韓国ドラマ界で今、ある「異変」が起きています。それは、韓国国内でのテレビ視聴率がわずか1%台という、一見すると「苦戦」しているように見える作品が、海外の配信プラットフォームでは軒並み1位を記録するという現象です。
かつては「視聴率20%超え」がヒットの絶対条件だった韓流ドラマ。しかし、いまやその評価軸は大きく変わりつつあります。なぜ、韓国で数字が伸び悩む作品が、世界中のファンを虜にしているのでしょうか?最新の注目作とともに、その背景を探ってみましょう。
■「本放死守」から「OTT」へ。若者のテレビ離れがもたらす1%の真実
まず注目したいのが、現在tvNで放送中のドラマ「宇宙をあげる(우주를 줄게)」です。本作は、ひょんなことから20ヶ月の甥っ子「ウジュ(宇宙)」を一緒に育てることになった男女の同居生活を描くロマンチックコメディ。
主演を務めるのは、10代・20代から絶大な支持を得ているペ・インヒョク(배인혁)とノ・ジョンウィ(노정의)です。しかし、韓国国内での視聴率は1%台にとどまっています。その大きな理由は、韓国の視聴スタイルの変化にあります。
韓国には「本放死守(ポンバンサス)」という言葉があります。これは「本放送を死守する(リアルタイムで見る)」という意味ですが、最近の若い世代はテレビの前に座るよりも、スマホやタブレットを使い、好きな時間にOTT(動画配信サービス)で楽しむのが主流。特に「宇宙をあげる」が放送されている水木ドラマ枠は、tvNが約3年ぶりに復活させた枠ということもあり、まだ視聴習慣が定着していないという背景もあります。
しかし、一歩海外へ目を向けると景色は一変します。アメリカ、ブラジル、フランス、インド、アラブ首長国連邦など、世界142カ国で視聴者数1位を記録。楽天Viki(世界中のファンがボランティアで字幕を付けることもあるグローバル配信サイト)では10点満点中9.7点という驚異的な評価を得ているのです。日本でもU-NEXT(国内最大級の動画配信サービス)の韓流・アジアランキングで2位に食い込むなど、まさに「世界基準のヒット作」となっています。
■大人の色気と切なさが刺さる!海外で爆発した「ベテランの底力」
次に挙げるのは、先日最終回を迎えたばかりの「ベイビーができました(아기가 생겼어요)」。結婚に興味のなかった男女が一夜の過ちから親になるという王道のラブコメですが、こちらも韓国国内では0.9%という厳しい数字を記録したこともありました。
しかし、主演のオ・ヨンソ(오연서)とチェ・ジニョク(최진혁)のケミストリー(俳優同士の相性)は、海外ファンの心を掴んで離しませんでした。楽天Vikiでは配信2週目で欧米や東南アジアなど多くの地域で1位を獲得。さらに、日本のU-NEXTでは4週連続で視聴ランキング1位を独走するという快挙を成し遂げました。
なぜ、これほどまでに海外で受けるのでしょうか?その理由は「Kロマンス」特有の繊細な描写にあると言われています。欧米のロマンス作品が直球で過激な展開を好むのに対し、韓国のドラマは視線の交わし方や指先の動き、ゆっくりと積み上げられる感情の起伏を丁寧に描きます。この「もどかしさ」や「ときめき」が、文化を超えて共感を呼んでいるのです。
■アン・ボヒョンの肉体美だけじゃない!「スプリング・フィーバー」の勢い
さらに、アン・ボヒョン(안보현)とイ・ジュビン(이주빈)が主演した「スプリング・フィーバー(스프링 피버)」も、韓国では5%前後の視聴率でしたが、海外では「大化け」した一作です。
Amazonプライム・ビデオ(世界展開する大手配信サービス)のTV番組部門で5週連続トップ10入りを果たし、イギリスやアメリカを含む累計50カ国で上位にランクイン。特に東南アジア諸国では、公開期間中ずっと1位を独占するほどの熱狂ぶりを見せました。アン・ボヒョンの骨太な魅力とイ・ジュビンの透明感あふれるビジュアルが、配信というツールを通じて瞬時に世界中へ拡散された結果と言えるでしょう。
■「隠れた名作」を見つける楽しみが今の韓流スタイル
このように、今の韓国エンタメ界では「国内視聴率=作品の価値」という図式は完全に崩れています。むしろ、配信サイトのランキングやSNSでの話題性こそが、真のヒットを示す指標となっているのです。
韓国のファンも最近では「シチョンニュル(視聴率)」の結果を気にするより、「OTTでどれだけ話題になっているか」を重視する傾向にあります。日本に住む私たちにとっても、リアルタイムの数字に惑わされず、自分の感性で「隠れた名作」を発掘できる、非常に贅沢な時代になったと言えるのではないでしょうか。
さて、今回ご紹介した3作品の中に、皆さんが気になっていた作品や、すでに完走したドラマはありますか?「韓国では数字が低かったけど、私はこれが大好き!」というあなたの「推し隠れ名作」があれば、ぜひコメントで教えてくださいね!
出典:https://www.sportsworldi.com/newsView/20260310508219





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