アイドルを勉強中還暦の産婦人科医はなぜKカルチャーに夢中なのか?

Buzzちゃんの見どころ

21年間産婦人科を営んできた63歳の医師や、救急センターで働く現役看護師が大学院でKカルチャーを専攻。成功法則を医療に活かす試みや、アーティストの精神健康を守る研究など、異業種からの関心が集まっています。

韓国のエンターテインメント、いわゆる「Kカルチャー」の勢いは、今やファンの熱狂を越え、専門職の世界にまで大きな影響を及ぼしています。ソウル市内にある聖信(ソンシン)女子大学(ソウル市江北区にある私立大学)の大学院では、異色の経歴を持つ社会人たちがKカルチャーを体系的に学ぼうと門を叩いています。

■ 還暦を迎えた産婦人科医が大学院で「K-POP」を学ぶ理由

ソウル市城北区にある聖信女子大学ドンアム水晶キャンパス。この場所で行われている「K-ミュージックビジネス論」の講義室には、若々しい学生たちに混じって、熱心にノートを取り、議論に参加する一人の女性の姿があります。彼女は、今学期から文化産業芸術学科のKカルチャー・エンターテインメント専攻の修士課程に入学した、産婦人科医のパク・レオク(박래옥)さん(63)です。

パクさんはカトリック大学医学部を卒業後、21年間にわたり個人の産婦人科医院を経営してきました。2003年には卵巣がんの細胞を破壊する治療剤「シザル」を開発するなど、医療の最前線で実績を積んできた専門家です。そんな彼女が、なぜ今、若者の文化とされるK-POPを学んでいるのでしょうか。

パクさんは「週に2回、講義を受けるために病院を早く閉めて学校に来ています」と語ります。「私たちの世代はK-POPに触れる機会が全くなかった世代ですが、若い学生たちと一緒に勉強し、会話をすることで、生まれて初めてアイドルのアルバムを注文しました」と笑顔を見せました。

講義後に行われた新人アイドルグループに関する発表セッションでは、パクさん自ら登壇。緊張した面持ちながらも、LE SSERAFIMやBABYMONSTER、ILLITといったグループの代表メンバーやアルバムの特徴を丁寧に紹介しました。

彼女が特に興味を抱いているのは、K-POP産業の急激な成長プロセスです。「K-POPがいかなる過程を経て、短期間で世界の頂点に立ったのかを体系的に学びたかった」とし、「その成功の公式を、自身の本業である医療分野にも接目できるのではないかと考えています」と明かしました。また、長年「理系的な思考」を中心に生きてきた自分にとって、不足していると感じていた言語的・芸術的な感性を養いたいという個人的な願いも大きいといいます。

■ 救急センターの看護師も注目する「アーティストのメンタルヘルス」

この授業には、パクさんのほかにもユニークな経歴を持つ学生がいます。総合病院の救急センターで勤務する6年目の看護師、パク・ヒョンシク(박현식)さん(31)です。

彼が今回の課程を受講するきっかけとなったのは、アーティストの「デローリング(de-rolling)」という概念に関心を持ったことでした。デローリングとは、俳優などの表現者が役柄や職務に深く没入した状態から、本来の自分へと安定して復帰できるよう、精神状態を整理・回復させる技法のことです。

ヒョンシクさんは「救急センターで働いていると、精神的な苦痛を訴えるアーティストの方々に実際に接することがあります」と現場の状況を説明します。「看護学や精神健康分野にこのデローリングの概念を導入すれば、新しい可能性が広がるのではないかと考えました」と、学問の融合に期待を寄せています。

■ 文化産業の枠を超え、広がる「K-ヘルスケア」への応用

このように、Kカルチャーの拡散は単なる文化現象に留まらず、医療界などの専門職領域にまで波及しています。異なる分野を融合させることで競争力を確保し、新たな成長の可能性を見出そうとする動きが、より鮮明になっているのが現状です。

同大学のキム・ジョンソプ(김정섭)教授は、「『K-ヘルスケア(韓国の高度な医療サービス)』など、韓国の医療分野も世界的に注目を集めています。そのため、エンターテインメントをはじめとする文化産業で通用している感覚や成功の法則を、他のビジネスに活用しようとする需要が増えている」と分析しています。

一見すると無関係に思える「医学」と「アイドル」。しかし、世界を魅了するKカルチャーのシステムを学び、それを社会の他の分野へと還元しようとする試みは、今後も韓国社会の中で多様な形で広がっていきそうです。

出典:https://www.joongang.co.kr/article/25423320

📚 Buzzちゃんの豆知識

■ デローリング(de-rolling)

俳優などが演じている「役柄」から抜け出し、元の自分(自意識)に戻るプロセスを指します。韓国では俳優の過度な没入による精神的疲労が注目されることもあり、メンタルヘルスの観点から研究が進んでいる概念です。

■ 聖信(ソンシン)女子大学

ソウルに位置する名門女子大学の一つです。近年は文化産業やエンターテインメントに特化した学科が注目されており、現役のアナウンサーや業界関係者が学び直しの場として選ぶことも多い大学として知られています。

Buzzちゃんの感想

還暦を過ぎてからアイドルのアルバムを初めて買ったというお話、すごく素敵ですよね!私は『財閥家の末息子』のようなバリバリのビジネス展開も大好きなので、K-POPの成功法則を医療に活かすという視点には目から鱗でした。アーティストのメンタルケアを救急の現場に繋げる研究も、これからもっと必要になりそう。皆さんは、もし今から何かを学び直すなら、どのKカルチャー分野に興味がありますか?

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