韓国囲碁界を代表するトップ棋士パク・ジョンファン(박정환)9段が、世界規模の新しい国際大会「第1回新韓銀行世界基選戦」の初代チャンピオンを目指して戦いの火ぶたを切ろうとしている。2月25日に始まる結衣を前に、日本の囲碁ファンの間でも注目が集まっている。
パク・ジョンファンといえば、かつて韓国ランキング1位を59ヶ月連続で守り続けた圧倒的なチャンピオンだ。しかし最近数年、世界の大型国際戦での優勝から遠ざかっており、今回の大会はまさに彼の復活戦となる。日本の将棋界に例えるなら、かつての栄光を取り戻す「最後のチャンス」とも言える局面なのだ。
■5年のブランクを打ち破る、パク・ジョンファンの逆襲劇
パク・ジョンファンが最後に世界的な大型棋戦で優勝したのは2021年の「第26回サムスン火災杯」。それ以来、5年間もメジャーな国際戦での優勝から遠ざかっている。昨年の「春蘭杯」では準優勝に終わり、その悔しさは相当なものだったはずだ。
囲碁ファンの間では「パク・ジョンファンはもう世界の頂点には返り咲けないのか」という疑問の声も聞かれ始めていた。しかし今回のセレクション過程で、彼はスーシャオホン(須藤小紅)9段(台湾)、ヤン・カイエン(楊嘉昭)9段(中国)、イチリキ・リョウ(市川琴詩)9段(日本)、タン・イペイ(谭逸飞)9段(中国)といった世界の強豪たちを次々と破り、見事に決勝進出を勝ち取った。
もはや衰えたのではなく、単に「調子が上がるのを待っていただけ」――そうした印象さえ受けるほどの熱戦ぶりである。
■新時代の中国を代表する若き挑戦者・ワン・シンハオとの激突
パク・ジョンファンの決勝の相手は、中国の次世代エース、ワン・シンハオ(王星昊)9段だ。2004年生まれの彼は、まさに中国囲碁界の明日の顔として期待されている存在である。
ワン・シンハオは昨年4月の「北海新賽杯」で、自分より6歳年上のリー・チンチェン(李真谆)9段を2-0で破り、念願の国際戦初優勝を達成。その勢いのままに、国内戦でも次々と優勝を重ね、中国ランキング1位争いに名を連ねるまでになった。
そして今大会では、世界最強の呼び声高いシム・ウンギョン(심은경)9段を8強で撃破するという大金星を上げている。若き虎が既存の強者たちを次々と倒していく。その様は、かつてのパク・ジョンファン自身の若き日の躍進を彷彿とさせるものがある。
■世界最高賞金4億ウォン――チャンスはここにしかない
今大会「新韓銀行世界基選戦」は、韓国最大手の銀行・新韓銀行がスポンサーとなる新しい国際大会である。その最大の特徴は、何といっても賞金規模の大きさだ。優勝賞金は4億ウォン(約4,000万円)、準優勝でも1億ウォン(約1,000万円)という、囲碁界としては破格の待遇である。
経済的な側面だけでなく、「初代王者」という歴史的な価値も大きい。スポーツの世界で初代チャンピオンという肩書は、以後の大会の実績よりも特別な重みを持つ。パク・ジョンファンにとっては、単なる優勝ではなく「レジェンドとしての最後のマイルストーン」を刻む機会でもあるのだ。
■日本とのつながり、そして『応答せよ1988』の登場
興味深いことに、この大会には日本とも深い結びつきがある。今大会に参加している日本の棋士たちも世界トップクラスの実力者ぞろいであり、まさに真の「世界戦」となっているのだ。
さらに話題性を盛り上げているのが、決勝第1局(2月25日)に特別ゲストとして登場する日本でも人気の高いドラマ『応答せよ1988』の主演俳優パク・ボゴム(박보검)の参加である。彼はこのドラマで囲碁棋士の役を演じており、その後も囲碁ファンとしての活動を続けている。決勝戦の開幕を告げるゲストとしてパク・ボゴムが登場することで、エンタメ性も高まった。
また、この日は伝説の棋士イ・セドル(이세돌)9段も現場を訪れ、若き囲碁の才能たちとの交流会を開催。複数の日本プロ棋士たちも参加し、50名の若き才能たちに直接指導を行うという、囲碁界全体の未来を見据えた素晴らしいイベントとなっている。
■相手の実績、両者の直接対戦成績
パク・ジョンファンとワン・シンハオの過去の対戦成績は、パク・ジョンファンの1勝2敗である。2024年の中国甲組リーグではパク・ジョンファンが勝利しているものの、昨年のLG杯16強とこの1月の国数山脈国際囲碁大会16強ではワン・シンハオが制している。
パク・ジョンファン自身は決勝を前にして「初代基選戦の決勝という意味も大きく、それだけ緊張感も相当ある。ワン・シンハオは手ごわい相手だが、自分の碁を信じて全力を尽くせば、きっと良い結果が出ると思う」とコメントを発表している。
■見どころ:ベテランの経験 vs 若き才能の台頭
この決勝戦の最大の見どころは、正に「時代の転換点」を感じさせるマッチアップである。かつての絶対王者パク・ジョンファンが、次世代を担う新星ワン・シンハオにどう立ち向かうのか。5年のブランク、そして昨年の春蘭杯での悔しさを背負った棋士の執念と、若き才能の飽くなき上昇志向がぶつかり合う。
決勝は最大3番勝負。初戦は2月25日、第2局が26日、もし1勝1敗になれば最終局が27日に行われる予定である。全て新韓銀行本店15階のスタジオで行われ、持ち時間は30分にフィッシャー方式で追加時間20秒が与えられる。
パク・ジョンファンの5年ぶりの頂点奪還なるのか、それともワン・シンハオが新時代の到来を告げるのか。世界最高賞金をかけた初代王者争奪戦に、世界中の囲碁ファンの目が注がれている。
出典:https://www.mhnse.com/news/articleView.html?idxno=511671
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