映画を観るために仁川から汝矣島へ?韓国でスラムダンクブームが再燃し続ける深い理由と応援上映の熱狂

日本の名作漫画を原作としたアニメーション映画『THE FIRST SLAM DUNK(ザ・ファーストスラムダンク)』。日本でも社会現象を巻き起こしましたが、実はお隣・韓国での熱狂ぶりは、公開から時間が経った今でも驚くべきレベルで続いています。

最近、韓国のネットコミュニティやSNSで話題になったのが、「映画を観るためにわざわざ仁川(インチョン)から汝矣島(ヨイド)まで行く」というファンの行動です。仁川からソウルの汝矣島までは、移動に往復3時間近くかかることも珍しくありません。「近所の映画館でいいのでは?」と思ってしまいそうですが、そこには韓国独自の熱いファン文化と、映画の楽しみ方の変化が隠されていました。

■ 声出し・ペンライトOK!「応援上映」というライブ空間

なぜ、わざわざ遠くの映画館を目指すのか。その最大の理由は「応援上映(응원 상영/ウンウォン サンヨン)」にあります。

韓国では今、映画を静かに鑑賞するだけでなく、コンサート会場のように声を出し、ペンライトを振りながら楽しむ「応援上映」が大ブームです。特に『スラムダンク』はその傾向が強く、劇中の試合展開に合わせて「行け!」「ディフェンス!」と叫んだり、お気に入りのキャラクターが登場するたびに歓声が上がったりします。

ここで少し韓国の文化的な背景を補足すると、韓国には「N次観覧(N차 관람/エンチャ クァンラム)」という言葉があります。これは、気に入った作品を2回、3回と繰り返し観る「リピーター文化」のことです。

韓国のファンは、単にストーリーを確認するためではなく、「その場にいるファン同士で熱狂を共有すること」に価値を置きます。この感覚は、K-POPアイドルのコンサートで「スローガン」を掲げたり、ファンが一体となってコールを送ったりする文化に近いものがあります。映画館がもはや「鑑賞の場」ではなく、一種の「祭りの会場」へと進化しているのです。

■ なぜ「汝矣島(ヨイド)」なのか? プレミアムな体験を求める心理

今回のニュースで目的地となった汝矣島(ソウルの中心部に位置する政治・金融の拠点)には、巨大ショッピングモール「ザ・現代ソウル(2021年にオープンした韓国最大級のデパート)」や、最新設備を誇るシネマコンプレックス「CGV汝矣島」があります。

韓国のファンにとって、遠出をしてまで特定の映画館へ行くのは、そこが「聖地」化しているからです。汝矣島の映画館は音響設備や座席の質が非常に高く、作品の世界に没入できる「プレミアムな体験」を提供しています。また、汝矣島エリアでは期間限定のポップアップストアが開催されることも多く、映画を観る前後に限定グッズを買い、おしゃれなカフェで「戦利品」の写真を撮ってSNSにアップする――ここまでが韓国のファンにとっての「1日のセットメニュー」なのです。

■ 3040世代のノスタルジーと、1020世代の「推し活」が融合

韓国で『スラムダンク』がここまで愛されているのには、世代を超えた連帯もあります。

原作をリアルタイムで読んでいた30代から40代(韓国では3040世代と呼ばれます)にとっては、青春時代のバイブルとしてのノスタルジーがあります。一方で、10代や20代(1020世代)にとっては、魅力的なキャラクターたちが繰り広げるドラマが、まるで現代のアイドルの「推し活」のように映っています。

実際に映画館に足を運ぶと、当時の単行本を大事に持ってきたお父さん世代と、手作りの応援うちわを持った女子高生が隣同士で熱狂している姿を目にすることができます。儒教的価値観が根強く、年齢による上下関係が厳しい韓国社会において、このように「好きなもの」を通じて世代がフラットに繋がる現象は、非常にポジティブな変化として捉えられています。

映画という枠を超えて、一つの「文化」として定着した韓国のスラムダンク熱。仁川から汝矣島への長旅は、単なる移動ではなく、同じ熱量を持つ仲間たちに会いに行く「巡礼」のようなものなのかもしれません。

日本で生まれた作品が、韓国でこれほどまでに情熱的に受け入れられ、独自の進化を遂げているのは、ファンとしてとても嬉しいことですよね。皆さんは、お気に入りの映画を「応援上映」で楽しんだ経験はありますか? もし韓国の映画館で一緒に叫べるとしたら、どのシーンで声を上げたいですか? ぜひコメントで教えてください!

出典:https://www.ohmynews.com/NWS_Web/View/at_pg.aspx?CNTN_CD=A0003212984&CMPT_CD=P0010&utm_source=naver&utm_medium=newsearch&utm_campaign=naver_news

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