いま、韓国のみならず世界中のファンを虜にしている俳優がいます。その名はチェ・ウシク(최우식)。Netflixオリジナルシリーズ『殺人者のパラドックス』(偶然殺人を始めてしまった平凡な大学生が、自分に悪人を見分ける能力があることに気づき、ダークヒーローへと変貌していくスリラー)のヒットにより、彼の俳優としての評価が再び最高潮に達しています。
韓国では彼のことを親しみと称賛を込めて「チェガンドゥンイ(재간둥이)」と呼びます。これは「多才で愛嬌があり、周囲を明るくする機転の利いた人」を指す言葉。日本の感覚でいうと「愛され上手なムードメーカー」や「憎めない才能の持ち主」に近いニュアンスです。
一見すると、子犬のような可愛らしさと「弱々しさ」が魅力の彼が、なぜ「本物の俳優」としてこれほどまでに高く評価されているのか。その核心に迫ります。
■ 親しみやすさと狂気のギャップ!『殺人者のパラドックス』で見せた新境地
最新作『殺人者のパラドックス』でチェ・ウシクが演じたイ・タンは、まさに彼にしか演じられないキャラクターでした。物語の序盤で見せる、どこにでもいそうな平凡で少し頼りない大学生の姿は、私たちの知っている「可愛いチェ・ウシク」そのものです。
しかし、殺人を重ね、追い詰められていく中で、その瞳から光が消え、冷酷な何かが宿っていく過程は圧巻でした。韓国の視聴者からは「チェ・ウシクの顔には、善と悪が絶妙に共存している」という声が多く上がっています。
ここで注目したいのが、韓国の芸能界でよく言われる「ムンムンミ(멍뭉미)」という言葉です。「ムンムン(犬の鳴き声)」と「美」を合わせた造語で、大型犬のような人懐っこい魅力を指します。チェ・ウシクはその代表格ですが、今回の作品ではその「ムンムンミ」を逆手に取り、無垢だからこそ恐ろしいという、これまでにないダークな一面を証明しました。
共演したベテラン俳優のソン・ソック(손석구)(ドラマ『私の解放日誌』などで知られる実力派俳優)との緊張感あふれる心理戦も、チェ・ウシクの確かな演技力があってこそ成立したと言えるでしょう。
■ 「弱そうなのに強い」?チェ・ウシクだけが持つ不思議な空気感
チェ・ウシクの歩みを振り返ると、彼は常に「自分にしかできない領域」を開拓してきました。
世界中にその名を知らしめた映画『パラサイト 半地下の家族』(ポン・ジュノ(봉준호)監督による、格差社会を描いたアカデミー賞受賞作)では、物語の鍵を握る息子ギウを演じました。また、ドラマ『その年、私たちは』(2021年の大ヒット作、元恋人同士が再会する切ないラブストーリー)では、繊細で不器用な芸術家を演じ、「国民の元カレ」という異名まで獲得しました。
彼の演技の最大の特徴は、「演技をしているように見えない」ほどの自然体であることです。韓国の俳優は、演劇出身者も多く、時に情熱的で力強い演技が好まれる傾向にあります。そんな中で、チェ・ウシクの「引き算の演技」は非常に独特です。
彼は、キャラクターの感情を爆発させるのではなく、観客が「自分がその立場だったらどうするか」と共感してしまうような、絶妙なリアリティを提示します。この「生活感のある演技」こそが、彼がトップ俳優として君臨し続ける最大の武器なのです。
■ 青春スターから世界へ。歩みを止めない「本物の俳優」の証明
チェ・ウシクは、カナダ育ちという背景を持ち、英語も堪能です。そのため、韓国国内の枠に留まらず、常にグローバルな視点を持っています。仲の良い俳優仲間として知られるパク・ソジュン(박서준)やBTSのV(ヴィ)らとの「ウガファミリー(芸能界の親友グループ)」での活動でも、飾らない素顔を見せてファンを和ませてくれます。
しかし、ひとたび作品に入れば、その素顔を完全に封印し、作品の世界に没入します。今回の『殺人者のパラドックス』の成功は、単なる人気スターとしての結果ではなく、彼が10年以上のキャリアの中で積み上げてきた「表現者としての深み」が結実したものです。
「次はどんな姿を見せてくれるんだろう?」という期待を抱かせる俳優は多くいますが、チェ・ウシクほど「次はどんな裏切りを見せてくれるんだろう?」とワクワクさせてくれる俳優は他にいません。
可愛い弟のような姿から、背筋が凍るような冷徹な表情まで。チェ・ウシクという底知れない沼に、私たちはこれからもますますハマっていきそうです。
『殺人者のパラドックス』でのチェ・ウシクの豹変ぶり、皆さんはどう感じましたか?「このシーンの彼が一番すごかった!」というお気に入りの場面があれば、ぜひコメントで教えてくださいね!
出典:https://www.mediapen.com/news/view/1084020
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