ブルダックからKビューティーまで世界が熱狂!Kブランド爆発的成長の裏に潜む偽物との戦いとは?

いま、世界中で「韓国」というキーワードが、単なるコンテンツの枠を超えて巨大な経済圏を作り出しています。かつてはK-POPや韓国ドラマを「見て楽しむ」ことが中心だった韓流ファンたちが、今ではドラマの主人公が食べていたラーメンを買い、アイドルが愛用する化粧品を揃えるという「ライフスタイルそのものを消費する」段階へと進化しているのです。

今回は、2024年から2026年にかけて急加速した「Kブランド」の熱狂的な現状と、その影で深刻化する課題について、最新のレポートを紐解きながら解説します。

■ カーディ・Bも夢中!SNSから火がついたKフードとKビューティーの快進撃

Kブランドの勢いを象徴する出来事といえば、2024年にアメリカのポップスター、カーディ・B(Cardi B)がTikTokに投稿した動画が挙げられます。彼女がサムヤン(三養)食品の「ブルダック炒め麺(불닭볶음면)」を食べる様子を公開したところ、わずか数日で再生回数は3,800万回を突破。この影響でサムヤン食品の株価は一気に跳ね上がりました。

また、Amazonのプライムデーでは、韓国のスキンケアブランド「アヌア(Anua)」の売上が前日比537%増という驚異的な数字を記録しました。日本でも「ドクダミトナー」などで有名なアヌアですが、その人気は今や北米やヨーロッパにまで広がっています。

TikTokとカンター(Kantar/世界最大級のマーケティングリサーチ企業)が発表した白書によると、2024年の韓流関連の全世界支出規模は760億ドル(約11兆円)に達しました。さらに2030年には1,430億ドル(約21兆円)を超えると予測されています。

この背景にあるのが、韓国ドラマやK-POPによる「後光効果(ハロー効果)」です。東南アジアの消費者の92%が「ドラマや音楽がきっかけで韓国製品に興味を持った」と回答しており、コンテンツが強力な広告塔として機能していることがわかります。

■ 急増する「偽物」と「商標ブローカー」の影

しかし、光が強ければ影も濃くなるものです。Kブランドが世界で愛されるほど、その人気に便乗した「コピー商品(偽物)」や「知的財産の侵害」が深刻な問題となっています。

韓国関税庁が発表したデータによると、2025年の一年間で摘発されたKブランドの偽造品は、なんと約11万7,000点。その発送元の97.7%が中国でした。
特に被害が多いのが、以下のジャンルです。

1. 化粧品(36%):
「雪花秀(ソルファス/설화수)」や「チョソンミニョ(朝鮮美女/조선미녀)」といったプレミアムブランドから、「マニョコンジャン(魔女工場/마녀공장)」のようなコスパの良いブランドまで、幅広く狙われています。

2. ファッション・玩具(33%):
日本でも人気の「マタンキム(Matin Kim/마탱킴)」といったアパレルブランドや、BTS(방탄소년단)(防弾少年団)の公式グッズ、さらにはサムスン電子のSDカードまで、その範囲は産業全般に及んでいます。

さらに厄介なのが「商標ブローカー」の存在です。これは、韓国企業が海外に進出する前に、そのブランド名を勝手に先回りして登録してしまう業者のこと。いざ本物のブランドがその国で展開しようとすると、「商標権を侵害している」と訴えたり、多額のロイヤリティを要求したりする悪質な手口です。2024年には、このような無断先取りの疑いがある出願件数が、前年比で約90%も急増しました。

「化粧品の偽物は、単なる権利の侵害だけでなく、消費者の健康や安全に直結する」と専門家も警鐘を鳴らしています。肌に直接塗るものだからこそ、成分が不明なコピー商品は非常に危険なのです。

■ AIが変えるブランドの未来:守る力と攻める力

こうした問題に立ち向かうため、最新テクノロジーであるAI(人工知能)の活用も始まっています。

例えば、韓国のスキンケアブランド「SKIN1004(スキン1004/스킨천사)」は、AIを使ったインフルエンサーマーケティングを導入し、効率的に本物の情報を拡散しています。また、AIとブロックチェーンを組み合わせて、パッケージが本物かどうかを瞬時に見分ける偽造検知ソリューションも実用化されつつあります。

一方で、生成AIがブランドのロゴを精巧にコピーしたり、デザインを模倣したりするために悪用されるという新たな脅威も生まれています。これからは「AIを使ってどうブランドを守るか」という法的な議論もますます重要になっていくでしょう。

■ 韓流ファンとして、私たちができること

いまやKブランドは、私たちファンの生活を豊かにしてくれる欠かせない存在です。お気に入りのドラマで見たあのリップや、推しがYouTubeで食べていたあのラーメン……。それらを安心して楽しみ続けるためには、ブランド側が知的財産を守る努力をすると同時に、私たち消費者も「公式ルートで正しく購入する」という意識を持つことが大切なのかもしれません。

「キム・ジョンミョン(김종면)のブランド・インサイト」では、今後もKビューティー、Kファッション、Kフードなどのグローバルな現状を深掘りしていく予定です。

皆さんは、最近新しく使い始めたKブランドや、お気に入りの「推しアイテム」はありますか?また、ネット通販などで「これって本物かな?」と不安になった経験はありませんか?ぜひ、あなたのエピソードやおすすめをコメントで教えてくださいね!

出典:https://www.etnews.com/20260312000129

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