チョ・ジヌンの姿がない?韓国の祝日 三一節 記念動画で起きた異変と俳優に求められる重い責任

韓国エンタメ界において、作品の面白さと同じくらい、あるいはそれ以上に重要視されるのが「俳優の品格」です。特に、国民的な関心事や歴史的な節目においては、その基準はさらに厳格になります。

3月1日、韓国では「三一節(サミルジョル)」という重要な祝日を迎えました。1919年に起きた独立運動を記念するこの日、Netflix(ネットフリックス)韓国版が公開した1本の動画が、現在韓国のネットユーザーや映画ファンの間で大きな議論を呼んでいます。

話題の中心にいるのは、映画『暗殺』やドラマ『シグナル』などで日本でも高い人気を誇る名優、チョ・ジヌン(조진웅)です。実力派として知られる彼が、なぜ今、注目を集めているのでしょうか。

■ 人気作の「英雄」たちが集結した記念動画の違和感

Netflix韓国版は1日、公式SNSを通じて「今日を私たちに手渡してくれた、英雄たちを忘れません」というメッセージと共に、1本のスペシャル動画を公開しました。

この動画には、Netflixで配信されている韓国の人気コンテンツの中から、独立運動や抗争をテーマにした5つの作品が選ばれています。

・『ミスター・サンシャイン』(1900年代初頭の義兵を描いた大ヒットドラマ)
・『暗殺』(1930年代の暗殺作戦を描いた映画)
・『抗拒:ユ・グァンスン物語』(独立運動家ユ・グァンスンの実話を描いた映画)
・『京城クリーチャー』(1945年の京城を舞台にしたパク・ソジュン主演作)
・『剣の詩(つるぎのうた)』(間島を舞台にしたアクション活劇)

動画には、イ・ビョンホン(이병헌)やキム・テリ(김태리)、パク・ソジュン(박서준)、ハン・ソヒ(한소희)といった、日本でもおなじみのスターたちが演じる「独立のために戦うキャラクター」が次々と登場しました。

しかし、映画ファンの目はある一点に釘付けになります。2015年の映画『暗殺』のシーンにおいて、主要キャラクターの一人を演じたチョ・ジヌンの姿が、不自然なほどに映っていなかったのです。

■ 「独立軍の象徴」と呼ばれたチョ・ジヌンの功績

なぜ、チョ・ジヌンの不在がこれほどまでに騒がれるのでしょうか。それは、彼が単に映画で独立軍を演じただけでなく、プライベートでも「愛国俳優」としてのイメージが非常に強かったからです。

チョ・ジヌンは『暗殺』で、独立軍の銃の使い手「速射砲(ソクサポ)」というキャラクターを熱演しました。この役での縁をきっかけに、彼は実在した独立運動家を育成した「新興武官学校」の記念事業会の広報大使を務めるなど、歴史を伝える活動に心血を注いできました。

さらに2021年には、カザフスタンから韓国へと遺骨が返還された伝説的な将軍、ホン・ボムド(홍범도)の遺骨奉還式の際、特使として現地へ赴くという大役まで務めています。

韓国において、歴史的な英雄を演じた俳優が、実生活でもその精神を継承するような活動を行うことは、国民から絶大な信頼と愛を得る最大の要因となります。チョ・ジヌンはまさに、その象徴のような存在でした。

■ たった一度の過ちが招いた「編集」という現実

しかし、そんな彼に転機が訪れたのは昨年12月のことでした。チョ・ジヌンは飲酒運転の疑いで摘発され、現在は芸能活動を中断して「自粛(チャスク)」の期間に入っています。

韓国における「自粛」とは、公の場から姿を消し、深く反省する姿勢を世間に示す極めて重要な期間です。特に、今回の動画のように「国民の誇り」を称える場において、社会的な物議を醸した人物が登場することは、視聴者に不快感を与えかねないと判断されたようです。

実際、動画内ではチョ・ジヌンの姿が画面の中央に来ないように巧妙に編集されていたり、集合シーンでも彼の一部が見切れるようなアングルが使われていたりと、Netflix側の苦渋の決断が見て取れました。

これに対し、韓国のネットユーザーからは「独立運動家のために尽力してきた彼だけに、今回の不在は本当に残念でならない」「自業自得だが、あんなに熱く歴史を語っていた人が飲酒運転とは、ファンとして裏切られた気持ちだ」といった、嘆きの声が多く上がっています。

■ 日本のファンにとっても他人事ではない「俳優の責任」

韓国エンタメを楽しむ私たちにとって、作品の中の英雄がプライベートの不祥事で「消されてしまう」のは、非常に寂しいことです。しかし、これが韓国という国の、エンターテインメントと道徳に対する厳しい向き合い方でもあります。

チョ・ジヌンは、その確かな演技力で数多くの名作を支えてきました。彼が演じた「速射砲」の勇姿に胸を熱くしたファンも多いはずです。だからこそ、たった一度の判断ミスが、これまでの功績さえも霞ませてしまうという現実は、非常に重い教訓を残しました。

韓国では「作品は俳優一人のものではなく、多くのスタッフと歴史への敬意で作られるもの」という意識が日本以上に強いと言えるかもしれません。

名優チョ・ジヌンが、いつか再びその圧倒的な演技で、心からの信頼を取り戻せる日は来るのでしょうか。彼の復帰を待つ声と、厳しい批判の声が交錯する中、今年の「三一節」はどこかほろ苦い余韻を残すこととなりました。

大好きな俳優が演じた「英雄」の姿を、また曇りのない気持ちで見られる日が来ることを願わずにはいられません。

皆さんは、推しの俳優が不祥事を起こしてしまった時、その出演作をこれまで通り楽しむことができますか?それとも、作品と私生活は切り離せないと感じますか?皆さんの率直な想いを、ぜひコメントで聞かせてください。

出典:http://www.celuvmedia.com/article.php?aid=1772352953515804011

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