韓国コンテンツといえば、1話が1時間を超える重厚なストーリー展開が魅力ですが、今その常識が大きく変わろうとしています。現在、韓国で爆発的なトレンドとなっているのが、1話わずか1分から5分、長くても10分程度で完結する「ショートフォームドラマ」です。
かつては「ウェブドラマ」と呼ばれ、若手俳優の登竜門的な位置づけだった短尺コンテンツですが、最近では映画界の巨匠やトップアイドル、さらには地方自治体までがこぞって参入し、空前の盛り上がりを見せています。今回は、なぜ今ショートフォームドラマが熱いのか、その背景と最新の動向を詳しくお届けします。
■「エクストリーム・ジョブ」監督も参戦!超豪華な顔ぶれが続々
このブームを象徴するのが、制作陣の豪華さです。
最近ローンチされたショートフォームドラマ専門プラットフォーム「レジンスナック」では、日本でも大ヒットした映画『エクストリーム・ジョブ(揚げるだけで一躍有名になったフライドチキン店が舞台のコメディ映画)』や、ドラマ『恋愛体質〜30歳になれば大丈夫(30代女性の日常をリアルに描いたラブコメディ)』で知られるイ・ビョンホン(이병헌)監督が演出を手掛けた『子供の父親は男友達(原題)』を公開しました。
イ・ビョンホン監督特有のテンポの良いセリフ回しと、ウィットに富んだ演出がショートフォームの形式に見事にハマり、公開直後にプラットフォーム内で視聴ランキング1位を記録。ショートフォーム=安価なコンテンツ、というイメージを根底から覆しました。
さらに、映画『王の男(李氏朝鮮時代の芸人を描いた歴史大作)』の名匠イ・ジュニク(이준익)監督も、ウェブ漫画を原作としたショートドラマ『父の手料理(原題)』の制作に参加しています。この作品には、チョン・ジニョン(정진영)、イ・ジョンウン(이정은)、ピョン・ヨハン(변요한)といった、映画界やドラマ界で主役を張る「演技派」のベテランたちが集結していることでも話題を呼んでいます。
アイドルファンも見逃せません。人気ボーイズグループNCT(エヌシーティー:多国籍なメンバーで構成されるSMエンターテインメント所属の次世代アイドルグループ)のメンバー、ジェノ(제노)とジェミン(재민)が主演を務めたショートドラマ『ワインドアップ(原題)』は、公開からわずか2日で再生回数300万回を突破。このほかにも、イ・サンヨプ(이상엽)やパク・ハンビョル(박한별)といった知名度の高い俳優たちの出演作が続々と制作されています。
■タイパ重視の「スナックカルチャー」が後押し
なぜこれほどまでにショートドラマが急成長しているのでしょうか。そこには、韓国で「スナックカルチャー(お菓子を食べるように短時間でコンテンツを楽しむ文化)」が完全に定着したことがあります。
韓国コンテンツ振興院の調査によると、回答者の約6割がショートフォームを利用しており、その理由の76%が「短くて負担がないから」と回答しています。倍速視聴やスキップ視聴が当たり前になった現代の視聴者にとって、数分で起承転結が楽しめるショートドラマは、移動中や休憩時間にぴったりのエンターテインメントなのです。
また、制作側のメリットも無視できません。
従来のドラマが1話あたり数十億ウォン(数億円)の制作費と1年以上の期間を要するのに対し、ショートドラマは数千万ウォン(数百万円)程度の予算で、わずか2〜3ヶ月で完成させることができます。この「低コスト・高効率」な構造が、多様なジャンルへの挑戦を可能にしています。
■聖地巡礼もショート動画で!大邱(テグ)の観光広報にも活用
このトレンドはエンタメ業界に留まらず、地方自治体の観光PRにも波及しています。
韓国の広域市の一つである大邱(テグ:韓国第4の都市で、美味しいグルメやカフェ文化が盛んな街)広域市は、人気YouTubeチャンネル「FLIMING(フルリミング)」とコラボし、市内の観光地を舞台にしたショートドラマを制作しました。
ドラマ内では、活気あふれる「西門市場(ソムンシジャン:大邱最大の伝統市場)」や、夜景が美しい「寿城池(スソンモッ:市民の憩いの場となっている大きな池)」、さらにはアトラクションが人気の「イーワールド(大邱にある大規模なテーマパーク)」などが物語の舞台として自然に登場します。
大学生の恋愛模様を描いたこのドラマは、公開1週間で15万回再生を記録。若者たちに「ここに行ってみたい!」と思わせる新しい形の観光ガイドとして注目を集めています。さらに大邱市南区では、中国のメディアグループと協約を結び、大邱のシンボルである「前山(アプサン:市街地を一望できる山)」を背景にしたショートドラマを制作し、中国人観光客の誘致にも力を入れています。
■これからは「ショートドラマ」の時代?
韓国ではこれまで、地上波ドラマからOTT(Netflixなどの動画配信サービス)へと主戦場が移ってきましたが、今や「縦型・短尺」という新たな領域が加わりました。
通勤電車の中で、あるいは寝る前の数分間で、あなたの推しが主演するドラマが完結する。そんな体験がこれからの当たり前になるかもしれません。短い時間の中にギュッと凝縮された韓国ドラマの新しい魅力、皆さんも一度体験してみてはいかがでしょうか?
豪華なベテラン俳優から、大人気のK-POPアイドルまで続々と参戦しているショートフォームドラマ。皆さんは、自分の「推し」にどんなシチュエーションの1分ドラマを演じてほしいですか?ぜひコメントで教えてください!
出典:https://www.imaeil.com/page/view/2026030911484746800
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