BLACKPINKジスの演技力論争に終止符?世界が絶賛する努力の天才が韓国メディアの偏見に立ち向かう理由

世界的なトップアイコンとして君臨するBLACKPINK(ブラックピンク)のメンバー、ジス(지수)。彼女が今、韓国国内で再び「演技力」を巡る熱い議論の渦中にあります。

事の発端は、彼女の最新主演作であるNetflix(ネットフリックス)オリジナルシリーズ『月間彼氏(マンスリー・ボーイフレンド)』の公開でした。グローバルチャートでトップ10入りを果たし、海外メディアからは絶賛の嵐が巻き起こっている一方で、韓国の一部メディアからは相変わらず「大根役者」を意味する「足演技(パルヨンギ)」というレッテルを貼られたままなのです。

なぜ、世界が認める彼女の魅力が、本国韓国ではこれほどまでに厳しく評価されてしまうのでしょうか?今回は、韓国芸能界特有の「アイドルの壁」と、ジスが歩んできた努力の軌跡について深掘りします。

■ 執拗に続く「足演技」というレッテルとの戦い

韓国には「足演技(パルヨンギ)」という独特の言葉があります。これは「手ではなく足で演技をしているのか」と皮肉る言葉で、演技が下手な俳優を揶揄する際に使われます。ジスは2016年のデビュー以来、圧倒的なビジュアルとパフォーマンスで世界を虜にしてきましたが、俳優としてのキャリアを本格化させた2021年のドラマ『スノードロップ(1980年代のソウルを舞台にした切ないラブストーリー)』以降、常にこの言葉に悩まされてきました。

韓国のネット社会やメディアは、アイドルの俳優進出に対して非常に厳しい目を持っています。日本では人気アイドルがドラマの主演を務めるのはごく自然な光景ですが、韓国では「準備のできていないアイドルが、知名度だけで実力派俳優の座を奪っている」という保守的な批判が根強く残っているのです。

ジスはこれまで、『スノードロップ』から始まり、映画『ニュートピア』、さらには人気ウェブ小説を原作とした映画『全知的読者視点(滅亡した世界で生き残る物語)』、そして最新作の『月間彼氏』まで、着実にキャリアを積んできました。俳優歴も6年を数えます。しかし、一部の韓国メディアは彼女の成長に目を向けるのではなく、「アイドル出身」というフレームで、重箱の隅をつつくような批判を繰り返しているのが現状です。

■ 冷徹なNetflixが「ジス」を選んだ本当の理由

一方で、視点をグローバルに向けると全く異なる景色が見えてきます。今回、ジスを主演に迎えたNetflixは、感情や好みではなく「徹底したデータと収益性」でコンテンツ制作を判断する企業として知られています。多額の予算を投じるオリジナルシリーズの顔としてジスを選んだのは、彼女にそれだけの価値と「数字」を動かす力、そして作品を完走させる魅力があると判断したからです。

実際に『月間彼氏』が公開されると、海外メディアの反応は驚くほど好意的でした。アメリカのタイム(Time)誌は「ジスは自身のキャラクターを完璧に消化し、ロマンスジャンルの魅力を最大限に引き出した」と評価し、ニューヨーク・ポスト傘下のレビューサイト「ディサイダー」も「彼女の魅力が他の韓国ラブコメとの差別化を生んでいる。彼女はこのショーの中心だ」と手放しで称賛しています。

ここにあるのは、「アイドルだから」という先入観を排除した、純粋なエンターテインメントとしての評価です。韓国国内では「努力も才能もない」と叩かれる一方で、世界は彼女の「唯一無二の存在感」に熱狂している。この温度差こそが、現在の韓国エンタメ界が抱える「アイドルの俳優活動に対する偏見」を浮き彫りにしています。

■ 才能よりも尊い「努力という才能」

『月間彼氏』を演出したキム・ジョンシク(김정식)監督は、制作発表会でジスについて非常に興味深い言葉を残しています。

「彼女は本当に多くの努力を重ねた。さまざまな設定やキャラクターを見事に消化してくれたと思う。才能が努力に勝ることもあるが、今回は努力が才能に勝ったと言えるだろう」

韓国には「褒め言葉はクジラも踊らせる」ということわざがあります。誰にでも最初はあり、不足している部分があるのは当然です。しかし、そこから逃げずに努力を続け、結果を出している俳優に対して、執拗に過去のイメージを押し付け、冷笑するのは健全な批評とは言えません。

ジスは1995年生まれ。まだ30代に入ったばかりの、俳優としてはこれからが本番の時期です。同じアイドル出身でも、イム・シワン(ZE:A出身、ドラマ『ミセン』などで活躍)やド・ギョンス(EXOのD.O.、映画『神と共に』などで活躍)のように、長年の活動を経てようやく「本物の俳優」として認められた例はたくさんあります。

「上手だったら褒め、足りなければ励ます」

そんな当たり前の温かさが、今の韓国メディアには必要なのではないでしょうか。盲目的な批判の楽しみを一度脇に置き、一人の俳優が成長していく時間を少しだけ見守ってあげる。それが、私たちが大好きな韓国コンテンツをより豊かにしていく道なのかもしれません。

ちなみに、今回のコラムを書いたハン・ジョングン(한정근)氏は、自身がロゼ(로제)のファンであることを明かしつつも、「一人の表現者としてのジス」への敬意を込めて筆を執っています。

皆さんは、ジスがこれまで見せてきた演技の中で、どのシーンが一番心に残っていますか?また、厳しい

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