「歩く興行メーカー」の異名を持ち、韓国映画界に欠かせないトップ俳優、ハ・ジョンウ(하정우)が、ついにテレビドラマの世界に戻ってきました。
2026年3月9日、ソウル市内で行われたtvN(韓国の人気ケーブルテレビ局)の新土日ドラマ『大韓民国でビルオーナーになる方法(原題)』の制作発表会。そこには、主演のハ・ジョンウをはじめ、イム・スジョン(임수정)、キム・ジュンハン(김준한)、チョン・スジョン(정수정/クリスタル)、シム・ウンギョン(심은경)といった、映画祭のレッドカーペットさながらの豪華キャストが顔を揃えました。
今回のニュースの最大のトピックは、何と言ってもハ・ジョンウの「19年ぶり」となるテレビドラマ復帰です。2022年に大ヒットしたNetflixシリーズ『シリナム(邦題:ナルコの神)』などの配信作品はありましたが、いわゆる放送局の「お茶の間ドラマ」に出演するのは、2007年の主演作『ヒット(H.I.T.)』以来となります。
なぜ今、彼はドラマを選んだのか。そして、韓国社会を映し出す「不動産」という刺激的なテーマにどう向き合ったのか。ファンならずとも気になるその裏側を詳しくお伝えします。
■「神よりビルオーナー」…韓国の過酷な不動産事情をエンタメに昇華
本作『大韓民国でビルオーナーになる方法』は、借金に追われる生計型ビルオーナーが、家族とビルを守るために「偽装誘拐事件」に加担してしまうという、予測不能なサスペンスドラマです。
ここで日本人ファンの方が少し不思議に思うかもしれないのが、「ビルオーナーなのに借金に苦しんでいる」という設定です。実はここには、韓国特有の社会背景が深く関わっています。
韓国では「造物主(神)の上に建物主(ビルオーナー)あり」という言葉があるほど、不動産投資で家賃収入を得ることが人生のゴール、究極のステータスとされています。しかし、近年は金利の上昇により、無理なローンを組んでビルを買った人々が、家賃収入よりも利息の支払いに追われる「負債まみれのオーナー」になるケースが社会問題となっているのです。
劇中でハ・ジョンウが演じるキ・スジョンは、まさにその象徴。彼は「ヨンクル(영끌/魂までかき集めて借金をするという意味の造語)」で手に入れたビルのローンを返すため、あらゆるアルバイトに奔走する、どこか情けなくも必死な男を演じます。
ハ・ジョンウは自身の役について、「ドラマの間中、ひたすら苦労し、代償を払い続ける人物です。漠然とした希望で一攫千金を狙えば、必ず大きな代償を払うことになる。それがこの作品の核心的なメッセージです」と語りました。
■実生活でもビルオーナーのハ・ジョンウ「バラ色の人生ではない」
驚くべきは、ハ・ジョンウ本人の率直な告白です。韓国芸能界でも有名な「ビルオーナー」である彼は、今回の役を演じるにあたって、自分自身の経験が深く投影されたと明かしました。
「私自身も実際にビルを所有していますが、経済的に完璧な支えになったり、バラ色の人生が約束されたりするわけではないということを、早い段階で悟りました」
彼によれば、かつて不動産の知識が乏しかった頃に苦労した経験があったからこそ、主人公スジョンの切実な心境に誰よりも共感できたといいます。韓国のトップスターが、自身の資産状況や過去の失敗をこれほどオープンに語るのは異例のこと。それほどまでに、この作品が描く「不動産のリアル」が切実だったということでしょう。
また、本作には日本でもお馴染みの豪華キャストが彩りを添えます。
スジョンの妻で、一家を支えるたくましい女性を演じるのは、名女優イム・スジョン(임수정)。「これまで演じたことのないような、生活力あふれるキャラクターです。ハ・ジョンウ先輩との夫婦の相性は、笑いが絶えないほど完璧でした」と自信を覗かせました。
さらに、日本映画『新聞記者』で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞したシム・ウンギョン(심은경)が、グローバル投資会社の冷酷なヴィラン(悪役)として登場する点も見逃せません。彼女が「欲望が表に現れることで生まれる、おかしくも悲しい(笑えるけれど泣ける)状況を楽しんでほしい」と語る通り、単なる重厚なサスペンスにとどまらない「ブラックコメディ」としての側面も期待されます。
■「ビルを買いたい人への参考書」俳優陣が自信を持つクオリティ
制作発表会の締めくくりに、ハ・ジョンウは茶目っ気たっぷりにこうアドバイスを残しました。
「まともな会社を辞めて、2億ウォン(約2,200万円)で20億ウォン(約2億2,000万円)のビルを買ったら、どんなに恐ろしいことが起きるか、ぜひ目撃してください。ビルオーナーを夢見ている方には、最高の参考書になるドラマです」
韓国における「ビル(コマビル/小規模な商業ビル)」への執着は、日本人の想像を超えるものがあります。そんな独特の文化を背景にしながらも、家族を守るために極限状態に追い込まれる人間の姿を描く本作は、私たち日本人の心にも深く響くはずです。
映画のような緊張感と、現実を鋭く突き刺すユーモア。ハ・ジョンウが19年という歳月を経て選んだ「テレビドラマ」という舞台で、どんな伝説を再び作ってくれるのでしょうか。
ドラマ『大韓民国でビルオーナーになる方法』は、3月14日午後9時10分より、tvNで放送がスタートします。日本での配信も待ち遠しいですね!
実生活でもオーナーであるハ・ジョンウが演じる「借金まみれのオーナー」という皮肉な設定、皆さんはどう感じましたか?ハ・ジョンウの久しぶりのお茶の間復帰、期待しているポイントをぜひコメントで教えてください!
出典:http://www.starnewsk.com/news/articleView.html?idxno=53719
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