子役からアイドル、そして今や韓国映画界を背負って立つ「1000万人俳優」へ。パク・ジフン(박지훈)の勢いが止まりません。
韓国で「1000万人俳優」という言葉は、単なるヒット以上の意味を持ちます。人口約5000万人の韓国で、観客動員数1000万人を超えるということは「国民の5人に1人が見た」という計算になり、俳優にとって最高の栄誉の一つとされています。
そんな大記録を打ち立てたパク・ジフンが、映画の熱狂も冷めやらぬ中、早くも次なるステージへと動き出しました。今度の舞台はなんと「軍隊の厨房」です。
■ 悲劇の王から「炊事兵」へ!振り幅の大きすぎる転身
パク・ジフンが1000万人俳優の称号を手にしたのは、映画『王と生きる男(왕과 사는 남자)』での熱演があったからこそ。この作品で彼は、朝鮮王朝史上、最も悲劇的な運命をたどったとされる実在の王・端宗(단종/タンジョン)を演じました。
ちなみに、端宗はわずか11歳で即位しながらも叔父に王位を奪われ、10代で命を落とした若き王。韓国人なら誰もが知る歴史上の悲劇のアイコンです。パク・ジフンは、家族を失った絶望から、流刑地での心理的変化、そして最後を受け入れる姿までを繊細に演じ切り、ユ・ヘジン(유해진)やユ・ジテ(유지태)といった超ベテラン俳優たちに引けを取らない存在感を見せつけました。
そんな重厚な時代劇で高く評価された彼が、次作に選んだのがTVING(ティビング/韓国の大手動画配信サービス)オリジナルシリーズの『炊事兵、伝説になる(취사병 전설이 되다)』です。
この作品は、ジェイロビン(제이로빈)作家による同名の人気ウェブ小説が原作。「ミリタリー・クックバン(料理番組)・ファンタジー」という、韓国らしい要素がぎゅっと詰まったユニークなジャンルです。銃の代わりに包丁を握った「炊事兵」が、軍隊で伝説的な存在へと成長していく物語を描きます。
■ 「炊事兵」って?韓国の兵役文化を知るともっと面白い
ここで、日本のファンの方には少し馴染みの薄い「炊事兵(チュィサビョン)」について少し補足しましょう。韓国の男性が避けて通れない兵役義務(約1年半、軍隊に所属すること)において、部隊全員の食事を毎日作る担当が炊事兵です。
数百人、時には千人以上の食事を、早朝から深夜まで毎日休まず作り続けるこの役職は、実は軍隊内でも屈指の「ハードなポジション」として知られています。ドラマでは、パク・ジフン演じる二等兵(新入り兵士)のカン・ソンジェ(강성재)が、ごく普通の家庭出身でありながら、軍生活の中で不思議な「クエスト・システム」に遭遇し、ゲームのようにミッションをこなしながら料理の腕を上げていくというファンタジー要素が加わります。
原作ファンからも「小説の表紙から飛び出してきたみたいだ」と、パク・ジフンのビジュアルと役のシンクロ率に期待の声が上がっています。また、このドラマはフランスで開催された世界的なドラマ祭「シリーズ・マニア(Series Mania)」でも特別上映作に選ばれるなど、放送前からすでに世界的な注目を集めているんです。
■ アイドルから実力派俳優へ、パク・ジフンが歩んだ軌跡
パク・ジフンを語る上で欠かせないのは、その驚くべきキャリアの変遷です。1999年生まれの彼は、実は2006年の国民的時代劇『チュモン(주몽)』で子役としてデビューしています。
その後、2017年に社会現象を巻き起こしたオーディション番組『プロデュース101 シーズン2(프로듀스 101 시즌 2)』に出演。「僕の心に保存(チョジャン)!」という流行語を生み出し、人気グループ・Wanna One(워너원)のメンバーとしてK-POP界の頂点に立ちました。
アイドル活動終了後は、俳優として本格的に再始動。『朝鮮婚談工作所:コッパダン(조선혼담공작소 꽃파당)』で成人俳優としての第一歩を踏み出し、Wavve(ウェーブ/韓国のOTTプラットフォーム)オリジナルシリーズ『弱漢ヒーロー Class1(약한영웅 Class1)』では、いじめに立ち向かう物静かで鋭い高校生・ヨン・シウンを怪演。この作品で「青龍シリーズアワード(配信作品を対象とした権威ある授賞式)」の新人男優賞を受賞し、単なる「演技ドル(演技もできるアイドル)」ではない、本物の俳優としての地位を確立しました。
その後も『幻想恋歌(환상연가)』や『弱漢ヒーロー Class2(약한영웅 Class2)』と着実にキャリアを積み、今回の「1000万人俳優」へと繋がったのです。
■ さらなる飛躍に期待!次なる「レジェンド」の誕生
今回、TVINGが公開した『炊事兵、伝説になる』のポスター撮影現場の写真では、ピシッと敬礼をするパク・ジフンの凛々
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