを愛するファンの皆さんなら、作品の中で描かれる「情(ジョン)」の深さや、仲間を思いやる熱い姿に胸を打たれたことが一度はあるはずです。実は、ドラマのスクリーン越しだけではなく、現実の韓国社会でも今、若者や専門職の人々による温かい「奉仕の輪」が広がっています。

今回は、仁川(インチョン)で行われた青少年の環境活動から、まるで人気ドラマ『賢い医師生活』(医学部時代の同期5人を中心に描いたヒューマンドラ)を彷彿とさせる若手医師たちの献身的な活動まで、最新の韓国社会のニュースをお届けします。

■ 仁川の「ロケ地の街」をピカピカに!青少年たちの「プロギング」

まずご紹介するのは、多くの韓国ドラマの舞台にもなる仁川広域市(インチョンこういきし)での爽やかなニュースです。2月27日、仁川の南洞区(ナムドング)にある九月洞(クウォルトン)一帯で、嘉泉(カチョン)青少年奉仕団による「第1回 サントゥッキル(爽やかな道)・プロギング」が開催されました。

「プロギング(Plogging)」という言葉、皆さんは耳にしたことがありますか?これはスウェーデン語の「拾い上げる(plocka upp)」と「ジョギング(jogging)」を合わせた造語で、ゴミ拾いとウォーキングを組み合わせた健康的な環境活動のこと。健康意識が高く、環境問題にも敏感な韓国のMZ世代(1980年代〜2000年代初頭生まれ)の間で今、爆発的なトレンドになっています。

今回のイベントには、小・中・高校生の団員約100名が参加。九月洞のロデオ広場や芸術会館周辺を2時間かけて清掃しました。実はこの九月洞、仁川随一の繁華街であり、若者が集まる活気あふれるスポットとして有名です。

さらに韓国らしいのが、活動の始まりを告げた「パラムゲビ(風車)サムルノリ団」の演奏です。サムルノリ(韓国の伝統的な4つの打楽器による演奏)の賑やかなリズムが街に響き渡り、通行人の注目を集める中で奉仕活動がスタートしました。

嘉泉青少年奉仕団のイ・グヌァ(이근화)団長は、「地域社会への奉仕を通じて市民意識を学び、心身ともに健康になる機会にしてほしい」と語っています。この団体は、嘉泉ギル財団のイ・ギリョ(이길여)会長が1993年に設立した歴史ある組織で、これまでに5,600名以上の卒業生を輩出しているそうです。

■ リアル『賢い医師生活』!若手ドクターたちが「チョッパンチョン」を救う

続いては、まさにドラマの世界から飛び出してきたような、若き医師たちの熱い活動です。大韓専攻医協議会(会長:ハン・ソンジョン(한성존))が、生活困窮者のための無料診療所「ヨセフ医院」と提携し、「専攻医医療奉仕団」の第1期メンバーの募集を開始しました。

「専攻医(チョンゴンイ)」とは、日本でいう研修医にあたる若手医師たちのこと。彼らが向かうのは、ソウル駅周辺にある「チョッパンチョン(쪽방촌)」と呼ばれる地域です。

ここで少し韓国文化の豆知識を。チョッパンチョンの「チョッパン」とは、大人一人がやっと横になれるほどの極端に狭い部屋のこと。ソウルの近代的なビル群の影に今も残る、社会的支援を必要とする方々が暮らすエリアを指します。韓国映画や社会派ドラマでも、格差社会の象徴として描かれることがあります。

ハン・ソンジョン会長率いる協議会は、昨年12月からこの地域の住民たちのために防寒用品を寄付したり、直接訪問診療を行ったりと、地道な交流を続けてきました。今回はそれを「第1期奉仕団」として組織化し、定期的な医療支援を行うといいます。

ヨセフ医院のコ・ヨンチョ(고영초)院長は、「自分の知識と才能を分かち合うことで、医師としての喜びを感じてほしい」とエールを送っています。多忙を極める若手医師たちが、自ら志願して厳しい環境に身を置く姿は、まさに『賢い医師生活』や『浪漫ドクター キム・サブ』(地方の病院を舞台に、型破りな天才外科医と若手医師たちが成長していく物語)の精神そのものですね。

■ 最新の「K-Medical」が未来を守る!がん選別アルゴリズムの開発

最後は、韓国の高い医療技術「K-Medical」の最前線からのニュースです。盆唐(ブンダン)ソウル大学病院の産婦人科、キム・ギドン(김기동)教授チームが、遺伝性の婦人科がんを100%の精度で判別できる革新的なアルゴリズムを開発しました。

韓国は今や世界屈指の医療大国。ドラマでも最新の設備を備えた病院が登場しますが、現実の研究も非常に進んでいます。今回開発された手法は、高価な遺伝子検査を全員に行うのではなく、既存のデータから「本当に検査が必要な人」を絞り込むというもの。

これにより、患者さんの経済的負担を減らしつつ、家族にがんが遺伝するリスクを早期に発見できるようになります。キム・ギドン教授は「医療資源を効率的に活用し、ハイリスクの患者さんが適切な管理を受けられるようにすることが目標」と述べており、この論文は国際的な学術誌にも掲載されました。

また、大韓母体胎児医学会では、未来の産婦人科医を育てるための「産科体験キャンプ」も開催。少子化が進む韓国社会において、新しい命の誕生を守る産科の重要性はますます高まっています。ドラマ『産後ケアセンター』(出産後の母親たちが集まる施設を舞台にしたコメディ)などでも描かれたように、韓国の出産・育児への関心は非常に高く、医学界も次世代の育成に力を入れています。

■ 編集後記:韓国の「温かい力」を感じて

華やかなエンタメの裏側には、こうして地域社会をより良くしようと汗を

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