韓国を訪れた際、ドラッグストアの「オリーブヤング(韓国で絶大な人気を誇るヘルス&ビューティ専門店)」で外国人観光客が店員さんと韓国語で親しげに話していたり、海外のZ世代がリュックにK-POPアイドルのフォトカードやキーリングをつけて歩いていたりする姿を目にしたことはありませんか?今や韓国の街角で日常的に見られるようになったこうした光景は、単なるブームを超え、大きな時代のうねりとなっています。
韓国政府は今、「K-カルチャー」の勢いをそのまま「K-観光」へと繋げ、2030年までに外国人観光客3000万人を達成するという壮大な目標を掲げました。昨年、韓国を訪れた外国人観光客数は1893万人を超え、パンデミック以前の記録を塗り替える過去最高を更新。今、韓国観光はかつてない「大転換期」を迎えています。
■ 聖地巡礼から「ライフスタイル体験」へ!K-カルチャーが変えた旅の形
かつての韓国旅行といえば、明洞(ミョンドン)でのショッピングや東大門(トンデムン)でのナイトショッピングが定番でした。しかし、今のファンたちの目的はより多様化し、深まっています。
その最大の原動力となっているのが、BTS(방탄소년단)やBLACKPINK(블랙핑크)、TWICE(트와이스)、Stray Kids(스트레이 키즈)といったK-POPグループの圧倒的な影響力です。彼らのミュージックビデオのロケ地を巡る「聖地巡礼」はもちろん、彼らがSNSで紹介した飲食店や、愛用しているファッションブランドを求めて、観光客の足はソウル市内だけでなく全国へと広がっています。
また、映画『パラサイト 半地下の家族(2019年に公開され米アカデミー賞を席巻したポン・ジュノ監督作品)』や、Netflixなどで配信される韓国ドラマの影響も無視できません。作品を通じて韓国の食文化や生活習慣に興味を持ったファンたちが、「実際にあの料理を食べてみたい」「あの雰囲気を味わいたい」と韓国行きのチケットを手にしているのです。
興味深いのは、人気のエリアも変化している点です。定番の明洞や弘大(ホンデ)に加え、最近では「ソウルのブルックリン」とも呼ばれる聖水洞(ソンスドン)や、異国情緒あふれる梨泰院(イテウォン)・漢南洞(ハンナムドン)一帯が、トレンドに敏感なMZ世代の新たなホットスポットとして定着しました。推しと同じ空気を吸い、同じスタイルを楽しむ。今の韓国旅行は、単なる観光ではなく「推しの文化を体験する」旅へと進化しています。
■ 地方にも「推し」の魅力を!3000万人時代へのインフラ整備
韓国政府は、この勢いを一過性のものにしないため、2030年に「観光客3000万人時代」を切り拓くと宣言しました。これを実現するために、政府や民間企業が手を取り合い、さまざまな改革に乗り出しています。
特に注目されているのが、観光の「地方分散」です。現在はソウルなどの首都圏に集中している観光客を、地方の拠点都市へと誘導するため、地方空港の活性化や交通網の整備が急ピッチで進められています。それぞれの地域が持つ特色を生かした美食、公演、伝統文化体験などのコンテンツを充実させ、「ソウルだけじゃない韓国の魅力」を発信していく計画です。
また、旅行者のストレスを軽減するためのIT活用も進んでいます。AI(人工知能)やビッグデータを活用した観光案内サービスの開発や、パスポートベースの認証体系による決済の簡素化など、より便利でスマートな旅の環境が整えられようとしています。
こうした動きの背景には、イ・ジェミョン(이재명)大統領の強い意志もあります。先月行われた国家観光戦略会議において、イ大統領は「量的成長を超え、質的な跳躍を成し遂げる時だ」と強調。「一度来たらもう一度来たくなる国、滞在する時間が幸せな国にしたい」と語り、観光産業を国家の重点事業として支援する姿勢を明確にしました。
■ 「一度きり」にさせない!おもてなしの質を向上させる取り組み
観光客が増える一方で、課題も浮き彫りになっています。韓国でも問題視されているのが、いわゆる「バガジ(ぼったくり)」行為や、一部の不親切な接客、過度な客引きなどです。
「バガジ」とは韓国語で「ひょうたん」を意味しますが、昔、ひょうたんの器でお酒などを売る際に量を誤魔化したことから、現代では法外な料金を請求することを指す言葉として使われています。こうした悪習は、せっかくの楽しい思い出を台無しにしてしまいます。
政府はこうした問題を根絶するため、徹底した点検と管理を行う方針です。イ大統領は「観光とは単に商品を売ることではなく、誰かの大切な思い出を作ることだ」と述べており、観光客に温かい記憶を、地域には新しい活力を提供できるような、持続可能な観光生態系の構築を目指しています。
ファンの皆さんにとって、韓国はもはや「遠い隣国」ではなく、大好きなアーティストや作品を通じて繋がっている「心の身近な場所」かもしれません。より便利に、より深く韓国を楽しめるようになるこれからの変化は、次の渡韓をさらにワクワクさせてくれるはずです。
次回の韓国旅行では、今まで行ったことのない地方都市を訪ねてみたり、最新のAIガイドを使ってみたりするのも楽しいかもしれませんね。皆さんが今、一番気になっている韓国のスポットや、次に韓国へ行ったら絶対にやりたいことは何ですか?ぜひコメントで教えてください!
出典:https://www.ekn.kr/web/view.php?key=20260309020125981
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