80年代のハリウッド映画やドラマで活躍し、日本でも大ヒットした映画『ゴーストバスターズ』への出演で知られる女優のジェニファー・ラニヨン(제니퍼 러니온)さんが、がん闘病の末にこの世を去りました。享年65歳。
この悲報は、韓国の大手放送局MBCのエンタメニュース「iMBC」でも「ワールドイシュー(世界的な話題)」として大きく報じられています。なぜ、ハリウッド女優の訃報が韓国でもこれほど注目されているのでしょうか。そこには、韓国の人々が抱く「80年代ポップカルチャー」への深い愛情と、独自の「敬意を払う文化」が背景にあります。
今回は、ジェニファー・ラニヨンさんの歩んだ足跡と、遺された家族や友人の言葉、そして韓国での反応を交えてお伝えします。
■ 親友エリン・マーフィが明かした最期の時と「予感」
ジェニファーさんの訃報を最初に伝えたのは、彼女の長年の親友であり、自身も子役時代に人気ドラマ『奥さまは魔女』のタバサ役で知られた俳優のエリン・マーフィ(에린 머피)さんでした。
エリンさんは3月9日(韓国時間)、自身のSNSを通じて「私の大切な友人、ジェニファー・ラニヨン・コーマンが、がんとの闘いの末に旅立った」と発表しました。彼女の投稿には、単なる友人以上の深い絆が感じられる言葉がつづられていました。
「こういうニュースを伝えるのは本当に心が痛みます。時として、出会う前から『この人とは友達になるだろうな』と直感する人がいますが、ジェニファーがまさにそうでした。私にとって特別な存在であり、とても寂しくなります。彼女の家族と子供たちに哀悼の意を表します」
韓国のニュース記事では、こうしたSNSを通じた訃報がよく「ヨンミョン(영면)」という言葉と共に報じられます。漢字で「永眠」と書くこの言葉は、韓国では単なる「死」ではなく、苦しみから解放されて安らかに眠りにつくという、故人への最大限の敬意を込めた表現として使われます。闘病生活を送りながら最期まで気高く生きたジェニファーさんに対し、韓国のメディアもこの言葉を使って彼女の死を悼みました。
■ 『ゴーストバスターズ』から『어나더 월드』まで。彼女が遺した作品たち
1960年生まれのジェニファー・ラニヨンさんは、1980年代初頭から放送活動をスタートさせました。彼女のキャリアにおいて最も象徴的な作品の一つが、1984年の映画『ゴーストバスターズ(幽霊退治を専門とする科学者たちの活躍を描いたSFコメディ映画)』です。
この作品で彼女は、ビル・マーレイ演じるピーター・ヴェンクマン博士の超能力テストを受ける女子大生役として登場しました。わずかな出演シーンながら、その華やかな美しさと印象的な演技で、当時の観客に強いインパクトを残しました。
また、アメリカの長寿ドラマ『ア・ナザー・ワールド(어나더 월드 / NBCで40年近く放送された国民的ソープオペラ)』にも出演。韓国では、こうしたアメリカの長寿ドラマを「国民的ドラマ」と呼び、出演俳優を「実力派」として非常に高く評価する傾向があります。
韓国のエンタメファンにとって、1980年代のハリウッド映画は「今のK-カルチャーの礎となった憧れの対象」でもあります。今のBTSやポン・ジュノ監督作品が世界を席巻するずっと前、韓国の若者たちはハリウッドスターの姿を見て夢を膨らませていました。そのため、当時のスターの訃報は、日本と同様に「一つの時代が終わった」という切なさを伴って受け止められているのです。
■ 娘ベイリー・コーマンへ引き継がれた「俳優の魂」
ジェニファーさんの逝去にあたり、もう一つ注目を集めているのが、彼女の娘であるベイリー・コーマン(베일리 코먼)さんの存在です。
ベイリーさんもまた、母親の背中を追って俳優として活躍しています。彼女は、Netflixで配信され日本でも人気の『サブリーナ: ダーク・アドベンチャー(魔法使いの少女を主人公にしたダークファンタジー)』や、人気ドラマ『9-1-1(ロサンゼルスの救急救命最前線を描くドラマ)』に出演しており、現在の海外ドラマファンにはお馴染みの顔です。
母を亡くした悲しみの中、ベイリーさんは次のようなメッセージを遺しています。
「私の持つすべての長所は、母からもらったものです。たった一日だけでいいから、また一緒に過ごせるなら、私は何だって差し出します」
この言葉は、韓国の読者の間でも「親孝行の心(ヒョド / 효도)」を重んじる儒教的な価値観と相まって、大きな感動と涙を誘いました。韓国では、芸能人が親の七光りではなく、実力で道を切り開きながらも家族の絆を大切にする姿が非常に好まれます。ジェニファーさんが遺した最大のレガシー(遺産)は、彼女の作品だけでなく、同じ道を進む娘の中に息づいているのかもしれません。
■ おわりに:世界中のファンが共鳴する「スターへの愛」
ジェニファー・ラニヨンさんの逝去は、アメリカだけでなく韓国、そして日本と、国境を越えて多くの人々に悲しみを与えました。彼女がスクリーンの中で見せた輝きは、時を経ても色あせることはありません。
韓国のニュースサイトのコメント欄には、彼女の冥福を祈る書き込みと共に「あの頃の映画は最高だった」「彼女の笑顔を忘れない」といった声が寄せられています。SNSを通じてスターとファン、あるいはスター同士が繋がり、悲しみを共有する光景は、現代のファン文化(ペンカフェ文化など)を象徴するものでもありますね。
改めて、ジェニファー・ラニヨンさんのご冥福を心よりお祈りいたします。
皆さんは『ゴーストバスターズ』をはじめ、80年代の映画で特に記憶に残っているスターや作品はありますか?当時の思い出や、ジェニファーさんへの追悼の気持ちを、ぜひコメント欄で教えてください。
出典:http://enews.imbc.com/News/RetrieveNewsInfo/497248
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