世界中のエンターテインメントが集まる街、ニューヨーク。韓国でも日本でも、ミュージカルは非常に人気のあるジャンルですが、やはり「いつかは本場ブロードウェイで!」と夢見るファンも多いのではないでしょうか。特に最近の韓国では、アイドルのミュージカル進出も目覚ましく、舞台を観るために海外遠征をするファンも増えています。
今回は、ニューヨークを訪れたシン・ジンホ(신진호)記者が、バケットリスト(死ぬまでにしたいことリスト)の筆頭に挙げられる伝説のミュージカル「ハミルトン」と、名門メトロポリタン・オペラの体験記を伝えてくれました。本場ならではの熱気と、日本や韓国とは少し違う観劇文化の裏側を覗いてみましょう。
■ 全米で社会現象に!「ハミルトン」を100倍楽しむための事前準備
ブロードウェイで今、最もチケットが取りにくいと言われる作品の一つが「ハミルトン(Hamilton)」です。アメリカ建国の父の一人、アレクサンダー・ハミルトンの波瀾万丈な生涯を描いた作品ですが、驚くのはそのスタイル。全編がヒップホップ、ラップ、R&Bといった現代的な音楽で構成されているのです。
シン・ジンホ記者は、この作品を「直観(生で観ること)」するために、並々ならぬ準備をしたといいます。なぜなら、全編英語の速射砲のようなラップを理解するのは、ネイティブでも至難の業だからです。
「事前準備なしで行けば、高いお金を払って数時間『黙祷(居眠り)』してくることになりかねない」とシン・ジンホ記者は語ります。彼は事前にあらすじや歌詞を読み込み、YouTubeで名曲「アレクサンダー・ハミルトン(Alexander Hamilton)」を何度も聴き込んだそうです。
実はこの作品、2009年にホワイトハウスで行われたイベントで、脚本・音楽・主演を務めたリン・マニュエル・ミランダが、当時のバラク・オバマ大統領夫妻の前で披露した数分間のパフォーマンスから始まりました。そこから世界的なシンドロームを巻き起こし、ハミルトンの肖像画が描かれた10ドル紙幣のデザイン変更(女性への変更案)が、ミュージカル人気のおかげで白紙撤回されたという驚きのエピソードまであります。まさに、エンタメの力が国を動かした瞬間です。
■ 劇場まるごと「ハミルトン」の世界!名物カクテルと100年の歴史
「ハミルトン」が上演されているのは、100年の歴史を誇るリチャード・ロジャース劇場(ニューヨーク・ブロードウェイにある名門劇場、座席数約1300席)です。この劇場は、名作「野郎どもと女たち(Guys and Dolls)」など11作品ものトニー賞最優秀ミュージカル賞受賞作を輩出してきた「ミュージカルの名店」として知られています。
劇場に入ると、まず目につくのがバーカウンターです。ここでは、登場人物にちなんだ「シグネチャー・カクテル」が販売されています。面白いのは、劇場の座席まで持ち込めるように蓋がついているのですが、そこには作品のテーマでもある名セリフ「I am not throwing away my shot(俺はこのチャンスを逃さない)」という言葉が印字されているのです。
シン・ジンホ記者が感心したのは、劇場の設計です。1925年開館と古い建物ながら、「スタジアム・シーティング」という、どの席からも舞台がよく見える民主的な座席配置がブロードウェイで初めて導入された場所でもあります。3階席の端であっても、演者の熱量がダイレクトに伝わってくる構造は、観客への愛を感じさせます。
■ 「死体観劇」はもう古い?韓国とアメリカの観劇マナーの違い
今回のレポートで特に興味深いのが、日韓とアメリカの「観劇文化」の違いです。
韓国のミュージカルファンの間には、「シチェ・グァングク(시체관극/死体観劇)」という言葉があります。これは「死体のように一言も発さず、身じろぎもせず静かに鑑賞する」という、非常に厳しい観劇マナーを指す造語です。日本でも劇場でのマナーは重んじられますが、韓国の熱狂的なファンの間では「呼吸の音さえ気を使う」と言われるほど徹底されています。
しかし、ブロードウェイの雰囲気は真逆でした。「ハミルトン」の客席では、お気に入りの曲がかかると俳優と一緒に口ずさんだり、体を揺らしてリズムに乗ったりと、観客が自由に喜びを表現していたそうです。
シン・ジンホ記者は、「俳優の演技を邪魔しないようにと静かに観る韓国の文化も尊重したいが、たまにはこうして体全体で楽しむスタイルに変わってもいいのではないか」と、本場の自由な空気感に感動した様子でした。
また、今回はミュージカルだけでなく、メトロポリタン・オペラの「魔笛(The Magic Flute)」も鑑賞。こちらは毎年、年末シーズンに家族向けに英語で上演される特別バージョンで、90〜110分に短縮されているため、オペラ初心者でも楽しみやすい工夫がなされています。
韓国でも日本でも、最近は大型ミュージカルの来日・来韓公演が増えていますが、やはりその土地の歴史や空気感と一緒に味わう「本場の舞台」は格別なもの。皆さんも次の旅行では、お気に入りの作品を「本場」で観るという夢を叶えてみませんか?
一生に一度は体験したいブロードウェイの熱狂。あなたがいつか「本場で観てみたい!」と思っている憧れの作品や、これまでで一番感動した舞台は何ですか?ぜひコメントで教えてくださいね!
出典:https://www.bigtanews.co.kr/article/view/big202603160019
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