厳しい寒さが和らぎ、韓国にも春の足音が聞こえてきました。季節の移り変わりとともに、ソウルのミュージカル界も大きな変化を迎えています。冬の間、私たちの目を楽しませてくれた華やかな「ショー・ミュージカル」に代わり、この春は「物語(叙事)」の力で魅せる大型作品が続々と幕を開けます。
炭鉱町の少年が抱く夢、激動の時代を駆け抜けた女性画家、そして祖国のために命を懸けた実業家――。日本でもおなじみの実力派俳優たちが顔を揃える、今シーズンの注目3作品をご紹介します。
■「リトル・ビリー」が大人になって帰還!5年ぶりの「ビリー・エリオット」
まず注目したいのが、4月12日から「ブルースクエア(ソウル・漢南洞にある大型公演会場)」で上演される「ビリー・エリオット(빌리 엘리어트)」です。1980年代のイギリス炭鉱町を舞台に、バレエに魅了された少年ビリーの成長を描く本作は、韓国でも絶大な人気を誇ります。
今回の再演で最も話題なのが、キャストに秘められた「ドラマ」です。なんと、2010年の韓国初演で「初代ビリー」を演じたイム・선ウ(임선우)が、今回は「大人のビリー(オールダー・ビリー)」役として戻ってくるのです。
韓国では子役の育成に非常に力を入れる文化がありますが、当時小学生だった少年が、名門「ユニバーサル・バレエ団」の首席ダンサーとなり、再び同じ作品の舞台に立つ……。プロデューサーのパク・ミョンソン(박명성)氏が「現実で証明された奇跡のような成長」と語る通り、長年のファンにとっては涙なしには見られない特別なステージになりそうです。
■韓国を代表する歌姫たちが集結!初上陸の「レンピカ」
続いて、3月21日から「COEXアティウム(ソウルの江南エリアにある劇場)」で韓国初演を迎えるのが「レンピカ(렘피카)」です。
本作は「アール・デコの女王」と呼ばれたポーランド出身の画家、タマラ・ド・レンピカの激動の生涯を描いた作品。ロシア革命や二度の世界大戦という時代の荒波に翻弄されながらも、芸術家として自立しようとあがく彼女の姿は、現代を生きる私たちにも強い共感を与えてくれます。
この作品の見どころは、何といっても「韓国ミュージカル界の歌姫(ディーバ)」たちの競演です。主人公レンピカ役には、キム・ソニョン(김선영)、パク・ヘナ(박혜나)、チョン・ソナ(정선아)という、圧倒的な歌唱力を誇るトップ女優たちがキャスティングされました。さらに彼女にインスピレーションを与えるラファエラ役には、チャ・ジヨン(차지연)やリンア(린아)、ソン・スンヨン(손승연)といった面々が名を連ねており、劇場が揺れるほどのパワフルな歌声を堪能できること間違いありません。
■実在した「英雄」の二重生活を描く「スイングデイズ_暗号名A」
最後は、4月16日から「忠武(チュンム)アートセンター(ソウル・新堂洞にある歴史ある劇場)」で上演される「スイングデイズ_暗号名A(스윙데이즈_암호명 A)」です。
この作品は、韓国の有名製薬会社「柳韓(ユハン)洋行」の創業者であるユ・イルハン(유일한)博士をモデルにした創作ミュージカルです。韓国でユ・イルハン博士といえば、「最も尊敬される企業家」として教科書にも登場するほどの人物。しかし、彼が経営者として活躍する裏で、実は独立運動家として極秘の諜報作戦に関わっていたという事実は、意外にもあまり知られていません。
ビジネスマンと独立運動家、その「二重生活」にスポットを当てた本作には、日本でもファンが多いユ・ジュンサン(유준상)、シン・ソンロク(신성록)、そしてパク・ウンテ(박은태)という豪華な顔ぶれが集結しました。
韓国では「独立運動」をテーマにした作品が非常に多く制作されますが、それは国民にとって「自国のルーツを守り抜いた英雄」への敬意が非常に強いためです。単なる歴史劇ではなく、一人の人間としての葛藤や情熱が描かれる本作は、K-ミュージカルの層の厚さを感じさせてくれるでしょう。
■ミュージカルを観に、春のソウルへ
冬の喧騒が去り、物語の深みにどっぷりと浸れる作品が揃った今年の春。ダンス、歌、そして歴史背景に裏打ちされた深いストーリーと、作品ごとに異なる魅力が詰まっています。
韓国のミュージカルは、俳優たちの「声量」と「感情表現」が非常に豊かで、言葉の壁を越えて心に響く瞬間が多々あります。お気に入りの俳優さんの舞台を観に、あるいは新しい感動を探しに、春のソウルへ足を運んでみてはいかがでしょうか?
バレエダンサーとして成長して戻ってきたイム・ソンウさんの「ビリー」復帰、皆さんはどんな気持ちで見守りたいですか?また、この豪華キャストの中で、あなたが今一番気になっている俳優さんは誰ですか?ぜひコメントで教えてくださいね!
出典:https://www.joongang.co.kr/article/25410014
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