「あの可愛かった子役が、いつの間にかこんなに立派な俳優に……!」
韓国ドラマファンなら、一度ならずそう思ったことがあるはずです。今、まさにその言葉がぴったりの成長を遂げているのが、天才子役として名を馳せたムン・ウジン(문우진)です。
ドラマ『無人島のディーバ』や、話題の映画『黒い修女たち(原題)』などで強烈な印象を残している彼が、自身の初主演長編映画『アコーディオン・ドア(原題)』の記念すべき上映会に登壇。中学生から高校生へと成長する多感な時期を過ごした彼が、作品への思いと「俳優としての今」を語りました。
■韓国映画界の登竜門「KAFA」から生まれた珠玉の成長物語
2026年3月14日、ソウル・新村(シンチョン)にある映画館で「韓国映画アカデミー(KAFA)」の卒業映画祭が開催されました。
ここで少し解説を加えると、この「KAFA」とは韓国映画界において非常に重要な場所です。ポン・ジュノ監督(『パラサイト 半地下の家族』)やチェ・ドンフン監督(『10人の泥棒たち』)など、韓国を代表する巨匠たちを輩出してきた名門校。日本の国立映画学校に近い存在で、ここでの卒業制作作品は、未来のスター監督や俳優を見つける場所として業界内でも高く注目されています。
そんな記念すべきステージに立ったムン・ウジン。彼が主演を務めた『アコーディオン・ドア』は、未知の生物から「書く才能」を授かったと信じる中学生のジス(ムン・ウジン扮)が、サッカー少女のヒョンジュと出会い、才能への不安や他者との関係性に揺れ動く姿を描いたファンタジー成長ドラマです。
本作はすでに「第30回釜山国際映画祭(BIFF)」で「今年の俳優賞」と「シネ21賞」をダブル受賞しており、ムン・ウジンの演技力は折り紙付き。子役時代に培った安定感に、思春期特有の繊細な表現が加わった、今しか撮れない貴重な瞬間が収められています。
■「中学生には難しかった」台本と向き合った苦悩と成長
撮影当時、ムン・ウジンは中学3年生。現在は高校2年生(韓国の学制では3月に新学期が始まります)になった彼は、スクリーンに映る当時の自分を振り返り、「今の自分ではないような不思議な感じがします」と照れくさそうに笑いました。
特に印象的だったエピソードとして、ソン・ギョンス(손경수)監督との初対面の思い出を語っています。
「初めてお会いしたとき、監督がトッテナム(イングランドのサッカークラブ)のユニフォームを着て現れたんです。それがすごく親近感があって、作品に惹かれるきっかけになりました」
一方、ソン・ギョンス監督は「勇気が必要な日には、よくサッカーのユニフォームを着るんです。ウジンくんに初めて会う日も、そんな緊張と気合を込めて着ていきました」と明かしました。監督にとっても、この才能豊かな少年をリードするのは大きな挑戦だったことが伺えます。
ムン・ウジンは、当時の率直な悩みも告白しました。
「台本がとても抽象的で、中学生だった自分には理解するのが難しかった。母に聞いたりもしましたが、結局完全には理解できないまま監督に会いに行き、たくさん質問しました。監督と長い時間をかけて対話を重ねたことで、ジスというキャラクターを一緒に作り上げることができました」
■子役から「俳優」へ、歩み始めた新しいステージ
韓国では、子役として幼少期から活躍するスターを「アヨク・ペウ(子役俳優)」と呼び、親しみを持って応援する文化が強くあります。チャ・ウヌ(ASTRO)やパク・ソジュン、チ・チャンウクといったトップスターたちの「子供時代」を一身に引き受けてきたムン・ウジンですが、本作で見せた姿はもはや「誰かの子供時代」ではありません。一人の俳優として、作品の中心で葛藤し、呼吸する姿です。
撮影中、ちょうど学校の試験期間と重なり、水に浸かるハードなシーンを撮りながら試験勉強も並行していたという、現役学生らしい苦労話も飛び出しました。
「当時は必死でしたが、その時の緊張感や真剣さが、むしろ自然に劇中のジスに投影された気がします」
そんな彼の誠実な姿勢が、観客の心を動かしました。監督は本作を「過去の自分と現在の自分への問いかけ」だと語りましたが、まさにムン・ウジンにとっても、少年から俳優へと羽ばたく記録映画になったようです。
現在は高校生活を楽しみながら、次々と舞い込む新作の撮影に励んでいるというムン・ウジン。かつて見守っていた「可愛い子役」は、今、韓国映画界の未来を背負う「若き名優」へと進化を遂げています。
映画『アコーディオン・ドア』が日本で公開される日はまだ未定ですが、彼の名前がエンドロールのトップに刻まれる日はすぐそこまで来ています。
ムン・ウジンくんの成長を見守ってきた皆さんは、彼のどんな演技が好きですか?「あの子があんなに大きくなって……!」と親戚のような気持ちで感動したエピソードなどがあれば、ぜひコメントで教えてくださいね!
出典:http://www.fnnews.com/news/202603171808286427
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