韓国映画界から、久しぶりに明るいニュースが飛び込んできました!2026年3月、チャン・ハンジュン(장항준)監督の最新作『王と生きる男(原題:왕과 사는 남자)』が、累計観客動員数1000万人を突破したことが発表されました。
韓国において「1000万人映画(チョンマン・ヨンファ)」という言葉は、特別な意味を持ちます。韓国の総人口が約5100万人であることを考えると、国民の5人に1人が劇場に足を運んだ計算になり、文字通り「国民的ヒット作」と言える栄誉なのです。
本作は、なぜこれほどまでに韓国の人々の心を掴んだのでしょうか?そこには、誰もが予想しなかった「3つの大逆転」がありました。
■ 逆転その1:バラエティでもお馴染み、チャン・ハンジュン監督の「本気」
まずファンを驚かせたのは、チャン・ハンジュン監督自身のキャリアの逆転劇です。
チャン・ハンジュン監督といえば、日本でも人気のドラマ『シグナル(坂口健太郎主演でリメイクもされた傑作サスペンス)』の脚本家キム・ウニ(김은희)さんの夫としても有名ですよね。バラエティ番組では、奥様の稼ぎを自慢する「愛妻家で明るいおじさん」というイメージで親しまれていますが、映画監督としては苦労が続いていました。
2023年に公開されたバスケットボール映画『リバウンド(実話を基にした青春映画)』では、公開初日の観客数の少なさに涙を流したというエピソードも。最終的な観客数も70万人に留まっていました。
そんな監督が、自身初の時代劇に挑戦したのが本作です。公開前は、リュ・スンワン(류승완)監督の期待作『ヒューミント(原題:휴민트)』などに注目が奪われがちでしたが、蓋を開けてみれば、チャン・ハンジュン監督にとって2002年の『ライターをつけろ』以来の、そしてキャリア史上最大の歴史的大ヒットとなったのです。
■ 逆転その2:絶滅の危機を救った、韓国映画界の「復活」
もう一つの逆転は、映画館そのものの盛り上がりです。
実は、韓国の映画界はここ数年、深刻な不振に陥っていました。2024年の『犯罪都市4(マ・ドンソク主演の大ヒットアクションシリーズ)』以降、長らく1000万人を超える作品が出ていなかったのです。
2025年の統計では、韓国映画の売り上げは前年比で約4割も減少。政府が450万枚もの割引券を配布しても、話題作が500万人止まりになるなど、「もう映画館に1000万人が集まる時代は終わったのではないか」という不安の声が業界全体に広がっていました。
そんな暗雲を吹き飛ばしたのが『王と生きる男』でした。本作が描いたのは、韓国で広く知られる「端宗(タンジョン/15世紀に10代で非業の死を遂げた朝鮮王朝第6代王)」にまつわる物語。悲劇的な歴史を扱いながらも、現代の観客の心を揺さぶる新鮮な演出が、若い世代からシニア層までを再び劇場へと呼び戻したのです。
■ 逆転その3:ユ・ジテが演じた「美しすぎる悪役」ハン・ミョンフェ
そして、SNSを中心に最も大きな話題を呼んだのが、キャラクターの設定です。
本作で名優ユ・ジテ(유지태)が演じたのは、歴史上の有名人物ハン・ミョンフェ(한명회)。これまで韓国のドラマや映画で描かれてきたハン・ミョンフェは、首が曲がっていたり、耳が尖っていたりと、ステレオタイプな「卑劣な策略家」として描かれるのが定番でした。これは、彼が未熟児(七朔子)として生まれたという記録に基づいた演出です。
しかし、本作のユ・ジテ版ハン・ミョンフェは違いました。モデルのような長身に、整った顔立ち。あまりに美しく、威風堂々とした「かっこいいハン・ミョンフェ」として登場したのです。
これには「歴史歪曲ではないか?」という声も出そうですが、実はそうではありません。歴史書『徐居正(ソ・ゴジョン)神道碑銘』には、「顔立ちが優れ、体格が大きく、一目見て並外れた存在だと分かった」という記録も残っているのです。
「卑屈な悪役」ではなく、「圧倒的なカリスマ性を持つ政敵」として描かれたことで、物語にこれまでにない深みが生まれました。ユ・ジテの重厚な演技は、「歴代最高のハン・ミョンフェ」との呼び声も高く、多くのファンの心を掴んでいます。
監督の情熱、映画館の活気、そして俳優たちの新たな挑戦。すべてが完璧に噛み合った『王と生きる男』は、まさに2026年の韓国エンタメ界を象徴する一本となりました。
皆さんは、これまでのイメージを覆すような「ギャップのある悪役」はお好きですか?ユ・ジテが演じる、新しいハン・ミョンフェの姿を早く日本のスクリーンでも観てみたいですね。ぜひ皆さんの期待や、気になるキャストの感想をコメントで教えてください!
出典:https://www.mediatoday.co.kr/news/articleView.html?idxno=332896
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