伝統を再解釈する韓服デザイナー【キム・ヨンジン(김영진)】。BTSやハリウッド女優を虜にする衣装哲学と舞台への情熱

Buzzちゃんの見どころ

伝統的な韓服を現代的に再解釈し、BTSやナオミ・キャンベル(Naomi Campbell)ら世界を魅了するデザイナー、キム・ヨンジン(김영진)。2004年のブランド設立から20年、彼女が多忙な中でも舞台衣装の制作を手放さない理由と、最新作『ハルビン』への期待を紐解きます。

■ 韓服界の異端児から巨匠へ。20周年を迎えた「チャイ・キム」の軌跡

韓国の伝統衣装である韓服(ハンボク)に、現代的な感性と自由な発想を吹き込み、世界的な注目を集めているデザイナーがいます。それが「チャイ・キム・ヨンジン(Tchai Kim Young Jin)」およびレディ・トゥ・ウェア(既製服)ブランド「チャイ・キム(Tchai Kim)」を率いるキム・ヨンジン(김영진)です。

彼女が自身の名前を冠したオートクチュールブランドを立ち上げたのは2004年のこと。それから約20年、彼女の作品は韓国国内に留まらず、世界中のランウェイやスクリーンを彩ってきました。特に2013年にローンチした「チャイ・キム」は、日常生活でも着られる「流浪者の服」をコンセプトにした、いわゆるフュージョン韓服の先駆けとして知られています。

キム・ヨンジン(김영진)の経歴は非常にユニークです。もともとは演劇俳優として活動していましたが、ファッションの世界に転身。有名ブランドの販売員として働きながら、服の構造や顧客のニーズを独学で学んだといいます。その異色の経歴が、既存の枠にとらわれない「動く人のための韓服」を生み出す原動力となりました。

■ BTSやハリウッドをも魅了する圧倒的な造形美

彼女の名を世界に知らしめたのは、数々のトップスターやセレブリティとのコラボレーションです。世界的な人気を誇るグループBTSがパフォーマンスで着用した韓服風の衣装や、ハリウッド女優のティルダ・スウィントン(Tilda Swinton)が韓国を訪れた際に着用した衣装などは、伝統とモダンが完璧に融合した例として今も語り継がれています。

また、スーパーモデルのナオミ・キャンベル(Naomi Campbell)が韓国の雑誌『VOGUE KOREA』の表紙を飾った際にも、彼女の韓服が採用されました。これらは単に「古いものを再現した服」ではなく、現代のファッションアイコンが日常やステージで着たいと思わせる、高いファッション性を持っていたからこそ実現したものです。

キム・ヨンジン(김영진)はインタビューの中で、「韓服は韓国のものという枠を超え、世界の人々が美しさを共有できるファッションであるべきだ」と語っています。彼女の手によって、韓服は博物館に飾られる「遺物」から、街中で着こなせる「スタイル」へと進化を遂げたのです。

■ なぜ彼女は「公演衣装」にこだわり続けるのか

ファッションデザイナーとして確固たる地位を築いた今も、彼女は演劇や映画、オペラといった舞台芸術の衣装制作を精力的に続けています。直近では、2016年に初演され、2024年に20周年公演として再演された演劇『ノスタルジア』の衣装を手がけました。

彼女が多忙なスケジュールの中でも公演衣装を「手放せない」と語る理由は、その作品の中にキャラクターとしての「生」が宿るからです。映画や舞台の衣装は、俳優がその役になりきるための最も強力な道具の一つです。彼女にとって衣装制作は、単に着る人を飾るだけでなく、物語を構築する重要な要素なのです。

これまでに彼女が手がけた代表的な映画作品には、1930年代の京城(現在のソウル)を舞台にした『愛を歌う花(原題:解語花)』があります。この作品で彼女が見せた、華やかで少し哀愁の漂う韓服の数々は、当時の時代背景を見事に描き出したと高く評価されました。さらに、2025年に公開が予定されている期待作『ハルビン(原題:하얼빈)』でも、彼女の衣装が重要な役割を果たす予定です。

また、宇宙を舞台にしたSF映画『ザ・ムーン(原題:더 문)』や、ドラマ『ミスター・サンシャイン』など、ジャンルを問わず彼女の感性は発揮されています。歴史的な考証をベースにしながらも、そこにキャラクターの性格を反映させた独自のディテールを加えるのがキム・ヨンジン(김영진)流のこだわりです。

■ 伝統を明日へつなぐ。未来の韓服への挑戦

現在、彼女は自身のアーカイブを整理しつつ、次世代への継承も視野に入れています。2020年には韓国文化財庁の広報大使を務め、伝統文化の価値を伝える活動にも力を入れてきました。

「伝統とは、過去に留まっているものではなく、今の私たちの生活に流れているもの」というのが彼女の信念です。18世紀の朝鮮時代のシルエットを大切にしながらも、イタリアの最高級リネンやフランスのレースを取り入れる彼女の手法は、まさに伝統と革新の対話と言えるでしょう。

20周年を迎え、さらなる飛躍を目指すキム・ヨンジン(김영진)。彼女の作る衣装は、これからもスクリーンや舞台の上で、そして私たちの日常の中で、新しい物語を紡ぎ続けていくことでしょう。

出典:https://www.kmib.co.kr/article/view.asp?arcid=0029752130&code=61171211&cp=nv

📚 Buzzちゃんの豆知識

■ フュージョン韓服(現代韓服)

伝統的な韓服の様式をベースに、現代の生活に合わせて着心地やデザインを改良した衣装のことです。スカートの丈を短くしたり、ジッパーを採用したり、洋服用の生地を使ったりするのが特徴。最近では、アイドルのステージ衣装や結婚式の2次会、日常のファッションとしても人気を集めています。

■ 京城(キョンソン)

現在のソウルの旧称。特に1910年〜1945年の植民地時代を背景にしたドラマや映画で、この呼称がよく使われます。この時代のファッションは、伝統的な韓服と西洋の近代的なスタイルが混ざり合った独特のモダンな雰囲気があり、韓国エンタメでも非常に人気の高いテーマの一つです。

Buzzちゃんの感想

歴史ドラマ好きの私にとって、衣装は作品の質を決める大事なポイントなんですよね。キム・ヨンジンさんの作る韓服は、どれも絵画のように美しくて、見ているだけで幸せな気持ちになっちゃいます。2025年公開の映画『ハルビン』でも、どんな素敵な衣装が見られるのか今から楽しみで仕方がありません!皆さんは、時代劇に出てくるような豪華な王室の韓服と、現代風にアレンジされたカジュアルな韓服、どちらにより惹かれますか?

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