韓国映画界から、また一つ輝かしい金字塔が打ち立てられました。製作会社SLL(韓国の大手放送局JTBC系列のコンテンツ制作会社)の快進撃が止まりません。
2026年3月、チャン・ハンジュン(장항준)監督の最新作『王と生きる男(原題:왕과 사는 남자)』が、累積観客数1000万人を突破するという大記録を達成しました。これは、2024年に空前のヒットを記録したマ・ドンソク(마동석)主演の『犯罪都市4(범죄도시4)』以来、約2年ぶりとなる「千万映画」の誕生です。
今回は、なぜこの作品が韓国人の心を掴んだのか、そして製作会社SLLが仕掛けるヒットの法則について、日本の韓流ファンの皆さんに詳しく解説します。
■ 韓国映画のステータス「千万映画」とは?
まず、日本の皆さんに知っていただきたいのが「千万(チョンマン)映画」という言葉の重みです。韓国の人口は約5000万人。つまり、観客動員1000万人というのは「国民の5人に1人が映画館に足を運んだ」ことを意味します。
日本では映画のヒットを興行収入(円)で表すのが一般的ですが、韓国では「何人が見たか」という観客数が最も重要な指標となります。1000万人超えは、単なるヒットを超えた「社会現象」の証であり、俳優や監督にとっても最高の栄誉なのです。
今回、SLLという制作会社が『犯罪都市4』というゴリゴリの犯罪アクションに続き、正反対のジャンルである「時代劇(サグク)」でこの大台を突破したことは、韓国コンテンツ業界に大きな衝撃を与えています。
■ 時代劇の「重苦しさ」を払拭した、パク・ジフンとユ・ヘジンの化学反応
『王と生きる男』がこれほどまでに支持された理由は、その絶妙なキャスティングと演出にあります。
物語の舞台は1457年。悲劇の若き王として知られる端宗(イ・ホンウィ)が江原道の寧越(ヨンウォル)に流刑となった史実をベースにしています。この若き王を演じたのが、アイドルグループWanna One(ワナワン)出身のパク・ジフン(박지훈)です。
パク・ジフンといえば、日本では「ウィンク王子」としての可愛いイメージが強いかもしれませんが、近年はドラマ『弱いヒーロー Class1』などで見せた鬼気迫る演技で「演技ドル(演技ができるアイドル)」の枠を超えた評価を得ています。本作では、孤独と不安に揺れる若き王の感情を繊細に表現し、10代・20代のファンだけでなく、目の肥えた映画ファンをも唸らせました。
そして、その王を守ろうとする村長、オム・フンドを演じたのが「信じて見る俳優(出演作なら間違いないという意味の韓国の褒め言葉)」こと、ユ・ヘジン(유해진)です。映画『コンフィデンシャル/共助』や『タクシー運転手 〜約束は海を越えて〜』などでおなじみの彼が、今回は持ち前のユーモアを封印し、重厚な人間愛を体現しました。
メガホンを取ったチャン・ハンジュン監督は、バラエティ番組での明るいキャラクターでも人気ですが、実は『サイン』などのヒット作を執筆した脚本家キム・ウニ(김은희)の夫としても知られています。監督特有のテンポの良い演出が、時代劇特有の「難しさ」や「重さ」を和らげ、幅広い世代が楽しめるエンターテインメントに昇華させたのです。
■ SLLの「マルチレーベル戦略」がもたらした勝利
今回の成功の背景には、製作会社SLLの戦略的な仕掛けもありました。
SLLは現在、複数の制作会社(レーベル)を傘下に置く「マルチレーベル体制」をとっています。今回の『王と生きる男』を制作した「B.A.エンターテインメント」のように、各制作会社が持つ専門性や個性を尊重し、独立したクリエイティブ環境を保証しているのが特徴です。
韓国では今、NetflixなどのOTT(動画配信サービス)作品が勢いを増していますが、一方で「映画館でしか味わえない感動」を求める観客も少なくありません。SLLは、アクション映画の金字塔である『犯罪都市』シリーズで培ったノウハウを活かしつつ、歴史ドラマという普遍的なテーマを新しく解釈することで、劇場の価値を再証明しました。
歴史の悲劇の中に、現代にも通じる「人間同士の絆」という普遍的な価値を盛り込んだことが、全世代の共感を得た最大の秘訣と言えるでしょう。
■ 最後に:映画がつなぐ日韓の共感
韓国で「千万映画」が誕生すると、その作品は高い確率で日本でも公開されます。パク・ジフンが魅せる新たな一面と、ユ・ヘジンが贈る深い感動。スクリーンで彼らに会える日が待ち遠しいですね。
韓国の歴史を知らなくても、「大切な人を守りたい」という切実な願いは、国境を越えて私たちの心に響くはずです。
子役出身からアイドルを経て、今や1000万人動員俳優の仲間入りを果たしたパク・ジフン。皆さんは彼のどんな姿に一番惹かれますか?また、ユ・ヘジンさんの出演作で皆さんの「人生の一本」があれば、ぜひコメントで教えてくださいね!
出典:https://sports.khan.co.kr/article/202603070936003?pt=nv
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