作家ピョン・ヘヨンが描く家族の物語。超短編小説向こう側の声が公開

Buzzちゃんの見どころ

作家ピョン・ヘヨンが「家族」をテーマに執筆した超短編小説。騒がしいドラマの音に包まれて暮らす独居老人と、壁を隔てて孤独を抱える青年の静かな交流と変化を繊細に描き出しています。

韓国を代表する小説家の一人であるピョン・ヘヨン(편혜영)が、ファッション誌「Vogue Korea」の企画を通じて、家族をテーマにした超短編小説『向こう側の声』を発表しました。本作は、複数の世代の作家たちが「家族」について綴る全8編のシリーズの一つとして公開されたものです。

■ 壁一枚を隔てた二人の孤独

物語の主人公は、半地下の部屋に引きこもって半年以上が経過した青年です。主人公の隣の部屋には、耳が遠いためにテレビの音量を最大にしてドラマを視聴し続ける高齢の女性が住んでいます。主人公は、毎日響き渡るドラマの怒号や復讐劇の叫び声に悩まされながらも、その騒音を通じて隣人の存在を感じ取っています。

主人公は以前、友人に会うために外出しましたが、約束を断られたことをきっかけに社会との接触を断ちました。皮肉にも、孤独な青年には「クパン(韓国の主要ネット通販サービス)」や「配民(ペミン/デリバリーサービス)」の配達員が頻繁に訪れますが、隣の老人のもとには一ヶ月に一度、福祉施設から派遣される生活支援員が訪れるだけです。

■ 「ご飯を食べにおいで」という言葉の響き

ある日、騒音に耐えかねた主人公が壁を叩き、音を下げてほしいと訴えた際、老人は聞き間違えて「どうして最近ご飯を食べに来ないのか」と主人公を誘います。3年前に母親を亡くして以来、誰からも食事に誘われることのなかった主人公にとって、その言葉は奇妙でありながらも、心のどこかに変化をもたらすきっかけとなりました。

主人公は次第に、テレビの音がうるさく感じない時でも、老人の安否を確認し、自分自身の声を誰かに届けるために壁を叩くようになります。耳が聞こえない老人に対してなら、自分の内面を吐露できるという奇妙な安心感も描かれています。

■ 断絶から歩み寄りへ

物語の終盤、いつも鳴り響いているテレビの音が聞こえなくなり、老人の応答がなくなったことに主人公は不安を抱きます。老人の体調を案じ、恐怖を感じた主人公は、数ヶ月ぶりに玄関のドアを開けて外へと足を踏み出します。

マดにあるライラックの鉢植えの香りに勇気をもらい、隣の家のドアを叩く主人公。中から誰かがゆっくりと近づいてくる気配を感じながら、必死にドアを叩き続ける姿で物語は締めくくられます。この作品は、血縁のない他者同士が、孤独を通じてかすかにつながりを持つ過程を、超短編という形式の中で鋭く、かつ温かく表現しています。

出典:https://www.vogue.co.kr/2026/05/08/%ea%b0%80%ec%a1%b1%ec%97%90%ea%b0%80%ed%95%9c-%ec%b4%88%eb%8b%a8%ed%8e%b8%ec%81%8c%ec%84%a4_%ed%8e%b8%ed%98%9c%ec%98%81-%eb%84%88%eb%a8%b8%ec%9d%98-%ec%86%8c%eb%a6%ac/?utm_source=naver&utm_medium=partnership

📚 Buzzちゃんの豆知識

■ 半地下(パンジハ)

韓国の住宅形式の一つで、建物の半分が地面の下に埋まっている部屋のことです。家賃が比較的安いため、学生や若い単身者が住むことが多いですが、湿気や日当たりの悪さが課題となることもあります。映画『パラサイト 半地下の家族』で世界的に有名になりました。

■ クパン(Coupang)と配民(ペミン)

クパンは韓国最大のネット通販サイトで、翌朝に届く「ロケット配送」が特徴です。配民(配達の民族)は韓国で最も普及しているフードデリバリーアプリ。どちらも韓国の生活には欠かせないインフラとなっており、対面を避けたい現代人の生活を支える側面もあります。

Buzzちゃんの感想

お隣の家から聞こえるテレビの音がきっかけで始まる交流なんて、なんだかドラマチックですよね。私は財閥ドロドロ系の『財閥家の末息子』みたいな作品が大好きなので、作中の「復讐に燃える女が出るドラマ」という描写に思わず共感しちゃいました。孤独な現代人が少しずつ外の世界と繋がろうとする姿に、心がじんわり温かくなります。皆さんは、お隣さんと挨拶したり、ちょっとした交流があったりしますか?それとも、適度な距離感を保つ派ですか?

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